話題:二次創作文
昔書いてたやつをサルベージして手直ししてみた。
三番隊主従ヒャッホーしてた頃にヤンデレイヅルさん美味しいです(^p^)って妄想して出来た産物。
SS編でのVS松本if話。隊長いないけど一応ホモォなので注意。あとナチュラルに死ネタ。
色々とあれだから追記に収納しときます。
あと携帯故障で消し飛んだベルツナ話を復活させたい。然り気無く連載ものだったからダメージでかいのよ( ノД`)…
「僕、貴女の事、最初っから大嫌いだったんです」
幾度かの鍔迫り合いの後、荒い呼吸をしながら自分を見上げる乱菊を見下ろしながら、吉良はうっすらと口元に笑みを浮かべた。
「市丸隊長が仰有って下さったんです。僕さえいれば良いって」
何処かうっとりとした表情で吉良が虚空へと視線を向ける。そしてそのまま流れる様に嘲笑を浮かべて乱菊を見遣る。
「だから貴女なんかもう必要ありませんよね。だって隊長の全ては僕のものなんです。僕の全てがあの方のものなのに、あの方が僕以外を大事に想うなんて可笑しな話でしょう?」
くすくすと可笑しそうに笑いながら、吉良は侘助の刃先で優しく乱菊の頬を撫でた。薄く裂けた傷口からぽたり、鮮血が流れ落ちる。
「分かりやすく言いましょうか松本さん。――貴女の存在が邪魔なんです。隊長にとって貴女は心を縛る枷でしかないんです。貴女がいるからあの方は自由になれない。貴女がいるからはいつまでもあの方は自分の為に生きられない。貴女さえいなければ隊長は全てを棄て去る必要も、諦める必要もなかったのに。全部、全部貴女のせいなんです。貴女が居るから隊長は苦しみ続けるんです。僕はあの方の副官です。あの方の憂いは僕が霽らさなければいけない。それがあの方の望まない事であっても、裏切りであったとしても、市丸隊長を縛り続ける松本さん、貴女を僕は赦す事が出来ない。――だから」
そこで吉良は言葉を区切る。乱菊は吉良を睨み付けたまま何も語らない。静かにじっと、吉良の言葉を待つ。
「――だから、死んで下さい松本さん。隊長の事を少しでも想われているのなら、隊長のために死んで下さい。大丈夫です。市丸隊長には僕が居ます。貴女なんかよりずっとずっと幸せにして差し上げます。約束してあげます。だから、安心して死んで下さい」
吉良が笑う。優しく、柔らかく、慈愛を込めて静かに笑う。
その言葉を受けて漸く乱菊は口を開いた。有りっ丈の侮蔑の表情を浮かべて、そして瞳には憐憫を込めて。
「ほんとに馬鹿ね、あんたも、あいつも。そして―― 」
最期の言の葉は紡がれなかった。切り落とされた首がぐちゃり、嫌な音を響かせて地に落ちた。