話題:突発的文章・物語・詩
団長とフェイタン。
死ねた注意。
もう団長のお言葉が死亡フラグにしか見えなくてカッとなってやった。
蜘蛛はだいたい仲良しだけど、初期組は特に家族愛的な何かが強いと思ってる。
とても個人解釈です。注意。
「クロロ」
ソファーで丸まって眠っていた筈のフェイタンが、不意に俺の名を呼んだ。
「どうした、フェイタン」
「惚けるんじゃないね。ワタシに隠し事、出来ると思たか?」
苛立ちを隠しもしない。剣呑な瞳が静かに俺を睨んでいた。
「俺がフェイタンに隠し事なんかする訳ないだろう」
「嘘ね。クロロはいつも嘘ばかりね」
「どうしてそう思う?」
「知らないとでも思たか?」
く、とフェイタンが小さく嗤う。胸の奥がざわめくのを感じた。
「……何を?」
「クロロは、ワタシを置いて逝く。蜘蛛の為に。ワタシの為に」
確信めいた言葉に、一瞬、言葉に詰まりそうになる。それを堪えて、そっと近付くと彼の髪を梳いた。
「フェイタン」
「団長は甘過ぎよ。極甘ね。ワタシ達守られる程弱くないね」
「フェイ」
「何ね」
「この仕事が終わったら、また一緒に何処か行こうか」
不貞腐れるフェイタンの頭を撫でながらそう口にする。いつもの様に。寂しいと言えない彼を甘やかすのは、俺がきっと自分で思っているよりもずっと、お前を。
「だから貴方は嘘つきよ、クロロ」
物言わぬ骸に、ただ黒い風が泣いていた。