遙かなる時空の中で6〜幻燈ロンド〜「萬」



●萬/マン(cv下野紘さん)
自働人形(オートマタ)の青年。見た目は18歳。八葉が選ばれた時共に黒龍に黒蓮として選ばれたため、主人公を御主人(マスター)と呼び常にそばで仕えるようになる。






〜ネタバレ〜
黒蓮として主人公にべったりとくっつくようになった萬はオートマタといえど見た目は人間と変わらない青年であったが、心というものが無くどこか無機質で行動が突拍子もなかった。
マスターである主人公を守ることが絶対であり、攻撃対象とみなしたものには容赦なく武器を向け、止めなければ殺してしまう勢いであった。そのくせ主人公に怒られるとしょぼんとし、「役立たずの人形など破壊してください」や「自爆した方がいいですか」など自虐的な発言も多い極端な存在だった。
その行きすぎた行為の端に、以前は違う人物に仕えていた言葉が垣間見え、以前のマスターには何も教わらなかったのかと聞くと、黒龍に選ばれた際に記憶を消されたのでわからないといった。
そのためこのままではよく無いことが起きると思った主人公は根気よく萬に命の大切さを教えることにした。
人だけでは無い、猫も犬も木にだって命はあり、それは未来につながるものだと優しく伝える。そして萬自身も楽しみを見つけるべきだと本を与えた。萬は本を読むのが楽しく、どんどんといろんなことを吸収し、感情というものが徐々にわかるようになってきた。
そんな時怨霊が現れたせいで暴走した車が、近くにいた少女と飼い猫にぶつかりそうになった。少女は避けられたものの、猫が引かれそうになる。しかし瞬間、萬は自らを犠牲にし、猫をかばって引かれてしまった。意識を無くし停止してしまった萬に駆け寄り悲しみすがりつく主人公だったが、村雨の機転により萬の宝玉に主人公の力を注げばいいと言われ主人公は萬への気持ちを乗せて力を注ぐと、なんと萬はギリギリのところで助かったのだ。意識を取り戻した萬はなんと微笑んでいた。宝玉に流れ込んだ主人公の気持ちがあったかくて、自分のために泣いてくれて助けたいと願ってくれた気持ちが届いて、だから嬉しくて笑う萬はもう人と同じ存在になれていた。
その後萬は心を持ったことにより更に主人公へ特別な感情を抱いていることに気付いていた。主人公に喜んで欲しくて一生懸命探した猫に似た石を磨いてプレゼントしたり、見つめれば胸がときめいて、手が触れれば鼓動が高まる、そんな気持ち。その気持ちがなんなのかを知りたくて村雨に沢山の本を借りて喜ぶ萬だったが、そんな彼を一気に奈落の底に落とす人物が目の前に現れた。それは、藤堂尚也だった。
藤堂は萬に酷い言葉をなげかける。人形なんかのくせに心を持って、しかも恋だなんて馬鹿げてると。そして黒龍から消された記憶を取り戻してやろうと、萬の無くなっていた記憶を注ぎ込まれた。
萬の本当のマスターは藤堂だったのだ。
未来からきた藤堂と萬は未来の終焉を無くすために、黒龍に願い時を遡ってきた。だから萬は藤堂のために共にこの世界を破壊に追いやらなければならない。自分を作ってくれたドクターである藤堂もまた苦しんでいた一人なのだ。そんな彼を裏切ることは出来ないと葛藤するが、主人公を愛してしまった萬は主人公のそばを離れたく無い。
記憶を取り戻したことにより、自分は人殺しの人形であることも思い出してしまった。けれどそれは主人公が一番してはいけないことだと教えてくれたこと。そんな自分はもう主人公のそばにいられない。どうしてこんな心を教えたのかと主人公を詰め寄り泣く萬を主人公は抱きしめた。過去は変えられないけどその涙を流せたなら萬はその人たちを弔わなければならないと。そして、心を知った今ちゃんと命を大切にしている萬にずっとそばにいてほしいと。そういって抱きしめる主人公に、萬は決意する。マスターもドクターもどちらも助けることを。
その後運命の27日が訪れる。藤堂が行動を移す日だ。秋兵を洗脳しダリウスを捕まえ、主人公を攫い洗脳した軍と市民により混乱を生み出す日。しかし萬はその日のために一人秘密裏に対策を練って居た。
未来の黒龍の契約は「開戦決定」までだったのを利用し、開戦が決まった瞬間未来は守られることも決定したので、萬は契約は終わりだと、このままこの帝都も守ると言った。未来の黒龍に向かう萬と主人公はその力を示し、そして開戦を和平へ導く行動に移す。しかしそれは帝都に広がった陽の気を抑えるために膨大な陰の気をまかなければならない。陰の気は心臓を介して膨らますことができるため黒龍の神子である主人公の心臓ならそれができるとのことだったが、それをすれば命がなくなることを萬は知っていた。だから秘密裏に作っていた人間を冬眠状態にさせる薬を主人公に口移しで無理矢理飲ませ、そして自分が心臓の代わりになり帝都を救うことを決意していた。主人公は薄れゆく意識の中萬の声を聞く。「ずっとお慕いしてました。」と。
そして主人公が目覚めるとそこはなんと、2144年の未来であり、藤堂がいた。主人公は薬を大量に飲まされたため五年の眠りについていた。その長い年月を眠るとなればシェルターが必要だと思った藤堂が共に未来へ連れてきてくれたのだ。主人公が寝ているうちに帝都は救われ、八葉たちや千代も助かっていた。しかし萬だけは助からなかった。それを知った主人公は萬に会いに時空を戻ることにする。薄れゆく意識の中聞いた愛しい萬の声に、自分の気持ちを打ち明けるのだと。
藤堂と、未来の黒龍の助けをもって萬とお別れの日の直前に戻ってきた主人公。何もかもわかっている主人公は最後に別れたあの愛宕山で萬を救うと話した。しかし陰の気をまかなければ帝都は助からないことは変わらないため萬は犠牲になるのをやめようとしなかったが、そこでなんと前に萬がくれたあの猫の石が長い年月をかけたおかげで付喪神になって現れたのだ。そしてほかの付喪神に声を掛けて陰の気をまいてくれるということになった。
おかけで帝都も萬も無事助かることになり、主人公は萬に打ち明けてなかった気持ちを打ち明ける。萬のことが好きだと。信じられない萬だったが嬉しさと愛しさが溢れ、熱烈なキスをしてくれるのだった。
エンドロール後は一度未来に戻った萬が、現代に戻った主人公の元に帰ってきてくれる。萬はすっかり現代の格好に馴染み、どこから見てもステキな男性になってるが相変わらず主人公にべったりでデート中も何度もキスをねだり怒られるというスチルで終わる。

(遙かなる時空の中で6〜幻燈ロンド〜)



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