想いは正しく伝わらず
其れどころか
伝えようという術すら持たず。

山あじさいが咲き誇る、
傍らで滴る雨露を舐めながら
其の罪無き色彩に問う生命のゆくえも
果たしていつまで持つのだろう、と
重なる想いに圧迫され

涙も出ないことが唯一の救いだなんて
悼むことすら出来やしない

ああ、しかし、本当に、けれども、
今日はあんまり喉元が裂けたように痛むから
ぼくは雑草すら踏めない。