以前書いた37歳フリーター男性の竹田と彼が勤める地元のスーパーのその後の話なのだが、
実は今月末を以てスーパーは閉店が決まった。
20年以上地元に愛され、かつ多くのパートや学生バイト、Wワークの社会人等沢山の人を様々な面で助けてきたので、
閉店を聞きつけて、かつて勤めていた元パートや就職した元学生バイトの人達が久々に来店して店長や
今も勤める竹田達に挨拶や差し入れを渡しにいったりなどした。
そして人手不足という理由で、私も入れる日に1、2時間程度だが閉店作業や売り切る為のセールコーナーを作る手伝いに駆り出されていた。
そこで初めて蜂谷と仕事面で接したのだが、恋愛が絡んだり変な雑談をせずに挨拶のみにとどめるなど
最低限の接触にとどめていれば、挨拶もできるし笑顔も多い普通の女性だと感じた。
ただ、竹田にご執心なのはとてもわかりやすく、何かと竹田が担当する売り場の手伝いや
竹田が担当する売り場の品出しをしに行くと申し出ていた。
さて、竹田には左右田という元彼女がいるのだが、左右田は竹田と蜂谷の曖昧な関係を知らないが、
蜂谷は左右田が竹田の元彼女だという事は知っている。
それは別にいいのだが、ある日の閉店後、左右田が久々に竹田が勤めるスーパーに顔を出した。
そして差し入れの薔薇の花束を竹田に渡し、竹田に抱き着いた。
その場には店長と私と他のパート数人、そして蜂谷もいた。
唐突な出来事に我々も固まったが、ふと私は蜂谷の方を見ると、固まった後にわなわなと身体を震わせていた。
ショックだったのだろう。
一応蜂谷と竹田は付き合ってはいない。
そして今、左右田には新しい彼氏がいるはずなのだ。
どうしてこんなことをしたのか謎ではあるのだが、私がこれまで見てきた精神的に不安定な人は、
今付き合っている相手と上手くいかなかったり飽きてくると、前の恋人と連絡をとったり出かけたり気がある風なふるまいをする。
時々発言小町などでも、「もうお互い別の相手と結婚しているのだが、昔付き合っていた恋人から久々に連絡がきた。
懐かしくてつい返事をして、時々連絡をとるようにしている。
話の中で、その元恋人は今の配偶者に不満があるらしい。
愚痴を聞くだけという約束で今度食事に行きたいのだが大丈夫だろうか。
そして相手はどんな心理で久々に自分に連絡をとったのか」なんて既婚おじさんや既婚おばさんがこのような残念な相談トピックが立てる。
今も自分のことが好きだから、そんな振る舞いをしたり久々に連絡をとってくれたのだろうか…と随分映画の世界と現実世界を混合させている勘違い中年は一度現実を見てほしいのだが、
自分たちが生きている現実世界はそこまで美しく、きれいなものではない。
大体が自分は安定を得たり今の相手と上手くいかないから等で、
新しい刺激を欲したかったりまだ他の異性に好意を寄せられるほどの魅力があるぞと変な自信を得たいから、
思わせぶりな態度をとったりするのだ。
現にこの手の理由で不倫などに至っても、そこでじゃあ今の相手と離婚して不倫している相手と新しいスタートを切ろうという行動力までは絶対に持ち合わせていない。
不倫なり思わせぶりの態度は、相手への好意ではなく承認欲求を満たしたいのが理由だからだ。
と話はそれたが、左右田による理解のある元彼くんに連絡しちゃうメンヘラ元カノのテンプレともいえる思わせぶりな態度と、
かつて私のところに毎日来た病みラインの記憶がよみがえり、ただただ気持ち悪いなとげんなりしていたところ、
蜂谷が竹田に「何あれ」「複雑なんだけど」と声を震わせながら話した。
そして竹田はというと、気まずそうに蜂谷から目をそらし、そのまま逃げるように別の売り場のヘルプに走った。
すごい、就職からも逃げて自分に好意を向けているとわかっている女性に対しても逃げる。
ここまでくるとただの面倒くさがりではなく、不誠実の極みである。
確かに竹田はかねてより、
「蜂谷さんとは付き合うつもりはない。
何となくやりたいからやっただけだし、する行為は好きだから誘われたらする。
それだけ。
スーパーが閉店したらもう会うこともないし、向こうも飽きて連絡しないでしょ」
と私や竹田と親しい友人には言ってきた。
でも竹田は度胸がないので、その気持ちを蜂谷本人にはそれを言っていない。
彼女が好き好きと言ってくると、曖昧な返事をすると言っていた。
しかし自称No.1ホストやら某バンドのベーシストが蜂谷を好きで好きでしかたがないくらい夢中で、
彼らと事実婚をしていたり、モテて恋愛経験豊富を自称する割には、
義務教育を受けている最中の女の子くらい純粋にもほどがあるんじゃないか…?と驚いてしまう
因みに竹田の見た目は、そのホストやバンドマン並に容姿端麗…なはずもなく、
身長は156cmの私と目線が変わらないくらいの高さで、
外見は目だけはV●のイノッ●に似ている。
あくまで目だけだ。
似ていると言われている男性アイドルは、鼻や口や輪郭、髪型や身長、体格など
すべてそろっているから完成されているのだ。
とにかく竹田の見た目は、町によくいる見た目の男性だ。
そしてもうすぐ38歳になる職歴3ヶ月のフリーターおじさんだ。
彼に執着したくなるポイントは、普通はまったくない。
改めて蜂谷が言っている経歴に嘘が多そうだなと察しつつも、
彼女の気持ちにYesもNoも全く示さない竹田のどこまでもちゃらんぽらんな面に恐怖すら感じた。
左右田と交際中もこうしてふわふわした振る舞いで、彼女を振り回し、
そして彼もまた彼女の病んでいる部分に振り回してお互い足を引っ張り合いながら依存していたのだろう。
この病んでいる輪に引っ張られたら最後、強靭な精神力の持ち主でも疲弊するので
対岸の火事の距離感は死守しなければならない。
そして丁度、私はその日を境に手伝い期間が終わったのでその後の蜂谷と竹田と左右田のすったもんだは耳にしていないのだが、
個人的に左右田にはかつて散々な目にあったり、竹田も迷惑をかけられた上に男の風上にもおけない情けなさなので、
頼むから蜂谷と左右田の新しい彼氏を絡めて刃物沙汰にならないかなと願ってしまっている。
さて、ここまで彼らのシリーズを通して思うのは、人間関係が狭いと視野も選択肢も狭くなる一方な事である。
異性の出会いを求めるなら、そんな地元のスーパーの同僚とか先輩後輩に一々手を出したり駆け引きをしないでほしい。
そこで働いたり利用者のすべてに迷惑がかかる。
こういうノリは高校生の頃に卒業するもんだろう…こいつら全員次に話を聞くときは私は一切無関係で面白ないと思える展開であってほしい。