休み時間ーー…
佐々木は、同学年の男子生徒…数名と、会話をしながら廊下を歩いていた。
同学年の男子生徒、数名が…新入生の女子生徒を、品定めしに行く!っと…。
佐々木は、新入生の女子生徒の品定め。には、さほど興味を示さなかったが…男同士の付き合い的な雰囲気に呑まれ、各科の教室を覗きに行く事になったのだ。
同学年の男子生徒たちが、新入生の女子生徒を品定めしている最中…佐々木の耳に、自身を刺激する情報が入った。
つい先程、保健室から…とても不思議な空気を纏った女子生徒が出て来た。っと、ーー…
『保健室から?』
会話好きで、人脈の広い佐々木も把握していない情報を耳にし…佐々木は、同学年の男子生徒たちの文句を背にしながら…女子生徒を捜しに行くため、その場を離れた。
保健室までは、この場からそんなに離れていない事もあり…幸いにして、佐々木は女子生徒を早くに見つける事が出来た。
人の往来する中、確かに女子生徒は…不思議な空気を纏っていた。
特徴的な髪色もあり、佐々木は口端を上げた。
『個性的な子だな。』
自身の性である、知識欲を更に刺激され…佐々木は、声をかけずにはいられなくなる衝動に駆られた。
が、女子生徒に先に声をかけた男子生徒がいた。
佐々木は、出鼻を挫かれ…なぜか?少しだけ離れた場所、2人の会話が聞こえる程度のとこで、足を止めた。
『…加藤 めお。…ちゃん、か…。』
男子生徒との会話の中で、女子生徒の名前を耳にした佐々木は…名前を覚えるため、唇を動かして呟いた。
やがて、男子生徒との会話が終わったのか?
2人が離れるの確認した佐々木は、次は自身が声をかけようと…女子生徒との距離を縮めにかかった。
が、その時ーー…女子生徒の個性を揶揄する生徒の言葉を耳にし、佐々木は足を止めた。
「人の個性を揶揄すんじゃねぇ〜…。」
揶揄した生徒は、佐々木の態度に…顔を青ざめた。
180を超える身長に、体格の良い佐々木。変声期のため、より低くなった声。
威圧感やらなんやらを感じざるを得ない佐々木の態度に、顔を青ざめずにいられる生徒は…そうはいないだろう。
佐々木が揶揄した生徒が顔を青ざめた事に対し、周囲が騒めきはじめてしまいー…佐々木は、逃げるように女子生徒との距離を縮めにかかる。
「加藤さん!加藤 めお、さん!」
先程の騒めきを感じているだろう女子生徒の名前を呼び、振り向く相手と視線が合う。
佐々木は、足を止めてくれた女子生徒に近づく。
「突然、すまない。加藤さんの事を耳にして…。」
突然声をかけ、多少なりとも驚きと警戒を示しているであろう相手に…他意はない事を伝えようと、一言の謝罪を加えて。
「俺は、普通科2年の佐々木。年齢的には、2つ上なんだが…ダブりで。」
至極簡単な自己紹介をし、女子生徒のその独特な髪色や髪型の由来など、興味が尽きない旨を伝えた上で、友だちになって欲しい。と、相手に対する知識欲満載の笑みで、顔を緩ませて伝え。
「佐々木っ!」
先程の騒めきを聞いて駆けつけた先生方の声が耳に入り、げぇっ!と呟きを吐き出して、逃げようか素直に先生方の小言を受けようか悩みはじめてーー…