前回の続きです。
2023-2-4 19:29
BWULast Judgement 第七話
『……いきなり静かになったな。次は何が襲ってくるやら……』
刀を構えながら歩いているも、先程まで次々と現れた刺客がピタリと止んだことに違和感を感じていた。
警戒しながら歩き、少しの物音にも気を張りいつ敵が来てもいいよう身構えていた。
『さっき来たのもガキ……ミラーハウスの時のガキと瓜二つだったな。双子か?双子……あの鳥双子もどっかで元気にやってっかな……。ま、俺のデータ入ってんだったら大丈夫か』
惑星ガイアにいた時を思い出しながらも、徐々に観覧車へと近づく。
フォーミュラは無事だろうかと思ったその時であった。
『そこまでよ!』
『……?』
『見つけたわよこの魔女めっ!今度こそアリア達が退治してやるんだから!これ以上の悪事は許さない!アリアとノクターンのマジカルメロディツインズが魔女を懲らしめるよっ!』
『はいはい……光と闇の魔法少女参上……覚悟してね……』
『……………………は?』
ヒーローショー用の舞台で色とりどりの煙をバックに現れるアリアとノクターン。
その奇行にも驚いたが、方やノリノリ、方や仕方なくノッているという感じであり……そのアンバランスに妙な気持ちでそれを眺めるしかできなかった。
『………………』
『やったよノクターン!驚いてる!サプライズ成功だよっ!』
『サプライズって喜ばせることでしょ……この女にするのは今から絶望を見せること……』
『いーのいーの!これからマジカルステッキで魔女を制裁するには変わりないんだからっ!』
『それもそうね……』
『あ゛ー……めんどくせぇ』
ジャキン!という音がすると二人の頭上から機材がガラガラと崩れ落ちてきた。
二人は小さな悲鳴を上げるとそれを避けた。
『ひーどーいー!まだ変身シーンがあるのに!変身シーン中に攻撃するなんてNGでしょ〜!この鬼!悪魔!魔女っ!』
『おーおー鬼も悪魔も言われたことはあるが魔女は言われたことはねぇな』
『もー!せっかくのステージも台無し!可愛くセッティングしたのに〜!えいっ!』
アリアがステッキを降ると、ステージは元通りに修復したのだった。
『……どんなトリックだよ』
『魔法☆だよ★びっくりした?』
『まぁ多少は』
『ふふ!これからもーっとびっくりさせちゃうんだから!』
『もう早くやっちゃいましょ……』
『うん!早くお兄ちゃんに褒めてもらおう!』
『お、殺る気になったか。ちゃっちゃと殺ろうぜ』
『アハハ、その前に……へーんしん!』
『変身……』
二人がステッキを振ると、淡い光が二人を包み、光が晴れると……そこにはフリフリのリボンの装飾品だらけの衣装を着た二人がいた。
『なんでこんな時に着替えてんだよ』
『着替えじゃなくて変身!魔法少女と言えば変身だよ〜!こうやって戦うの、昔から憧れてたんだ♪だからアリア達は二人で魔法少女になったの、何でも願いを叶える無敵で可愛い魔法少女……お星さまに願ったの☆…………あれ、なんでそんなの願ったんだっけ……』
『アリア、アンタ馬鹿なんだからそんなこと考えてないで……やるよ』
『んー、わかった!じゃ、いくよ!』
アリアがステッキを振ると、オポムスラッシャーの周りの観客席が浮き一斉にオポムスラッシャーに向かい落ちてきたのだった。
それを避けつつ斬り、二人のいるステージに一気に近づくオポムスラッシャー。
しかし客席の影に隠れていたノクターンの打撃によってなかなか近づくことができなかった。
『貴女はここで死ぬ運命……お兄ちゃんの手を煩わせる必要すらないわ……』
『死んでたまるかっての。俺には使命があるからな。テメェ等が今後もそのままごと続けたきゃ降参しろや、ガキ甚振る趣味はねぇんだよ』
『ままごとなんかじゃないわ……これは私達の絶望からの希望……願いなのよ……!』
どこか苦しそうな表情のノクターンに引っかかったが、攻撃が止むことはなかったため攻防は続いた。
物は浮き、飛び、次々と襲ってくる二人の攻撃。
本当に魔法の様な攻撃方法になにか裏はないかとオポムスラッシャーは考えていた。
……"唯一彼女達を止める手段"はあるのだが、それはオポムスラッシャーにとってプライドが許せない事態になるので絶対に使いたくない、と歯を食いしばった。
『(クソ、どうすっかな……)』
『……ねぇ、あの綺麗なお兄さん……貴女のこと好きみたいよ』
『知ってる』
『あらそう……』
『なんだ?情に訴えて俺を惑わすつもりか?生憎俺はそんなので揺らぐほどやわじゃねぇんで』
『女の子は少しぐらいか弱い方が可愛いのよ……』
『可愛くなくて結構!そういう役目は俺の片割れに任せてんだよ。つーか……ンなボロボロの腕して、自傷しまくるお前もか弱くねぇだろ』
『っ、触らないでよ!』
『うぉっ』
腕を掴んだオポムスラッシャーに酷く驚きヒステリックに叫びだすノクターン。
そして腕を守るようにし、オポムスラッシャーを睨みつけた。
『これはお兄ちゃんと共感している大切な印なの……!部外者は消えて、消えて消えて消えて消えて消えて消えて消えてよ!!』
『!』
いきなり豹変したノクターンに地雷を踏んでしまったかも距離を取るオポムスラッシャー。
どす黒いオーラヲ纏うノクターンはステッキを振りなにか呪文のようなものヲ唱えていた。
『あー!ノクターン大魔法使うの?いーなぁ〜アリアも使いたぁ〜い!』
『ちょっと黙って……お姉さん、覚悟してね……?』
『!』
オポムスラッシャーの視界が歪んでいく。
目の前のノクターンや舞台が消え去っていく。
『(何だこれ……幻覚か?どこからかあいつ等は俺を狙ってるってか。……ここ……どこだ……?)』
視界の歪みが終わると、どこか懐かしい景色が眼前に広がった。
『(……惑星ガイア……?どうしてここが……。ん?あれは……ライオコンボイ……それにみんな……)』
懐かしい面々に少しだけ気が緩み、そちらへ手を伸ばしそうになる。
そして自分の肩に手が置かれる。
振り向くと、鏡に写ったようなそっくりの自分の顔と目が合った。
『…………』
『…………』
ニコ、と控えめな笑顔が向けられ、その表情にオポムスラッシャーは心が締め付けられそうになった。
『…………』
『どうしたんです?あちらで皆さんと一緒に遊びましょう?』
『…………』
『あら……酷い顔色……色々と苦労しているんですね。もう、楽になってはいかがです?』
優しく手を取り他のメンバーがある方へ誘導するも、オポムスラッシャーはそれに応じなかった。
『…………』
『?』
『楽に、か……なれたらそりゃいいだろうよ』
オポムスラッシャーが乾いた笑いで自分の片割れを見た。
…………幻覚の外では、巨大なカエル型の魔物が鋭利な歯を光らせながら口を大きく開けていた……。
『もうすぐ餌のネズミが口に入るから……不味くてもそのまま吐いちゃダメよ?ぐっちゃぐっちゃに噛んで、原型を留めないぐらいにしてあげて……そしてあのお兄さんに醜態を晒してやるのよ……』
『なら楽になりましょう?ほら、あっちに……』
『……悪ぃ、そっちには行けねぇ』
『え……?』
『俺は今はまだ楽にはなれねぇ。辛くてしんどい、苦痛を伴う道を選んでることは知ってる。でもそれは俺が選んだ道だ』
『でもそんなの……貴女が可哀想で……』
幻影はそこまで言いかけたが、それはオポムスラッシャーの刀を向けられたことによって遮られた。
『あいつは俺に可哀想とか、そんな目をしねぇ。俺の事を誰よりも知ってるあいつなら俺の選択を受け入れて送り出すか一緒に来てくれるはずだ。……幻にしてはよくできてるが……』
深呼吸をして刀を動かすと、自分の片割れを空間ごと斬り裂いたのだった。
『幻は所詮幻だ。俺は現実しか見ねぇ。さっさと消えろ』
吐き捨てるようにそう言うと、視界が再度歪み元の世界へと帰ってきたのだった。
斬ったと思ったものは巨大な魔物でぎょっとするが、相手の技を破ったことに安心した。
『うそ……!』
『キャーッ!?ノクターンの相棒がー!!酷い!こんなか可愛い子を虐めるなんて!もう怒った!今度はアリアの可愛いマスコットを召喚するね!』
今度がアリアをステッキを振ると、光がアリアを包んだ。
また幻覚か、と構えるがそんな気配はなく光が晴れるとそこには一角獣に乗ったアリアがいた。
『お姉ちゃん行くよ☆夢の世界へ連れて行ってあげるねぇ☆』
『頭に花でも咲いてんのか』
ニコニコと笑うアリアに不気味さを感じるも刃先をアリアに向ける。
一角獣は一鳴きするとオポムスラッシャーに向かい突進してきたのだった。
『お姉ちゃんもアリアと一緒にお兄ちゃん推しになってデッドペイン様を讃えようよ!きっと楽しいよ!ノクターンは同担拒否だけど、アリアは同担オッケーだから〜!』
『アタシは絶対嫌』
『もうそう言わずに〜!お兄ちゃんが魅力的だから仕方ないでしょ?』
『あぁゴタゴタうるせぇ!戦ってる時に騒ぐな!』
『あーん怖ぁーい!女の子は可愛くなきゃ!!もう!乱暴なお姉ちゃんはイヤ!だからお姉ちゃんのハートを射止めてアリアに攻撃できないようにしてあげるっ!』
『!』
アリアのステッキが弓矢に変わり、ハートの付いた矢がオポムスラッシャー目掛け放たれた。
『えいっ☆』
『っ』
『あー外したー!大人しくしてよぉ!』
『誰が大人しく当たるか!』
『はぁ……馬鹿な子……足止め使わないと無駄よ……』
『ってぇ!』
ノクターンが魔法を使うと地面から触手のようなものを生やしオポムスラッシャーの足を捕らえた。
それを斬ると素早く矢を避け、アリアに近づいた。
『小賢しい真似ばかりしてんじゃねぇ!』
『やだっ!やめてよぉ!』
『!』
矢の先がオポムスラッシャーの刀に触れた。
すると刀がアリアから離れて、オポムスラッシャーの手から弾かれたのだった。
大した攻撃を食らっていないのにそれは強い力で遠ざかり、不自然な反重力が働いた。
『何だこれ……バリアかなにかか……?』
『ほら刀ちゃんはいい子だよ?大人しくて争いなんかしたくなーいって!アリアも元々は戦いなんか大っ嫌いなんだよ?争いの無い夢みたいな世界……アリアはそういう世界に生まれたかったの。ね?お姉ちゃんもアリア達と一緒に……』
『っざけんな!そんなの俺だって……あいつだって望んでた世界だ!でも争い事起こしてんのはそっちだろーが!テメェ等が変な奴に思い入れしなきゃ俺だってクソみてぇな仕事やらなくて済むんだろうが!』
『怒らないでよも〜!ほら、仲良しの握手だよぉ』
にこりと手を差し出すアリアの手を払おうとするが、アリアに手を出した瞬間矢が背後から放たれた。
『っ……!』
『あー!何するのノクターン!アリアの邪魔しないでよ〜!』
『うるさいわね……あんたのそういうお気楽な所がだめなのよ……!!そんなんだからあんたは昔……!………何でもないわ』
『っ……体が動かねぇ……何しやがった……!!』
『地面にへばりつくのがお似合いね……』
『(何だコイツ等の弓矢……へらへらしてる方の弓矢は当たった物を弾いて、ジト目の方は当たった物を引き付けてやがる……。しかもモンスターの召喚に瞬間移動……マジで魔法みてぇな所業だな。いや魔法なんて非科学的なモンあるわけねぇ、何かしらエネルギーを使って……)ぐっ……!』
『さっさと始末しちゃいましょう。お兄ちゃんとの平和を壊すものには死の制裁よ……』
ステッキで頭を殴られ鈍い痛みが広がる。
キッとノクターンを睨むオポムスラッシャー、そんな視線も気にせずノクターンは二度目の殴打をした。
『っ……』
『あら、痛そうね……ふふ、お兄さんにも見えてるかしら。愛しい人の傷つく姿……』
『っ……いてぇな、ガキにしちゃ強い力だな……でも、魔法少女って割にはショボい魔法しか使わねぇのな』
『は……?』
『力技も多いし、結局はただの戦士だな。あれだけ魔法少女って名乗っておいて、笑えるぜ』
『……何よ……アタシ達の魔法が信じられないっていうの……?』
『そんな事言うなんて酷い酷い酷い!アリア達は無敵で可愛い魔法少女なのにーーっ!』
『っ!アリア!待って……!』
激高したアリアは感情に任せステッキを振り、周りのものを浮かせてオポムスラッシャーに投げつけ始めた。
更にそれに弾かれた岩やステージの装飾もオポムスラッシャーに落ち、じわじわと傷が付き始めた。
綺羅びやかな光や可愛らしい音とは裏腹に、えげつない音が響き滅茶滅茶となっていた。
その様子を観覧車からフォーミュラは呆然として見ていた。
『うそ……オポムスラッシャー……?や、やめろ!それ以上オポムスラッシャーを傷つけるな……!くっ、早くなんとかしないと……!!』
───…。
『ねー?これで信じた?アリア達の魔法は偉大って!』
『……っ、げほっ……!』
『あれ?喋る気力も無くなっちゃった?も〜!アリア達はもう少し穏便に済ませたかったのに〜!』
口から排気と共に血を吐き出すオポムスラッシャーは言葉を発する事はなかった。
『……アリア、やり過ぎ』
『ごめんねっ。でもこれで終わりだよ〜。ヘルちゃんも大喜びだよ!一応生きてるんだし☆』
『早く拘束しちゃいましょ。暴れられたら大変だもの』
『はーい』
『……………………』
ノクターンがステッキで触手を出しオポムスラッシャーの体に巻き付かせようとした。
が、それが体に触れようとした刹那、オポムスラッシャーの瞳が開かれアリアに襲いかかった。
『きゃあっ!』
『アリア!』
咄嗟にアリアはステッキでオポムスラッシャーの体を弾いた。
飛んだ体は舞台裏の資材へ突っ込んでいった。
『もーびっくりした……!何するのお姉ちゃ……あ゛……!』
『アリア……!!っ、このバカ!あんなに無造作に魔法を使うから……!』
突如として血を吐き出すアリアと焦ったようなノクターンの台詞によろよろと立ち上がったオポムスラッシャーはニヤリと笑った。
『っ、やっぱりな……お前等のその魔法、無限じゃねぇんだな』
笑いながら体についたホコリを払い、二人を見た。
『やっぱり魔法なんて非科学的なモンはねぇだろ。テメェ等がそんな格好と武器持って、音や光出してるからそれっぽく見えてるが……よく考えりゃテレポート装置や磁力使えりゃできるわな。……その代償が自分の体っつーのが気になるが……少しだけメカニズムが分かったぜ』
『っこの……』
『おっと』
ノクターンの攻撃を避けると、二人のステッキを取り上げた。
ステッキが無くなったことに焦りだした二人だが、オポムスラッシャーは変なことをされる前にその二本を破壊しようと腕に力を入れた。
が、しかし……。
『(なんだこのステッキについてる宝石みたいなの……脈打ってる……?気持ち悪ぃ、まるで俺達の心臓《スパーク》みたいな……)』
『返して!アリア達の大事なステッキ……!』
『この泥棒……!』
攻撃を仕掛けてこないところを見ると、このステッキがないと魔法とやらは使えないようだ。
オポムスラッシャーは少し悩んだあと、口を開いた。
『おいテメェ等、これ返してほしいだろ?』
『うん!』
『じゃあ……こっちもフォーミュラを返してもらおうか』
『……本当にそれだけ……?怪しいわ、信じちゃだめよアリア』
『でも、アリアもノクターンもアレがないと……』
『ダメ、あんな奴どうせアタシ達を殺すんだから……』
『ごちゃごちゃ言ってねーで、どうすんだよ。俺ァ気が短ぇぞ』
『っ……分かったよ……お姉ちゃんみたいなお兄さん、開放してあげる』
『アリア!』
『だって仕方ないよ!』
『っ……』
『(相当これが大事みたいだな……ただの武器ってわけじゃねーな……)交渉成立だな。フォーミュラを開放したら返してやる』
『……嘘だったら呪ってやるから……!』
『魔法の次は呪いかよ……』
呆れながらオポムスラッシャーは二人に近づくと、何らかの気配を察しその場から離れた。
『(またか!くそ、どっから撃ってんだ……!さっきから邪魔しやがって……!)』
地面に数発の銃痕が残るのを見てオポムスラッシャーはスナイパーの位置を確認しダガーを投げた。
『(くっ……また特定された……!あのバケモン女、なんつー勘の鋭さだ……!妹達のピンチに咄嗟に撃っちまった……やっぱあいつ等に任せるんじゃなかった!……せめて、あいつ等の武器だけでも……)』
タブーローグは新たな弾薬を装填するとオポムスラッシャー近くに向け発射した。
『っこそこそとうざってぇ……姿現しやが……』
台詞を全て言い終わる前にオポムスラッシャーの視界は白く光、一瞬にして視界が奪われてしまった。
タブーローグが先程撃ったのは閃光弾、それにより目眩ましを食らったオポムスラッシャーの手からステッキが取られてしまった。
『…………』
『やった!取り返したよ!流石お兄ちゃん!』
『ふふ……やっぱりお兄ちゃんはアタシ達の事が好きなのね……ありがとうお兄ちゃん……!!』
『(兄……きょうだいか……?)』
『っ、一度引くよアリア!』
『うん!言っとくけど戦略的撤退ってやつだからね……!』
『待ちやがれ!』
オポムスラッシャーが叫ぶも、二人はステッキを振り姿を消した。
『っくそ……逃がしたうえにフォーミュラの居場所も聞けなかった……。チッ、しょーがねぇ。足で探すしかねぇな……』
───…。
『……あいつ等消えたな……ってことは……帰ってくるのか……』
大きなため息をつくタブーローグは、ぐにゃりと歪み始めた空間を見つめた。
『お前等』
『う゛ぇ゛え〜〜ん!!怖かったよお兄ちゃぁぁぁぁあ〜〜ん!!』
『ちょ、アリア……!』
ぐしゃぐしゃの泣き顔を晒しながらアリアはタブーローグに抱きついた。
その後ろからはノクターンが黙りながら力強く抱きついたのだった。
『お兄ちゃんの役に立ちたくてっ、アリア達頑張ったのにぃ……!ぐすっ、あのお姉ちゃんったら酷いんだよぉ!アリア達のこと斬ろうとしたり殴ろうとしたり!可愛くもないのに凶暴で怖い!ヘルちゃんが欲しいって言わなきゃ関わりたくないよぉーー!!』
『……アタシだって……死ぬ程頑張ったのに……!あの女のパワー舐めてたのと……アリアが暴走したから……』
『アリアのせいだって言うの!?ノクターンだって失敗したくせに!』
『あんたがバカやらかすからじゃない……!だからステッキだって奪われて……!』
『お前等俺を挟んで喧嘩すんな!ったく……怪我ねぇか』
『うん!』
『"石"も無事よ……』
『そうかよ……ハァ、もうお前等は……次はもっと計画的にいけよ』
『はぁーい』
『……アリアのバカ脳味噌にも理解できるようなプランを立てるわ』
『ノクターンの根暗頭でもすぐ行動できるようや可愛いプランにしよーっと』
『……次喧嘩したら手助けはしねぇ。あと……いつまで引っ付いてるつもりだ!離れろ!!』
タブーローグが二人を振りほどくと腕時計をちらりと見た。
『(ヘルシュガーが遊びに行ってから一時間半……そろそろ帰ってきやがるな……その前に片付けねぇと……俺はまだしも妹達が……。妹達だけは、俺が守ってやらねぇと……)』
『お兄ちゃん?』
『……次行くときは俺も行く。だから二人だけで突っ走んな』
『お兄ちゃんも一緒に!?やったー!』
『これは……お兄ちゃんに良いところを見せるチャンス……』
『タイムリミットは三十分……それ以上はヘルシュガーが帰ってくると思え。それまでに仕留めるぞ』
『『オッケー』』
そうお互いに頷くと、怪しい笑みを浮かべながらアリアとノクターンは兄に抱きつくのだった。
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- 2013年5月(64)
プロフィール
性 別 | 女性 |
誕生日 | 1月23日 |
系 統 | ギャグ系 |
職 業 | 夢追人 |
血液型 | A型 |