ただフワフワとした思考の中で
呆然としていたくらいなのに
この涙はなんですか?
これはなんでしょう。
自分がわからなくて、わからない自分で迎える明日が不安。
強い感情の荒波ならいいのに。
怒りとか悲しみとかさ。
まるで1滴の水でできた、わずかな波紋のようで、
軽くざわつく胸の内側が気持ち悪い。
かきむしっても、おさまる事のない。
でも、確かに感じている。
春の風を感じた時の様な、淡い感覚。
ここに居る意味もないからか、
変わりゆく環境にもう諦めの方が強いのか。
仕事へのやる気をなくして、
前みたいな情熱や、人を思いやるとか、向上心とか、
そういう気持ちが消えた。
事務的にこなして、早く帰りたくて、
うわべだけのスタッフ間のコミュニケーションも面倒。
辞めたら収入がなくなる。
でも死に物狂いで働くこともできない。
彼女の存在が唯一、
揺れながらもどちらに落ちすぎることなく
私が狭間にいられる中心の軸だ。