*はじめに*
登場人物紹介などは、『オリジナル小説『純血の殺し屋6』紹介』と表記されている日記をクリックした次のページに書いてみました。
小説は、小説と言うより脚本のように誰が何を喋っているのかが分かるようになっています。
単に、作者自身が混乱しないようにというために。←
誤字や内容の綴りにおかしな点がありましたら、すみません。
最後に言うのも変ですが、興味があったら読んでみてください。
あ。
この作品は、ミステリーサスペンスです。
あと、キャラクターの設定が少年漫画風になっています。
あと『♪』……お許しください人( ̄ω ̄;)
次から、『純血の殺し屋』の第6章です⇒
story.29:『事の経緯』
------------今朝、六条薫が突如個人外出をしたと言う話を聞いた警察署の刑事・水嶋律は、初っぱなから生活安全課の新人で助手の不知火花穂が役立たずとなり、いきなり躓いた。
高柳たちや石塚も、槐事件の捜査で引っ張るわけにはいかず、水嶋は一人、行動を開始した。
先ず、水嶋が向かった場所は、生活安全課の女性刑事が見張りをしてくれている薫の同僚・加藤智秋のもと。
幸い微熱で、念のため休むことにしたらしい。
加藤は母親と2人暮らしで、母親が自宅に居ると言うことで、念のためではあるが、生活安全課の女性刑事に付き添いを託してから、水嶋は六条家へ急行した。
すると、対応した薫の実弟・渚がこう言ったのだ。
渚:「マコトさんの、墓参りによく出掛けるんです」
マコト------------田原誠は、六条家の近くにある石畳の階段から転げ落ち亡くなった薫の親友。
そして、今回の第6の槐事件現場から発見された書き置きに記されていた『マコトの親友』とも関わりがあるであろう。
昨晩、薫があの階段で語った言葉が確かなら……薫がこの第6の槐事件の犯人。
水嶋:(犯行も、"槐事件なら"成立出来るはずだ。)
佐々木カケルの事件の時、本屋の店員で薫のストーカーの六角恵梨香が、鳥の仮面の男がケータイを持っていた姿を目撃していた。
だが、眼鏡を掛けていたとはいえ、店の中にいた六角が目の前のビルの屋上にいた鳥の仮面の男の手にケータイがあったと気付いたことが怪しいと、捜査本部では考えているようだ。
でも六角の言うことが事実だとしたら、そして薫が犯人だとしたらこうは考えられないだろうか。
水嶋:(鳥の仮面の男が、佐々木にマインドコントロールを施したんだ。)
マインドコントロールされた状態の佐々木を、ビルの絶壁まで誘い込み、その後ろを槐が取る。
そして石畳の上に鳥の仮面の男が乗り、佐々木に脅しを掛ける。
その際、鳥の仮面の男が佐々木のケータイを取り上げて、『槐-エンジュ-同盟』にあのメッセージを残した。
水嶋:(あのメッセージは、恐らく代筆だ。)
薫なら、目が見えない。
だから鳥の仮面の男が代筆して、サイトにコメントをアップ。
その後は、薫が自らの手で------------。
『神様は酷いっ…。
僕から光を奪ったくせに、親友のことは助けてくれませんでした。
大事な、大事な人だったのに……とても良い人だったのに!』
自分から日常の自由と親友を奪った彼らを、薫は許せなかったはずだ。
槐の共犯者は、槐の復讐を手助けすることが仕事。
目の見えない薫の殺害サポートを、鳥の仮面の男がしたことは間違いない。
水嶋:(問題は、そうしたと言う証拠か証言が取れたらいいけど)
捜査から外されている自分には、透真たちの話を聞く以上のものに触れることは許されない。
………石塚の立場もあるし。
確たる証拠が得られないまま、とにかく薫を探し出すために急遽仕事を休んだ渚や薫の両親と共に、田原家の墓がある寺へ水嶋たちは向かった。
だが、車で向かっている最中、高柳から第6の槐事件の2度目の殺人が発生したこと、そして急遽捜査会議で六角恵梨香が消息を消したことが電話で明らかになった。
寺へ着けば、薫の姿は無いし。
水嶋:(だが、薫くんは確かに墓参りに来ていた…)
田原家の墓石には線香が焚かれていたし、寺の住職がこんな証言をしてきた。
住職:「ああ、あの杖を付いた若者ですね。
普段は御一人で来られるのですが、今日は"付き添いの方"がおりました。」
住職の話によれば、性別は男性。
右目の下にホクロがある、がっちり体型のハーフだった。
水嶋:(カフェでの証言にあった男と一致する!)
水嶋はその男こそ、鳥の仮面の男だと思っていた。
住職の話によれば、『ハーフの男が薫を抱き抱えて寺から去った』と証言したことがきっかけで方向を確認しながら、住職に似顔絵を頼んだ。
渚たちには一先ず、誘拐事件を視野に警察側に訴えて欲しいと頼み一旦別れて、似顔絵の紙を持って水嶋は以前訪れたカフェへ足を運んで再びハーフの男に関する情報源を調査した。
水嶋:(…にしても、似顔絵の男は"誰か"に似てる気がするな。)
誰かは分からない。
だが、つい最近も似た顔の人物と会った気がしてならない。
自分の周りに、ハーフの男がいただろうかと水嶋は疑問に思いながら、薫の捜索を続けた。
水嶋が薫の捜索をしていた時、高柳から再び電話が掛かってきた。
高柳:「六角恵梨香が、2人目の被害者・矢代佑さんの殺害現場である会社の監視カメラに映っていました!」
どうやら、六角恵梨香はエレベーターで屋上を登り降りしていたらしく、警察では容疑者として濃厚になる。
水嶋:(違う!六角恵梨香は槐側が用意した囮だ!)
水嶋はそう直感をすると、ハーフの男が薫を抱き抱えて去った方向へ急いだ。
その場所は、自分もよく知る警察病院もある大学病院だった。
そこで姉である法子と会った。
法子:「…りっちゃん。
実は、ちょっと気になることがあるのよ」
法子からそんなふうに聞かれ、水嶋は耳を貸した------------すると、法子は深刻そうにこう言ってきた。
法子:「武長くん、どうして急に事件の記憶を取り戻したのかなぁ…て、思ってね。それに、去年の真幸くんの急な体調不良も。……なんだか、"誰か"の意思が働いているみたい」
------------つまり、警察病院に槐側の魔の手が既に入り込んでいる……ということか。
確かに不思議なことは多く存在するが、そこに焦点を向けたことはなかった。
水嶋:(いや、待てよ)
自分の先ほどの、ハーフの男が知り合いである可能性という予感と、既に警察病院に魔の手が入り込んでいるという可能性。
もし、鳥の仮面の男の表向きの職場が警察病院なのだとしたら。
水嶋:(まさか、薫くんはこの病院のどこかに?)
あくまでも、直感だった。
だが、行動せずにはいられない。外は既に、夕日が沈もうとしている。
水嶋は人手が空いている医師にも協力してもらい、病院中を隈無く探し回った。
そして、夜------------法子の電話に応答した石塚の指示で警察病院に槐事件の捜査本部が到着。
その時、水嶋は一般病棟のフロアーにやって来た。
エレベーターは、なぜか全て『故障中』とされていて使えなかったため、水嶋は階段を使用。
その後から、透真や姫井など警察署の刑事たちが駆け付けて長い階段をひたすら登っていた時------------女性の声が聞こえた。
『貴方は、マコトを…マコトを犠牲にして生き残った!
私は、絶対に許さないっ!!!!』
透真と姫井たちの話で、声の主が六角恵梨香だと分かった。
時は一刻を争うため、水嶋たちは全力で階段を駆け登り、ようやく屋上へ到着したその時。
薫:「たっ!助けて!!律さあぁんッ!!!!」
それは、まさに薫の絶体絶命。
水嶋たちは急いで救出に向かい、薫は事なきを得て、六角恵梨香は事実上、殺人未遂及び、ストーカー容疑で現行犯逮捕された。
その後、薫は一般病棟の個室に連れて行き、六角恵梨香は手錠を懸けないで警察署へ連行されたが、六角恵梨香は取調室でそれまでの槐たち同様にマインドコントロールで記憶喪失となる。
------------To be Continued...