癇に障った許せな〜い話

そもそも我が家にそういった文化が根付いていないこともあり、
篠原は「一口ちょうだい」が好きではない。

篠原は食に対してこだわりもなければ欲もない
人様の好意でおいしいものを食べる機会には恵まれているが
一人っ子というのも手伝ってか、がっつかないことに定評がある
それは幼少の頃からそうだったようだ

それでも自分のものを一口あげることにはそれほど抵抗はないし
おいしいと思ってくれるなら食べてもらうのも悪くない
潔癖からはほど遠いものぐさ人間でもあるので、
他人の唾液や食器が云々ということも気にならない
いらないときは無礼を承知で「結構です」と断るし
学校では今まで若干の不快感を感じる程度で済んできた

ただ今日の昼の出来事はちょっと頂けない

篠原は友人Sと課題提出のため授業終了後に昼飯を買い、
提出先の棟に移動してそこで食べることにしていた
学食で会計を済ませるとサークルの友人数名と鉢合わせた
篠原はSと二人カップ焼きそばをつくりながら会話をし、
彼らはそのまま違う用事に向かうことにしたようだった
さてそろそろと移動をしようとする篠原に彼らは遠回しに

「 焼 き そ ば を よ こ せ 」 
と い う よ う な 
ア ピ ー ル を し て き た

場所は購入した学食内の給湯ポットのある流し台前、
しかも行き先も違う(食事は同席しない)上に、
篠原はまだ食べようともしていないにも関わらず、だ

……これはマナー違反じゃないだろうか?
いくら空腹だからって目の前の他人の食べ物に涎を垂らすような行為は
年頃の女性として卑しすぎはしないだろうか?
それとも篠原が潔癖なのか……最早わからなくなってきた

大体の他人の欠点は下らないと一周できる流し上手な篠原ですが
(例えば、篠原の父は三回国勢調査が来た上にその中の一人は生活指導の警官で
近所の不審者情報と一致しないか念のため確認に来たりするんだぜ☆
しかもいい歳して髪はとうもろこしのひげみたいな色と長さ☆ 笑うしかねえ☆☆)
食べ物に関してだけはちょっと敏感になってしまう困った体質なのです。
長々と愚痴ってしまった……疲れているのか

そんなこんなで許せない話でした。