初恋とゆーのとは少し違うかもだけど…
中学のときはひたすら片想いして…
告って玉砕してもずっとその人のこと好きだったんだけど
高校で入った演劇部で、めちゃめちゃ明るい元気な少年に出会って…
喧嘩友達…みたいになっちゃった
ありあ、いじられキャラだから、反応が面白かったみたいで、仔猫がジャレてるみたいだったな…
ある日の昼休み、いつも明るいムードメーカーの彼。
久保山君を囲んで、校内自販機で買ったコーラをみんなで押し付けてる
せーの、でイッキ飲み(笑)
なに?
なんの儀式?
女子は呆れて見てる
けど…
あれ?
なんか、変な感じ?
「ねぇ、ちょっと部室、いいかな?」
コーラの儀式(謎)が終わったあたりで、さりげに呼んで、部室に引っ張ってく
防音ドアを閉めるとそこは密室
壁際に作り着けてある長い木の、やたらごついベンチにT君(タクヤ・仮名)を無理やり座らせて、おでこに手を持ってった
熱い
「うわ
なに?お前の手、冷て
」
確かにわたしの手足は冷たい
冷え性ってやつ
「かもだけど、タクヤ熱あるよ」
「は?」
「なんで気づかないかなぁ?少し大人しくしてたらいいのに」
「まあ、男の友情ってヤツ?」
「どしたの?」
言いながらわたしはタクヤの横に腰をおろす
「女子に黙っとけよ?久保山、玉砕
」
どーやら片想いの彼女に告ってフラれたらしい
「慰めてたの?あれで?」
男の友情はわからない
タクヤは、くたっとベンチに横になった
「悪ぃ、さすがにしんどい
」
「そんなこと、いいけど…枕ないと頭に血のぼりそう、熱上がるよ
」
「起きてるよりマシ」
「えっと…イヤじゃなかったら…膝枕なんてしてみる?」
「うん」
えっ
スゲー素直っ
タクヤは膝を寄せたわたしの太股にコロンと頭を乗せて目を閉じた
そっとおでこに、わたしの冷たい手を乗せる
「ありあの手、きもちいー
」
って
寝るのか
えっ
午後の授業っ
…ま、いっか
窓の外をゆっくり雲が動いていって…
膝に心地よい重みがあって
二人の息づかいだけしか聞こえなくて
時間が止まったみたいだったよ
男の子のくせにマッチが10本くらい乗りそうな長くてカールした睫毛見て…
なんて羨ましいんだ…って密かに思ったのは内緒