キャンパスに描かれた彼の絵を見ながら、原沢は…寒さで赤く腫れた手に、息を吹きかけた。


近々開催される、桜聖学園の文化祭に展示する作品をーー…原沢は描いているのだ。


空調システムが稼働しているとはいえ、冷たい風が足下で戯れているせいで…原沢は、上履きの中に中敷き型のカイロを貼った。

黒いタイツの上に、体育着を履き…スカートを履いた下半身。
下着の上に長袖を着て、ブラウスと厚手のカーディガンに…ネクタイと上着を着た上半身。
真鍮で作られた雪の結晶のヘアピンに、同じく銀のヘアピンをしており…首には、モンブラン色のマフラー。
口許まで隠して、寒さ対策をしているが…暖房に時間がかかっているため、美術専攻科が使用している美術室は、まだ暖まる気配がない。

原沢は、側に置かれたiPhoneへ目をやれば…そこに表示されていたのは、ハンドボールをする彼の姿である。


チーム戦でーー…対抗する仲間と、味方がコートを駆け抜ける姿の中に…行間先輩とタッグを組み、ハンドボールを受け取る姿がある。
真剣そのものでありながらも、本当に楽しいのだろう。生気に満ち溢れたその姿。


チーム戦での彼の姿を、原沢は…キャンパスに描き続けているのだ。

それは、原沢にしか出来ないーー…彼への、贖罪の証。





遡る事、数週間前…原沢は、彼を怒らせてしまう事をしてしまった。

彼と、行間先輩やハンドボール部のメンバーの邪魔するつもりなど、皆無で…
まして、彼が怪我をしていた事や大会が近い事など…原沢は、行間先輩やハンドボール部のメンバーから話しを聞くまで、知らなかったのだから。


あの後、直ぐに…丁寧に一礼をすると、隣にいた田鶴さんの手を握る。

「怒らせちゃいましたね。」

眉を下げ、苦笑いしつつも…彼を思えばこそ、自分自身にしか出来ない事をしよう!と、立ち直る姿を田鶴さんに見せた。

恋する女の子の逞しさ。とでも、いうのだろう。





あの一件以来、原沢は彼に会いに行くのを避けている。

彼が1球1球に全力で集中し、万全の状態で大会に臨めるようーー…
原沢は、原沢なりの1つの贖罪とサポートをしている。


それでも、原沢は自分自身に厳しく…
周囲に、自分の事を話して…彼の邪魔をしないように頼み込んで回ったりした。


そして、原沢の贖罪の1つが…バンドボールに興味を持ってもらい、部が頑張っている事をーー…皆んなに知ってもらう事だった。






原沢は、キャンパスに描く途中で…その手を止める。

手にしていた鉛筆を側に置くと、眉を下げて…伏し目がちに笑い、大きなため息を吐き出した。

「全く、贖罪になっている気がしないです…。」

iPhoneの画面に表示されている彼の姿と、原沢が描くキャンパスの絵が…あまりにも違い過ぎているのでは?と、原沢が思いはじめていた矢先の出来事だった。






美術専攻科の教室、原沢がいる教室の扉が開く音がし…原沢は驚きのあまり、肩と心臓が跳ね上がった。

振り向けば、そこにいたのは…
深緑を思わせるような、柔らかな髪に艶のある黒が混じった色をし。本人も驚いたのか?眼をパチパチさせて、その赤銅色に原沢をうつしている。


彼女は、同じ美術専攻科1年の斎 はな。
その人であった。

「お、おはよう?ございます…。」

原沢は、驚きながらも…斎さんに挨拶を済ませたのだった。










(大変お待たせしまい、申し訳ありませんっ!陳謝

こんなに時間がかかったにも関わらず、駄文と乱文の御墨付きっ!お恥ずかしい限りですっ!。゚(゚´Д`゚)゚。非公開でもいいですかっ?!。゚(゚´Д`゚)゚。←


今回は、理桜さん宅の桜庭くんをはじめ…行間くんに田鶴さんも、名前をお借りさせて頂きました。m(_ _)m
(事前報告のルールを破いてしまい、事後報告になってしまった事…申し訳ありません。例え、名前だけとはいえ…事前の許可を頂くべきでしたのに。本当に、ごめんなさい。陳謝)


そして、今回のコラボは…menoco(めのこ)さん宅の斎 はなちゃん!(*´∀`*)
はなちゃん、可愛い!(*´∀`*)あどけない、年頃の笑顔に癒やされるぅ〜(*´∀`*)ぽよぽよ

menoco(めのこ)さん、斎ちゃん!ありがとね!(*´∀`*)
んで、バトンを渡たしますので…よろしくお願いします。m(_ _)m





ちなみに、上記の画像を皆さまにプレゼント致します。m(_ _)m
常日頃より、皆さまにはご迷惑をおかけし、感謝が尽きません。。゚(゚´Д`゚)゚。感涙