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残り香

一応の「またね…。」
背を向けた あなたの髪
春風をまとって 薄れていく 残り香

明日から 痛みは
日を追うごと増していくでしょう
明日から あなたは
淡々と忘れていくでしょう

桜の舞う 季節まで待って
せめて僕から別れを
忙しいあなたのことだから
届かぬ願い
突然のさよなら、必然

子供の頃も かさぶたを我慢できず
途中で剥がしては 怒られてた
変わらない

あれから幾つかの 恋をした ふりをした僕に
受話器越しあなたは 穏やかにうなずいた
そうじゃない

逢いたい気持ちとは裏腹に
臆病な夜を重ねて
時間だけが ただ過ぎていくよ
残されたまま
あの日から ひとつも 進めない

たまにくれるね 優しさの
赤い絵文字 嬉しくない
それより ずっと欲しいのは
本当の さよならさ
すごく怖いけど 歩きだすよ

桜の舞う季節まで待って
せめて僕から別れを
忙しいあなたのことだから
届かぬ願い

突然のさよなら、必然

さよなら
ありがとう
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