夢ならば覚めないで。
モンパチか




昔毎回のように、見る夢がありました。







「この中から好きなのを好きなだけ買っていいよ」


と、誰かに言われ


ものを買い漁る。



私は必ずシールやノート、メモ帳、紙雑貨ばかりを両手に持ち


袋に大量に積める。



もとからシールが大好きだった私はわくわくが止まらない。




家にかえって一枚一枚整理するんだ、そうするんだ。







朝7時



現実はいきなり現れる




そこにあるのは朝日の暖かさとぬくぬくの布団だけ


幸せなはずなのに



全然幸せじゃない。





シールがないメモ帳がない


私の選んだ雑貨がない。



手がスカスカで切ない思いしか残らない



家はあまりシールや雑貨を買ってくれる家じゃなかった。


だから大好きをこらえて切ない気分で朝食にありつく


今日も何かを失った気分。







20になった。


大学になり大人になった

シールは自分で買えるがいま本当に必要かと言ったら他のもノに必死。


大好きだったのは気持ちだけだったのだろうか。



そしてやつが現れた。Y「だめだ、こっち田舎すぎて100均ショボすぎ、シール売ってないな」



T「ん?どういう?」



Y「いや、ネットでは100均にあるっていうんだがなぁ、このハロウィンのさぁ…」







前に100円で帰るフレークシールを集めてたときがあった



100円で70枚、かわいいキャラクターが粒のようにパラパラとシールになっている。



これを貼るわけでも使うわけでもなく眺めることを半ば趣味としていたわたし。



楽しそうにシールを回すわたしをみてTは良からぬことを考えてしまう





聞けばTの休日は一時、100均巡りしかしてないそうな。


大切な休日を、仕事ばっかで毎日がパタンキュなのに、


なにを必死に。






デートのときに大体分かってしまう




Tはいつも土産をもってくる
ぬいぐるみやら、お菓子やら、安かったから、って理由でわたしの好きな塩、梅、明太子あたりを中心にお菓子を入れる。



そして毎回、見たこともないような量のシールが入ってる



これには完敗した。



たしかに100均のシールだ。

だがこんなもの見たことない




そこにはハロウィンのありとあらゆるシールが束になって入っている



あんた、これ、どこをまわったらこんなになるわけよ…



地元でチョロチョロ動いてたわたしのあっけなさ


やっぱ都会ってやばいな


そして金銭感覚もやばいな



数を数えたらシールだけで裕に1000円を越えていた。









T「Yが幸せそうにシールをめくるのが見たいだけ」





貢ぐなよ、そんなに…


でも見たこともないシールが手元にたくさんあって

どれも夢じゃなくて


都合がよすぎるってわかってる


シール大魔人って影で呼んですみません。



ただ、小さいころの夢で叶えられなかった夢が


大切なものと同時に人までもを手にすることができてしまった。



そのうちバチが当たるなら
軽いやつにしてください。

お願いします。


Tとシールだけはとらないでくれ