*はじめに*
登場人物紹介などは、『オリジナル小説『純血の殺し屋4』紹介』と表記されている日記をクリックした次のページに書いてみました。
小説は、小説と言うより脚本のように誰が何を喋っているのかが分かるようになっています。
単に、作者自身が混乱しないようにというために。←
誤字や内容の綴りにおかしな点がありましたら、すみません。
最後に言うのも変ですが、興味があったら読んでみてください。
あ。
この作品は、ミステリーサスペンスです。
あと、キャラクターの設定が少年漫画風になっています。
あと『♪』……お許しください人( ̄ω ̄;)
次から、『純血の殺し屋』の第4章です⇒
story.31:『後日談』
後日の昼間のニュース。
男性アナ:「第4の槐事件の容疑者が逮捕されました。
第4の槐と名乗っていたのは、会社員の四条勇人、25歳です。」
男性アナウンサーは資料に目を通しながら、読み上げた。
男性アナ:「調べによりますと、四条容疑者は昨夜、恋人の女性に同行してもらい、警察署に自首しに来たところ、槐の共犯で狐の仮面の女こと、シュウが乱入。
同行した女性をナイフで刺しましたが、女性は命に別状はありません」
男性アナウンサーは丁寧に、重要な部分を口にした。
男性アナ:「警察の証言によりますと四条容疑者は、恋人を傷付けたことを怒り警察署の屋上へ走行。
屋上で対立した際に、シュウを殺害し、その後警察に取り押さえられて現行犯逮捕。
しかし、四条容疑者も謎の記憶障害を起こし、警察署に来た経緯や恋人がいた事実に至るまで喪失しているとのこと。」
男性アナウンサーはそんな信じがたい事実に胸が締め付けられる思いだったが、冷静さを絶やさなかった。
男性アナ:「死亡した共犯者、シュウの正体はbarを経営するオーナーで、ニューハーフ女性の源氏名『美子』こと、埼周平容疑者36歳で、フリー女子アナウンサーの埼美代さんの義兄でした。」
こんな衝撃な事実を読み上げた男性アナウンサーは、埼とは同期だったが、履歴書にも本人からも兄がいるという話を聞いたことがなかった。
それだけにこの先を読み上げることは、少し勇気が必要となった。
男性アナ:「警察は、埼周平容疑者も誰かを憎んでいた事実と、四条容疑者が持ってきたシュウの正体だとする顔写真のコピー用紙の存在を知り、某テレビ局へ急行。
危機一髪のところを槐の新たな共犯者から救出し、埼アナウンサーは安全保護と遺体の確認のため、警察署へ同行しました。」
男性アナウンサーは、それを伝えてから小さく息を吐いて、落ち着きながら報道を続けた。
男性アナ:「某テレビ局に現れた新たな槐の共犯者とされる人物は男で、犬の仮面で顔を隠した年齢は20代くらい。
髪は癖っ毛で茶色だったことが判明しており、犬の仮面の男は自らを『アートロ』と名乗っているとのことです…」
新たな槐事件の関係者出現の話をした男性アナウンサーは終わりにこう語る。
男性アナ:「まだ詳しい事情は不明で、四条容疑者はこれまでの槐たち同様に警察病院へ搬送される模様です。
尚、身内が事件の関係者であったこともあり、埼アナウンサーはしばらく番組をお休みします。
------------以上、お昼のニュースでした。」
男性アナウンサーはそう言ってから、カメラに向かって頭を下げた。
番組が終わった後、それまで以上にテレビ局や警察署、そして警察病院にはしばらく取材記者や野次馬が絶えなかったという。
--------------------------…
第4の槐事件から、1ヶ月が経過した頃。
水嶋は、警察病院へやって来ていた。
しばらく取材記者や野次馬の存在もあり、面会を遠慮していたが、警察側の対応から人もいなくなり、ようやく面会が出来るようになった。
応接室でじっと水嶋たちが待っていたのは、第1の槐・一条真幸だった。
武長とは真幸の次という形で一人ずつ面会する方針で行うことになった。
あの日以来、勇人は放心状態が続いているようだ。
ぼぅっとしながら上の空で、槐の時のことは愚か恋人の弥生や家族、会社の仲間や大学時代の友人、過去の辛い出来事や楽しい思い出……何もかも忘れていて、真幸や武長の時よりも記憶障害は酷いものだった。
覚えているのは、自分の名前だけという彼に話など聞けるはずもなく、今回は断念することにした------------が。
水嶋:「シュウが襲った第4の槐事件の3件目の被害者、竹田蓮実さんは命に別状はない。
背中を浅い程度に裂けただけで、もう退院してレッスンを開始してるくらい、本人は元気だ。」
真幸:「そうですか…」
本当は、勇人という人に真っ先に報告したかったはずと思ったのか、真幸は少し悩む。
槐の共犯で、自分も知る狐の仮面の女こと、シュウが勇人によって始末された…という話は、少なからず真幸の中では衝撃だった。
深刻な表情をしながら、シュウの最期を見た水嶋がその時のことを自分に話してくれた。
水嶋:「ちなみに、シュウ…美子が埼美代に抱いていた憎しみのことも分かったんだ。」
この情報はまだ世間には公表していないし、個人的には公表したくないことだが…と言ってから水嶋は話してくれる。
水嶋:「埼美代と、シュウは親同士の再婚で兄妹になった関係だったんだ。
シュウは母親の連れ子で、義父だった埼の父から虐待を受けていたらしい…」
真幸:「シュウが…!?」
真幸は軽い衝撃を受けて、水嶋の話を真剣に聞いた。
槐だった時、真幸の主なターゲットは虐待する男とそれを見て見ぬふりをする女だった。
シュウも似たような目に遭っていたという事実を、真幸は初めて知ったのだ。
そんな真幸に、水嶋は包み隠さずに埼から聞いたシュウの過去を話した。
水嶋:「虐待に遭っていたのは、シュウだけじゃなかった。
シュウには姉がいたんだよ…。
だが、姉は義父からの執拗な虐待に加えて学校でのイジメに耐え兼ね…自殺したんだ。
姉が自殺するきっかけを作った奴ら、義父も一切、罪には問われることはなかった。」
水嶋の口から語られた話は壮絶だった。
水嶋:「そんな時シュウは家を出て、埼家は以前と比べて穏やかになった……が、6年後。
義父が病で倒れたという話を聞いたらしいシュウが自分たちの前に現れたらしい------------"美子"という女性になって。」
そこで初めて、シュウは虐待されていた時と同時期に悩み抱えていた障害のことを埼たちに話した。
水嶋:「その時、義父のお見舞いに来たシュウはある男性と一緒だったらしい。
男性はシュウの恋人だった…」
真幸:「虐待、兄弟の死……同性愛------------…!?」
水嶋:「………………。」
真幸は重大な事実に気付き、目を見開く。
表情が作れない彼だが、水嶋にはすぐに真幸が"驚愕"しているということを察したのだ。
------------To be Continued...