話題:今日見た夢
昨夜は暑くもないのに寝苦しくて。変な描写の夢見たわ…。


宇崎と鼎は群馬某所にある、大規模研究施設兼病院「ゼノク」を見学。
それから数日後、鼎は心を閉ざしてしまい研究室の一角にある小部屋に引きこもってしまう。
宇崎は「失敗した…」と鼎にとっては逆効果になってしまったことを反省。
「鼎…出てきてくれよぉ」
扉の向こうは無言。扉には立入禁止の貼り紙まである。
こりゃしばらく出てこないなぁ…。宇崎は小部屋を横目にしながら研究していた。


小部屋の中では鼎は既に元の姿に戻っていた。相変わらずの仮面姿・白いベネチアンマスク姿だが。
だが、数日前に見た施設の光景が頭から離れなくてなぜか部屋の外に出ることが出来ない。

宇崎は小田原司令に鍛えられた晴斗を呼んだ。馴染みのある晴斗なら、鼎を部屋から呼び戻せるのかもしれない。
事情を聞いた晴斗は鼎がいる小部屋に話かけた。
「か…鼎さん、出てきて下さいよ。鼎さんがいないと俺…」
扉の向こうは無言。明らかに内部で物音がした。動きがあったか!?
鼎は晴斗の声に反応したらしかった。

「その声は…晴斗なのか?」
声に力はないが中から鼎の声がした。晴斗は必死に呼び続ける。
「鼎さん、無理しなくてもいいです。でも俺、鼎さんがいないとダメかもしれない…」
扉が僅かに開いた。そこには見慣れた仮面姿の鼎がいた。晴斗はすかさず鼎の手首を掴んで部屋から出した。
「鼎さん、ごめん。ちょっと強引になっちゃったけど、出てきて欲しかった」
鼎は無言のまま。晴斗からしたら何があったかわからないが、どうにかしてあげたい。

宇崎は「ゼノク」の件については黙っている。基本的に司令クラスしか行かない施設なため、晴斗に教える必要性がない。


九条達翳珠(えいじゅ)の戦闘メンバー3人はその「ゼノク」へと向かっていた。
九条以外には片岡と道真がいる。
「なんでこんな山の中の施設にわざわざ行くんですか?」
「ここは5年前、私が滞在していた施設だよ。ここで宇崎司令と出会ったんだ。あまり思い出したくないが、今回はここの研究施設に用がある」
「研究施設?」
「長坂を止める鍵のひとつがあるんだよ。宇崎は知ってるか定かじゃないけどね」
3人はゼノクの研究棟へと足を踏み入れた。九条は前もって来ることを告げていたため、全身黒ずくめの男が来ても怪しまれなかった。


本部はやけに静かだった。

最近怪人の出現頻度が多発していることから、ゼルフェノアと翳珠の戦闘メンバーは出撃を余儀なくされている。
珍しく晴斗と鼎だけが本部にいる状態。ふたりはなんだか気まずかった。

晴斗は鼎が長坂により傀儡騒動→後遺症からの回復までの間、ずっと小田原司令に鍛えられていた。だから鼎の様子は人づてにしか聞いていない。


なぜか鼎は物置部屋みたいな部屋で晴斗と話をしている。なんで鼎さんはこの部屋にしたんだ…?
鼎はずっと迷っていたことを打ち明けた。それは素顔を晴斗に見せるかどうか。


鼎は鼎なりに答えが出たらしい。本部に人が少ない今なら誰にも邪魔されずに済む。
「いきなりこんなところに呼び出してすまないが…」
「ど、どうしたの?鼎さん。話ならなんでも聞くよ」
晴斗はいつもとは違う雰囲気の鼎におどおどしている。鼎はいきなり白い仮面の紐をゆっくりと緩め始めた。晴斗はその行動に驚く。えっ…!?まさか外すのか…?
やがて鼎は仮面をそっと外し、晴斗の前で素顔を見せた。晴斗は鼎の素顔を見るなりどう反応したらいいのかわからなくなった。

「これが私の素顔だ。晴斗が受け入れられないのはわかる…。これがあの事件で負った消えない傷痕だ」
晴斗は鼎の顔の大火傷の跡のひどさに一瞬、目を背けた。これが悠真姉ちゃんの素顔…。
鼎は淡々と手慣れた様子で仮面を着けながら言う。
「私のことは軽蔑していい。怪人による傷痕はなかなか消えないと聞いている。今なら悠真と呼んでもいいよ、晴斗」声が優しかった。
「悠真…姉ちゃん」
晴斗は思わず鼎に抱きついた。晴斗は鼎の素顔を見て泣きそうになっている。事件後あんなことになっていたなんて。嘘だろ…。相当辛かっただろうに。
怪人によって受けた、身体に残った傷痕はなかなか消えないという。特に顔の火傷の跡は。

鼎はどこか優しい眼差しで晴斗の頭を撫でた。仮面には表情がないはずだが。
馴染みの深いふたり(鼎の本名を知ってる)だからこそ成せることだが、他の人がやったらマズイ。
「お前は…私の素顔を受け入れられるのか?」
「俺…もう覚悟してたから。御堂さんから聞いてたんだ、鼎さんのこと」
「御堂が…?」


御堂達はどうにか怪人達を撃破、本部へと帰還した。
「なんか雑魚の数増えすぎじゃない!?」彩音がぼやく。
「めんどくさいことになってきたね〜」空操も続く。


知らない間に鼎が元の姿に戻っている上に、やけに晴斗と親しげだ。
御堂は鼎の姿を見るなり何かを察した。もしかしたら鼎のやつ、晴斗に素顔を見せたのか…?じゃないとああはならないだろうな。晴斗と鼎の関係は少し特殊だ。幼なじみのような関係とも取れる。
鼎の本名を知る人間は宇崎室長と晴斗、小田原司令のみで他の隊員はこのことを知らない。彩音は鼎が名前を変えた後に鼎と親友となったので、ギリギリ知らないでいる。

御堂は鼎を部屋の外に呼び出した。
「御堂、どうしたんだ?」
「鼎…お前、晴斗に仮面を外した姿を見せたのか?」
「あぁ。ずっと迷っていたが吹っ切れたよ。晴斗は受け入れてくれた」
鼎はどこかホッとしているように見えた。表情はわからないが、そう見える。
「鼎、お前はその姿が1番しっくり来るよ。もう白ずくめは勘弁な」
これで鼎の素顔を知る・見せれる人間は晴斗・彩音・御堂・宇崎の4人に増えた。


長坂は都内某所の廃ビル地下で祭壇にある超巨大モノリスを見上げている。
超巨大モノリスは6メートルくらいはある。祭壇も大きい。


宇崎は傀儡騒動の時に僅かでもいいから、長坂に関する手がかりを鼎から聞き出していた。
鼎はほとんど覚えてないが、巨大な祭壇と超巨大モノリスのことだけは覚えていた。その部屋に拘束されていたことも。
「超巨大モノリス…?」
「おぼろげだが、私は確かにその部屋に拘束されていた。そこには祭壇もあった気がする」
超巨大モノリスに祭壇…?
長坂は一体何をしようとしてるのか。


一方の九条達はゼノクの研究棟から「あるもの」を調達していた。ゼルフェノアの許可が出ていたので持ち出しは可能だった。
九条は察した。宇崎がこのことを先に読んだのか…?このゼノクに我々が来ることも…?

読めない男だな、宇崎。あの頃と変わらない。
九条達はゼノクを後にした。


晴斗は鼎の素顔が頭から離れなかった。あれでは確かに人前には出られない、ひどい火傷の跡。鼎が仮面を着けるのも納得が行く。
あれがあの悠真姉ちゃんなのか…?嘘だろ…!?正直まだ信じたくない。
鼎さん(=悠真姉ちゃん)は12年前の例の事件以降、仮面生活を強いられてると聞いてるだけに胸が痛い。


鼎は研究室で淡々と宇崎と話をしていた。
「室長、私はこれで良かったのでしょうか…」
「覚悟を決めたんだろ?晴斗に素顔を見せるという。すごい勇気だよ。今、晴斗はまだ信じられないでいるだろうけど、大丈夫だよ」
鼎は沈黙した。確かにこの仮面は身体の一部だ。これなしでは外出もままならない。それだけ傷痕が深いわけで。

鼎はポツリと言った。
「12年前の放火殺人事件と5年前の大規模襲撃事件に繋がりがあると言うが、本当なのか?」
宇崎はいよいよ来たかというような顔をした。
「どちらの事件も怪人を仕向けたのは長坂だと既に出ている。これに関しては九条も徹底的に調べたんじゃあないのかなぁ。九条も被害者なわけだから」



鼎さんがついに晴斗に素顔を見せた。晴斗からしたら複雑だけども、鼎さんも鼎さんで迷っていたからなー。
九条の暗躍、どうなんだろ。あと長坂の動向な。

「抑圧からの解放」はなんとなくなタイトルだが、これ鼎さんの覚悟も反映してそう…。素顔を見せるの、相当勇気がいるはずだし。


晴斗に鼎さんが素顔を見せるところ、鼎さんは後ろ姿なのでこっち目線(3人称)では一切見えていないのです。
晴斗の反応で察して下さい的な。


鼎さんはたまーに仮面が割れたり無理やり外されたりとかしてますが(彩音に仮面を外して貰ったりもある)、なぜかアングルや陰影の関係で素顔はほとんど見えてない。ある種の演出?

仮面キャラの素顔は極力出て欲しくないのがもろに反映されたんかなー。ちらっとならば大丈夫なんだけども。
例えば片目だけや口元だけとか。