話題:今日見た夢
金ローのるろ剣の影響受けたせいか、平穏な感じだったのになんだか辛い描写がぽつぽつと…。


禹螢戦以降。鼎は退院したが、病み上がりなのでまだ復帰出来ない。数日後、御堂は鼎の快気祝いに2人で出かけることを約束していた。


御堂のアパート。妹の柚希は兄がそわそわしているのを見逃さなかった。

「兄貴〜、明日鼎さんと行くの?初デート」
「ゆ…柚希!デートってダイレクトに言うな!鼎の快気祝いに2人で出かけるんだよ…。約束したからな」

いや…それ、デートだってば。

御堂は海堂から貰った薬を見つめていた。太い手のひらサイズの棒状のもの。服の上から直接太ももに刺して使う注射。痛くないらしい。
海堂は鼎はまだ病み上がりで、何が起きてもおかしくないからと御堂にも持たせてある。発作が出たら使えと言われていた。


翌日。御堂は待ち合わせ場所で鼎と合流。互いに私服姿で2人で出かけるのは意外に初めて。組織の制服姿なら頻繁に一緒にいるだけに、私服姿は新鮮だった。

2人は八景島で楽しむことにしたようだ。この日は平日。柚希の情報を聞いた晴斗と彩音はこっそり2人を尾行。


「彩音さん…尾行する必要あんの?」
彩音は双眼鏡で遊園地にいる2人を見てる。
「あの2人、不器用なのよ!?本人達は気づいてないけど、実質初デートよ?もう心配でさー。鼎は病み上がりだし、私服で出かけるのは久々だから。鼎…仮面姿でも堂々とするようになってる…」
「だって仮面は鼎さんの身体の一部だよ?気にしなくなったのかも」

顔と首以外の火傷の跡はだいぶ目立たなくなっているとはいえ、鼎は人前では頑なに黒手袋を履いている。やっぱり見られたくないんだ…。火傷の跡。


遠目に見た鼎と御堂はそれなりに楽しんでいるように見える。御堂は時折、鼎を気遣っていた。


囃はプライベートで1人遊園地に来ていた。偶然そこで2人に遭遇。
「お、和希と鼎じゃないか。2人ともデート?」
「囃!ちょ…お前っ!!からかうな!」
御堂はパニクってる。

「和希…顔が赤いぞ。図星か」
「鼎はいくらなんでも冷静すぎねぇか…」


尾行している2人も囃と遭遇。囃は「お前ら何してんの?」…と話しかけてきた。

「鼎と御堂さんの初デートを見守ってるのよ」
「あんたら明らかに怪しいって。てか…バレバレだから」

バレてた!?2人はギャーというリアクションで囃の前から逃亡。囃は2人に追いつき、話を聞いた。


「あーなるほどね。2人とも不器用で奥手なのか。でも和希と鼎って、両想いじゃんか。先輩後輩から発展したんだろ。尾行する必要ないだろ、駒澤よ〜」
「2人の絆は深いのよ。愛なのか絆なのかはわからないけど」
「駒澤…お前キャラ変わってない?」
「別に」


その頃鼎と御堂は絶叫マシンにいた。明らかに御堂の叫び声が聞こえてる。

「鼎さん…鬼かなー。御堂さんが怖がりなの知ってて絶叫マシンに乗せてる…」
「和希はギャップが激しいから見たいだけじゃないの?」
「あり得るわ」


本部・司令室。宇崎も鼎と御堂が気になっていた。宇崎も密かに応援している。なんなんだ、この組織。
釵焔はそんな宇崎に話しかけた。

「恋ってなんだ?愛とは…なんだ?絆とは?」
「釵焔、お前壊れたの?一体どうしたよ?」
宇崎、困惑してる。
「人間はわからないな…」

釵焔は人間になりたい怪人だ。
「釵焔、お前ここ数日どこに行ってたんだ?」
「ゼノクだよ。人間になるための実験を長官から受けてたの。だから今日から『釵焔』じゃなくて『狭山蓮』な」


釵焔が人間に…!?


遊園地では鼎と御堂が休憩していた。御堂は鼎を気遣う。
「鼎…体調なんともないか?」
「今のところはなんともない…」
鼎の様子がどこかおかしいように感じた。気のせいか?

「和希…話を聞いて欲しいんだ」
「なんでも聞くよ」
鼎は静かに話始めた。孤独を吐露したのだ。

「私はあの事件以降、ずっと仮面生活を強いられてきた。…わかるか?顔が見えない孤独を…。この大火傷の跡だ…人前では仮面を外せない」
「鼎、その手袋…そろそろ脱いでもいいんじゃないのか?火傷の跡、目立たなくなってきているんだろ…」


御堂はそっと鼎の手に触れる。鼎は促されるようにして左手の手袋を脱いで見せた。肌の露出がほとんどない鼎は手を見せることに少し、抵抗がある。

「だいぶ目立たなくなっているな…。でもまだ抵抗あるのか…」
「ある…。怖いんだ…」
首筋の火傷の跡はひどい。顔は…もっとひどいのは知っている。鼎は再び手袋を履いた。


「お前…ずっと孤独だったのか…。時折見せる寂しげな背中が気になっていた。顔が見えなくてもわかるよ」
御堂はそっと鼎の仮面の頬に触れる。

「寂しかったんだろ…。悪かった、気づいてやれなくて」
「和希…不思議だな。仮面越しなのに温かく感じるんだ」


「あの2人、いい感じだね」
彩音は2人を優しい眼差しで見てる。囃は彩音がさらっと言ったことが気になっていた。

「駒澤、駒澤はさぁ鼎の親友なんだよな」
「そうだよ。かれこれ付き合いは長いなー。あの例の事件以降に会ってからだから…」
「そういう経緯があったのか」


彩音は囃と晴斗に感情を爆発させる。

「囃さん・晴斗…私、おせっかいかもしれないけど…鼎には幸せになって欲しいんだ。あれだけ壮絶で過酷な過去を乗り越えてきてるのに…今度は戦える回数が多くて2回なんだよ!?容赦なくない!?…ごめん…なんか涙出てきた…」

彩音は涙目になりながら話してる。
「鼎には幸せになって欲しいんだよ…」


囃は泣き出した彩音を慰めた。確かにあの例の事件の過去に加えて全身火傷、そしてこの非情な現実…。胸が締め付けられる。


「彩音達…来ていたのか…。話は聞こえていたよ」
彩音達3人の前にいたのは鼎。
「か…鼎!?」
「彩音…心配してくれてありがとうね」


なんだろう。鼎がどこかへ消えそうな気がした。


「鼎…ずっと顔が見えないことで孤独だったんだ…。私もまだまだだなぁ。ごめんね」
「会話、聞こえていたのか…」
「ごめん!盗み聞きする気はなかったんだけど…心配でさ…。ついて来ちゃったんだ…。過保護だよね…」

「それでお前ら背後でギャーギャーしてたのか」
割り込んできたのは御堂。


「なんとなく予測はしていたよ。柚希から聞いたんだろ」
げっ、バレてら。

「…ま、5人で楽しみましょうかねぇ。和希くん」
「囃、なんでお前もいるんだよ!」
「俺はプライベートで来たの。1人遊園地、最高だぜ〜」


1人遊園地って、そこそこレベルが高くないか?囃よ…。


5人は遊園地から近くの公園へと場所を変えた。海が見える場所なので眺めがいい。

「鼎、気分転換になっただろ?」
御堂は優しく声を掛ける。鼎は風に当たりながら海を眺めている。


御堂はそっと鼎を背後から抱きしめた。鼎は僅かに震える手で御堂の腕に触れる。鼎の背中が寂しげだ。

「鼎、何も怖がらなくてもいいだろう。手が震えてたぞ」
「いや…これは物理的に見えないんだ」


仮面の弊害か…。戦闘中だと死角が気にならないのに、普段は仮面の狭い視界で苦戦してることが判明。

「仮面生活も大変なんだな…。大丈夫だ、俺がいるから。さっきは脅かしてしまったのか、わりぃ」
「気にしてないから」
御堂は鼎を安心させている。
囃は先に帰ることにしたらしい。いつの間にか囃はいなくなっていた。囃は風のように去りやがった…。


夕暮れ時、4人は帰ろうかという流れに。まだ3人は気づいてなかったが、鼎に異変が起きる。

「鼎さーん、そろそろ帰ろうよ〜。…って鼎さん!?」
晴斗は振り返った。そこには発作を起こした鼎の姿が。かなり苦しそうにしてる。立てないようだ。
御堂は急いであの海堂から貰った緊急薬を取り出した。
「今助けるからな!病み上がりだからまだ…くそっ!鼎、しっかりしろ!!」
御堂は手順通りに処置をする。処置が早かったおかげで鼎の症状は軽く、だんだん治まった。

「鼎…落ち着いてから帰ろうな。なんなら寮まで送ってやるから」
「和希…助けてくれてありがとう…」

鼎はまだ息を切らしているが、無意識に御堂の手を握っていた。不安で不安で怖かったんだ。
御堂は動けない鼎を抱き抱える。安心させるために。


「落ち着いてきたか…?」
「だいぶな…」
「無理すんなよ。復帰までまだかかるんだろ。やっぱり帰り、送ってくから。鼎は横になってろよ」

この場所まで御堂はレンタカーで来てる。珍しくレンタカー。


日が暮れて。御堂は鼎をゼルフェノア寮(某アパート)に送ってから帰った。
別れ際、鼎はまだ本調子でない身体で御堂の手に触れる。


「鼎…ゆっくり休めよ。たまにここに来るからな。ゼルフェノア寮、初めて来たけど…でけ〜な〜。組織のもんだからワンルームなわけないよな。命懸けだから待遇いいんだ」
「寮は大きいが、人は少ないぞ」

いつの間にか鼎の声に力が戻っていた。移動中寝たのが功を奏したらしい。幾分回復したようだった。


御堂はレンタカーを返却した後、自分のアパートへ帰宅。帰宅後、柚希が出迎えた。
ちなみに御堂のアパートもワンルームではない。


「兄貴、おかえりー!どうだったの!?鼎さん。デートうまくいった!?」
「色々あったけど、あいつ…すっかり安心していたよ」
「そうなんだ。いやさぁ…彩音さんから聞いたんだよね。兄貴、発作起こした鼎さんを助けたっていうからさ」
「柚希…これって愛なのか、絆なのかわからねぇんだわ…」

「どっちもじゃないかなー。兄貴と鼎さんの関係って、組織の先輩後輩から発展したんでしょ?…たぶん」

柚希はゼノク隊員だが、本部に派遣されてるので一時的に兄のアパートにいる状況。


本部・司令室。釵焔がいつ人間になったのか、宇崎は後に知ることとなる。
『釵焔』改め、『狭山蓮』として狭山は組織に関わることに。怪人の能力は失ったが、高い身体能力はそのままだ。


鼎と御堂の絆はさらに深まることになる。愛なのか、絆なのかは定かじゃないが…。両方だろうなぁ。



地味に辛い描写が所々入ってた。なんなんだよこれ…。

鼎が今まで誰にも言わなかった仮面生活故の孤独を御堂に吐露したり、彩音は彩音で親友の幸せを願ったりして本音が駄々漏れなのがな。
鼎が発作起こすシーンも苦しそうでキツい。


囃はマイペースにひとり遊園地を満喫。

しれっと釵焔に動きが。釵焔…いつの間に人間になっていたんだよ。釵焔は怪人名、狭山蓮は人間での名前。
ここらへんは後に明かされるかな…。ゼノクで実験を受けたということは、長官絡みか?


所々御堂が鼎を気遣い、触れあう描写は恋愛ドラマっぽかったけど…これ…恋愛ものじゃないからなー。怪人と戦う話?だぞ。
鼎は壁を感じて、人に触れるのが怖いとかがあるみたい。仮面の弊害で視界が狭いのもかなり関係してる。


そんなガチガチに凝り固まった、鼎の心を溶かした存在が御堂だったわけ。親友の彩音と歳の離れた幼なじみの晴斗もね。
やっぱり鼎さん絡みになると、ハードになりがちだ…。書いててなんか辛い。

生々しくならなくてもいいのに、描写が所々生々しいんだもんよ…。