上の子が帰ってくる前提で戻ってきた下の子が心配だった。
案の定上の子が向こうに戻った事を知って泣きそうになったが、笑わせたり気を紛らわせ、なんとか乗り越えた。
とりあえず大丈夫。
私はご飯だけ頂いてから帰る事にした。
ちょうど三井のお父さんが仕事帰りに来た。
とりあえずお父さんも、下の子もごきげんで良かった。
三井はアルコールを呑んでいた為、タクシーで駅まで行く事になり、フロントまで来てもらった。
しかしその前に、まず下の子が居ない所で話を聴く事に。
話というのは、「正さんはこう思ってこう言ったんだろうけど」みたいに推測した事を交えて語られてもどうも分かりづらい。
結局のところ、そのセリフを実際に正さんが言ったのかどうか というのが分かりづらいから。
なので実際に言った事だけを語ってもらった。
そうすると、今までが推測も含んで歪められていたのか、それとも冬休み終わりという土壇場になって変わったのか、どうも今まで感じていた正さんのイメージと違う。
田中家も、お母さんも、 特に栄子さんは「三井がすぐ怒るから怯えてしまって子どもは家に帰らない」という解釈をして三井を責めている。
皆にそう言われ、子どもも実際泣きじゃくっているから腰が引けている。
泣き叫びながら玄関から出ようとした時の事を私は責めた。
正さんが外からドアを開けさせないよう押していたようだけど、正さん任せにし過ぎ。
何故自分も家に入れようとしなかったのかと。
すごい力で抵抗された、と言って臆していた。
これ以上子どもに嫌われたくない、と思ったんだろうか。
自らの行動力が足りなすぎると思う。
それだと正さんからしても三井に任せても仕方ないと思って自分が主導権を握ろうとしてしまう。
しかし、私は腑に落ちない。