▼あらすじ
15歳年上の陣治(阿部サダヲ)と暮らしながらも、8年前に別れた男・黒崎(竹野内 豊)のことが忘れられずにいる女・十和子(蒼井 優)。 不潔で下品な陣治に嫌悪感を抱きながらも、彼の少ない稼ぎに頼って、働きもせずに怠惰な毎日を過ごしていた。 ある日、十和子はどこか黒崎の面影がある妻子持ちの男・水島(松坂桃李)と出会う。 彼と不倫の情事に溺れる十和子は、黒崎が行方不明であることを知る。どれほど罵倒されても「十和子のためなら何でもできる! 」と言い続ける陣治が自分を尾行していることを知った十和子は、 黒崎の失踪に陣治が関与していると疑い、水島にも危険が及ぶのではないかと怯えはじめるが―。
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・前半濡れ場(ぬるいけど)が多くてAV見てんのか?という気持ちになりつつも後半物語が動き始めると一気に引き込まれた
・登場人物がどいつもこいつもクズばっかりで黒崎はまじでコイツ殺したろかって思うレベル(作中で殺されてますが)あまりにクズ。お前に人の心はないのか?
・水島は軽薄で薄っぺらい人間だったけど松坂桃李の顔の良さと黒崎の非道さと比較してそれほどでもないのでは?と思ってしまった。だがしかしクズには変わりはない
・十和子はメンヘラで貞操観念薄いし、陣治は汚いけど唯一の良心だった😭😭😭
・物語はどんでん返しを迎えるんだけどめっちゃ上手いな〜と思った。途中まで陣治がとても怪しい。わたしはWikipediaと感想レビューでネタバレしながら見てたけど。でもそれは関係なく面白かった
・陣治はどこまでも十和子に対して誠実で頑なに嘘は吐かない。陣治が黒崎を殺したって思い込んでたとき自分がした(土の中に埋めた)ことは伝えたけど自分が黒崎を殺したと嘘は吐かなかったし、十和子が思い出したときには否定せずに「そうや」って肯定を返して、あんまりにも誠実で愛情深い
・でもただ一つだけ。陣治が十和子に語った真実は、作業着を洗っていると十和子が起きだしてきて何も覚えてない様子だった→眠ってる十和子のピアスを外しながら「一生思い出さへんでくれますように」と願った、って流れだったけど、最期の陣治の走馬灯では、血まみれの作業着姿で十和子の耳からピアスを外す→陣治が作業着を洗っているところに十和子が顔を出す、っていう流れだったのが気になる
・ピアスを外す流れが逆になっているの、語りだから順序逆になってしまっただけかなとも思ったけど、「思い出さへんでくれ」っていうのは忘れてることを知ってる人間じゃないと使わないのでは。陣治が願ったのは「一生思い出さへんでくれ」じゃなく「どうかこのまま忘れてくれ」じゃないのか?
・そう考えれば陣治にもほんの少しだけでもエゴがあったように見えて、どこまでも愛情深く誠実で十和子に対して無償の愛を捧げる陣治に、一気に人間臭さを感じるようになる
・まあほんの少し、とは言いつつそもそも十和子に生きろって言うこと自体陣治のエゴなんだよなあと思わなくもないけど。時折描写されるあの咳は単純に病を患ってると捉えたらいいのかな。そうすると将来的に迎えるだろう死をただ待つよりも、十和子に生きる道を選ばせるために死を選んだのかなあ
・回想の中の陣治は白いシャツにネクタイを締めていることもありとても清潔そうな身なりをしていて、現在軸の姿とはかなり違う。監督のインタビュー記事読んだらそれについても触れられてた。十和子の汚いことを吸いとってあげてるって言ってて成る程な〜ってなった
・あとめっちゃどうでもいい話なんですが蒼井優の喘ぎ声めっちゃかわいかった。普段の声のトーンと全然違ってて釘宮さんみたいな声だななどと思いました