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円卓

話題:本の感想




こっこ、小学3年生。
幼いながらも「孤独」に憧れる。

同じクラスの香田めぐみさんになりたい。「もらいもの」になって眼帯を付け、体育の授業を見学したい。
「金持ちやけど、複雑な家庭にいる、孤独」なちゅーやんになりたい。
ベトナムで生まれたゴックんになりたい。
「美人の三つ子の妹」ではなく、誰でもない、「こっこ」になりたい。

ある日、同じクラスの朴君が、不整脈になり救急車で運ばれる。「ふせいみゃく、羨ましい!」と思ったこっこは、その日、朴君の「ふせいみゃく」を真似したが、担任教師が怒っているような気配を感じ取る。

物知りな親友、ぽっさんに尋ねる。
「朴君のふせいみゃく、うちは羨ましくて、」
「真似は、真似やった。でも、なんで怒るんか、分からん。」

ぽっさんと、祖父の石太がこっこに説明するのだけれど、訥々と語るぽっさんの言葉には、小学生とは思えない、重みがある。

本人が嫌がってるか、格好ええと思ってるか、「いまじん」しなければならない。

「いまじん」できなかったら、分からなかったら、「あかん人」なのか?

こっこの問いはわたしたちに鋭く突き刺さることだろう。子どもだからこそ、の真っ直ぐなこの問いに、なんて答えればいいのだろう。

「「あかん人」やない。でも、琴子がしんどい思いをするやろうし、それ以上に、人にしんどい、つらい思いをさせるかもしらん。」

さすが石太、ナイスアンサー。伊達に年を重ねていない。わたしも、こういうことを言える大人になりたい。

「自分」ってなに?
「普通」ってなに?

全身全霊で考え、苦しみ、走りながらこの2つの答えを見つけ出そうとするこっこに、頑張れ!と応援せずにはいられない。

軽快な大阪弁と、個性的な、愛すべき登場人物たち。
それと、ときどき入る作者のツッコミが、たまらない。たまらなく、いい。

最後には、胸がすうっとするような気分になるだろう。秋晴れのような。






※追記にコメントのお返事をしています。





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4月の読書

話題:最近読んだ本


ゆるい生活 / 群ようこ
ツンドラモンスーン / 森博嗣


がーん。2冊。
先月の17冊はいったいどこへやら。
しかも残念なことに、2冊ともあまり記憶に残っていません。なんてこったい。

ただですね、ひとつ言い訳をさせてください。

4月に休みがなかったんです。

わたしみたいな小娘が…?という感じですが、今年度から部署のチーフをさせていただくことになり、忙しさが10倍増(当社調)になりまして、文字通り、休みが1日もありませんでした。(※5月1日に約1カ月ぶりの休みがありました!めでたい!)

あとね、一回読んだ本を再度読み直しているんです。
今は大好きな西加奈子さんの『円卓』を読んでいます。さらっとではなく、一文一文、線を引き、辞書を引き、書き込みながら、ゆっくり咀嚼しながら読んでいます。

あほなので難しいことはよくわかりませんが、今までの「なんかよくわからんけど、好き!」のぼんやりした感じに、輪郭がついたかな?どうかな?くらいにはなっています。読み終えたら感想でも書こうかな。

ということで、新規開拓は、2冊。
5月はもうちょっと読みたいところです。


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