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season3 第13話(1)

「紀柳院・北川、落ち着いて聞いて欲しい。ゼノク隊員は全滅に近い状態だ」

全滅――?


西澤から来た連絡は信じられないものだった。音声にノイズが混じっている。
西澤の背後はどこか慌ただしい。司令室ではない場所から連絡している模様。

鼎は動揺を隠せないでいる。


ここでいう「全滅」とは、7割以上戦闘不能ということを意味する。
ゼノクは本部・支部に比べて隊員の人数が少ないため、今現在のゼノクは壊滅的とも言える。

研究施設襲撃により、施設にいる研究者も負傷したと聞いた。
研究者の負傷者自体は少ないが、特に被害が大きい1階・2階の研究員はほとんど避難に間に合わず襲撃に巻き込まれた。


「室長と陽一さんは無事なのか!?」
慌てて聞く鼎。

「今必死に畝黒(うねぐろ)を捜索中。2人が着いた頃には研究施設は破壊された。破壊と言っても、ゼノク研究施設は要塞みたいなもんだから壊されたのはほんの一部だ」


ここで鼎が意を決して切り込む。

「西澤室長…お言葉ですが…。悠長にしていられませんよね?
負傷者多数で長官まで負傷したとなると…ゼノクは誰が指揮しているんですか?」
「俺も負傷者の手当てに回っている。憐鶴(れんかく)と二階堂は重傷だ。指揮なんて到底出来ない。指揮者は不在なんだ。
こっちはそれどころじゃないからね。…そこでだ」


――そこで?


「紀柳院・北川、君たち2人に一時的に指揮権を譲ることにする。
長官負傷・憐鶴も負傷した今、ゼノクをゼルフェノアを委ねられるのは本部にいる君たちしかいない」

それはつまり、一時的に全権を本部に移すということを意味しているのか?


「東京に出現した怪人は全て殲滅したようだね。御堂達は優秀だよ。
今から本部のモニターをゼノクのライブ映像に切り替える。研究施設の惨状にショックを受けるかもしれないが…これが現実だから…。
要塞化と防衛システムを持ってしても、畝黒に破られてしまった。宇崎と陽一だけでは持たないかもしれない。宇崎は研究者だ、戦闘に不向きなのはわかっているよね」


少しして、モニターが切り替わった。そこには目を疑うような光景が映し出された。
ゼノク本館を始めとする、メイン施設はノーダメージなのだが研究施設に関しては1階・2階部分が激しく損傷している。


北川は画像を拡大した。

「こりゃあひどい…。1階の被害が甚大だ。
畝黒の威力は畏怖すらも感じる…。どうやったらこんなことになるんだ…」
「…北川さん、私達でゼノクの指揮も出来るのでしょうか…」


鼎は不安そうな声を出す。

ゼノクの指揮まで西澤から委ねられるとは。状況が状況なだけに受け入れるしかないが、心の整理がまだ出来てない。


そんな中、御堂から通信が入った。
「鼎!怪人殲滅完了したぞ!次はどうしたらいい!?」

「……今から高速輸送機を出す。晴斗と共にゼノクへ行って貰いたい。他に戦力が必要なら人員を増やしても構わないよ。
室長と陽一さんは先にゼノク研究施設へと到着した。
……ゼノク研究施設は今現在、指揮が回らないほど大変な事態になっている」


「何が起きてんだよ!?説明しろって!!ゼノクで何があったんだ。…畝黒か!?やつは何を…」

「ゼノク隊員は畝黒怪人態の猛攻でほぼ全滅状態。長官は負傷。憐鶴と二階堂は重傷だと聞いた。
研究員も負傷者多数で指揮どころじゃない」
「ゼノクもカツカツじゃねーか!わかった。至急向かうことにする。輸送機って…あれか?」


御堂は上空を見た。そこには小型の高速輸送機が。これなら垂直離着陸可能なため、滑走路がないゼノクでも本館屋上のヘリポートで離着陸出来る。

輸送機はゆっくりと着陸した。


御堂は早速乗り込む。囃(はやし)と鶴屋は見送ったのだが。


「囃は乗らないのかっ!!」
ぶっきらぼうに言う御堂。

「俺って必要か?邪魔にならないかねぇ」
すっとぼける囃。
「お前のブレードの威力を試す時が来ただろうがよ。蛟(みずち)の発動…あれ100パーじゃないよな」


ちっ。和希にはバレてたか…。
そうだよあれは100%じゃねぇ。発動100パーは消耗半端ないから滅多に使わないんだよ。


囃は渋々乗り込んだ。やがて輸送機は晴斗を乗せるべく、次の地点へ向かった。



輸送機がくる間、晴斗もこのことを鼎から聞いていた。淡々と通信する2人。
晴斗は明らかに動揺している。


「鼎さん、至急ゼノクへ向かえって…。うん、わかったよ。
ゼノクの状況…聞いてたら胸が痛くなってきた…。指揮どころじゃないって…。精鋭全員戦闘不能ってヤバいんじゃ…。長官もやられたの…?」

「晴斗の力がどうしても必要なんだ。和希も輸送機に乗っている。もしかしたら囃もいるかもな。そこは和希に任せたから…」


ゼルフェノアの全権を西澤室長が一時的に鼎さんと北川さんに移行した話は衝撃的だった。
西澤室長も手一杯なんだ。

ゼノクの被害が深刻なためだが、鼎さん…平静を装おうとしてるけど声が震えてる…。


「室長と陽一さんが研究施設で畝黒を探してるんだ。今のところ通信は入ってない。
輸送機が来たらすぐに乗って欲しいんだ。畝黒の威力は尋常じゃない。高速輸送機を手配したのはそのためだ。地下の最高機密にアクセスされたら…全てが終わる」


めちゃめちゃヤバいじゃないか!!
地下の組織の最高機密にアクセスされたら全てが終わるって…。噂に聞いてるあの部屋なのかなぁ。限られた人しか行けない、あのフロアのことだよね…。


「晴斗、陽一と共に戦う形になるな」
「父さんが来たってことは、北川元司令もいたりする?」

「司令室にいるよ。本部のサポートをしてくれている」
「…よ、良かったぁ。鼎さんだけかと思っていたから…」


「そんなはずないだろうに。私だって全権いきなり委ねられてプレッシャーが半端ないんだ。
緊急とはいえ、前代未聞だからね。北川さんがいなかったら…私は重圧に押し潰されてたよ」



やがて輸送機が到着。晴斗は輸送機に乗り込んだ。御堂と囃が機内にいた。


「桐谷さん・神(じん)さん、行ってくるよ」
「生きて帰ってきてくださいね。私はそれしか言えませんから」

「紀柳院も戦ってるんだ。応えてやれよ」
神の珍しく優しい言葉。神なりの優しさらしい。


高速輸送機はゼノクへと向かう。



この様子を見ている隊員達がいた。上空のどこかへ向かう高速輸送機を見つめるのは彩音と梓。


「あれ…高速輸送機だ。どこへ向かうんだろ」

「方向からしてゼノクじゃないか?東京の怪人は全て殲滅したと報告が入ったな。
…ラスボス様のところへ向かったのかもしれないぞ。ちょっと前にうちの組織のヘリもゼノク方向へ飛んでいたじゃないか」

そこにいちかが。
「このシェルターの手当て、一段落しましたっす!」
「いちか、ありがとね。助かったよ。一段落ついたから本部へ戻ろうか」



霧人達バイク隊も救護応援が一段落ついた模様。


「東京の怪人は全て殲滅したんだと。あらかた市民の手当ての応援は落ち着いたし、あとは救護隊に任せて撤収するぞ」
「救護隊…少しは落ち着いてきたんですか」

「周りを見てみろ。そこそこ落ち着いている。
俺達は救護隊員じゃないし、人手が足りないから応援に来てただけだろ。本職はバイク隊だからな。パトロールしながら本部へ戻るぞ」
「渋谷隊長、了解です」


バイク隊はパトロールも兼ねながら撤収を開始した。



新人隊員を引率しながら本部へ撤退した氷見は疲れていた。
急とはいえ、副隊長はムチャブリをする…。

なんとか本部へ到着した新人隊員の一部と氷見は解析班の朝倉に迎えられた。
「おかえり。よく頑張ったね。ほらほら今のうちに休んで。こっちはもう大丈夫だと思うけどさ…」
「えーと、朝倉チーフでしたっけ。どういうことですか」

朝倉は複雑そうな表情を見せた。
「君たち新人隊員に言うのも躊躇うんだけど、『ゼノク』という長官がいる場所…あるでしょう。
そこが桁違いに強い怪人1人によってめちゃめちゃにされて大変なの。ごめん…。言わない方が良かったかな…」

「そ、そんなことないですよ…。過酷なんですね…怪人と戦うのは…」
「解析班の私が言っても説得力…ないよね…」



桐谷と神も撤退。組織車両内はどこか気まずい。

「晴斗くん、行ってしまいましたね」
「健闘を祈るしかないだろう。あのブレード…ただのブレードじゃないと聞いたが」


「対怪人用ブレードは稀に、例外的な力を発揮するものもあるんですよ。
晴斗くんのブレードと鼎さんのブレードはそれに該当します」
「補佐って戦えないのに、ブレードはそのままあるんだ…」

「鼎さんのブレードは例外中の例外なんです。御堂さんと晴斗くんがなぜか発動を使えますから。
どうやら鼎さんと繋がりが深い人だけ、それが出来るみたいです。
…不思議ですよね。…ブレードは基本的に本人以外は使いこなせないように出来てるのに」
「それ、聞いたことある。対怪人用ブレードは刀鍛治と科学技術の融合で出来てるとか…」


そう、対怪人用ブレードは謎テクノロジーで出来ている代物なのだ。
刀鍛治と科学技術の融合で出来ている、奇跡のような装備。詳細は明かせないが、ブレードにはそれぞれ銘も付いている。

実は全てのブレードは発動することが出来るのだが、使い手によっては消耗に個人差があるため、発動を使わないで戦う隊員も多い。


発動すると通常時から特性が変わるものもある。

例として、仁科の澄霞(すみかすみ)は発動すると使い手は高速移動が可能となる。
囃の蛟も発動するとひと振りで広範囲攻撃が出来るようになる。これは衝撃波が拡大するため。



研究施設。宇崎と陽一は慎重に捜索中。


「陽一、エレベーターは生きてるようだな。2基とも生きている」

2基あるエレベーターのうち、ひとつは最高機密のある地下5階へと直結しているが、パスワードがないと行けないシステム。
パスワードを3回間違うとロックがかかってしまい、24時間解除は不可能。


「宇崎。階段で行かないか」
「階段ねぇ」

階段では地下5階へは行けないはずだが…。しかし、やつはどこにいる?



ゼノク隣接組織直属病院。


病院では野戦病院のような修羅場と化していた。次々と運ばれる怪我人。病院もギリギリな状態だった。

西澤も手当てをする。



とある病室の特別室。そこには長官がいた。長官は激しいダメージを受けた左腕の義手を見つめている。
右腕の義手もかなりのダメージを受けている。

戦闘中、気づいたら血まみれになっていた。爆破の影響もあるのだろう。致命傷は免れたが。


ベッドの横には南がいた。

南は頭と腕に包帯が巻かれていた。彼も畝黒によって負傷したひとり。


「長官…ゼノクに……ゼルフェノアに未来はあるんでしょうか…」
「希望を持つんだ。こんな状況下でも諦めずに戦っている隊員がいるだろう。諦めてはいけない…」

長官は辛そうだ。



高速輸送機はゼノクへと到着した。晴斗は研究施設の惨状に戦慄する。


――なんなんだよ、これ…。

「晴斗、これまでのラスボス様とは明らかに被害状況が違うだろ。覚悟は決めたよな」
御堂は普段通りに話しかける。

「……うん」


海外ドラマ

話題:ひとりごと
最近、いつの頃からか日5→Eテレの海外ドラマを観るようになった。
「こちらベスト探偵団」、途中から見始めましたが面白い。30分間に2話構成なせいか、見やすいなぁー。

さくさく見れるのは良いです。


探偵ドラマとは言っても、海外(アメリカ?)の小学生4人がベスト探偵団を組んで身近な事件を解決する、ほっこり要素のあるドラマだから平和。
シリアス要素はそんなにない。

演出がイケてるせいもある。BGMがいいんだよな〜。


ベスト探偵団は途中からほぼ毎週観てますが、もう1つたま〜に観ている海外ドラマがありました。
「アストリッドとラファエル2 文書係の事件簿」。フランス発の刑事ドラマ。女性2人のバディもの。

アストリッドがコミュ障の文書係・ラファエルが熱血刑事って感じなんだよね。


パリを舞台にしているせいか、ロケ地が豪華に見える…。

起きてる事件現場も日本の刑事ドラマじゃ絶対にやれないよな〜ってシチュエーションが多いし。
たまたま見た前回は何かの儀式みたいな感じで事件が起きてたな。

番宣見てると過去にはパイプオルガンの内部で人が死んでました〜な、回もやってたらしい…。海外じゃないと無理だろ。



日本の刑事ドラマ…海外もの見るとショボく感じてまう。
アストリッドとラファエルは好評だから2期も地上波でやってるようですな。総合で。



なぜか日曜日は海外ドラマ見がち。

次週、ガンダム最終回だよー。どう終わるんだよ。
魔女はプロスペラだったんだね。タイトルはミスリードなのか、スレッタとのダブルミーニングなのか…。


プロスペラにスレッタへの思いをぶちまけて説教かますミオリネさんの安定感、なんだか安心した。なんか見ていてスッキリしたわ。
終盤スレッタを差し置いて、エリーエリーとうるさいプロスペラに説教かましたミオリネさん、カッケー。

ツンツンしてこそミオリネさんだ。


最終回でスレッタにデレるのか、ちょっと気になるがやっぱりツンなのかなぁ。


夏アニメの日5のゾン100、なんだか面白そう。


season3 第12話(4)

畝黒(うねぐろ)怪人態は粂(くめ)にじわじわと手をかけようとしている。恐怖で涙が止まらない粂。


畝黒は彼女の腕をギリギリと左手でものすごい力で締め付け、動けなくしている。彼の右腕は刃へと変化していた。
「もっと恐怖するがいい…」
「やめてよ!!」

痛みに悶える粂。腕が折れる音がした。


彼の右腕が彼女の体を貫こうとしたのだが、寸前で苗代と赤羽が飛び道具を使いなんとか救出する。

「大丈夫か!?」
苗代は粂の怪我を見た。左腕が折られている…。粂は恐怖で震えている。戦意喪失状態だ。


苗代と赤羽は次のターゲットにされてしまう。

「1人ずついたぶろうと思っていたのにねぇ。最後は義肢のお姉さん、お前だな。
さて、いつまで持つかなぁ。隊員だけでは私には勝てないのにね。差がありすぎるよ」


畝黒は触手を同時に展開、苗代と赤羽を締め付けた。かなりの力がかかっているのか、簡単にはほどけない。
触手の先は2人の首をじわじわと狙う。

これには憐鶴(れんかく)も見ていられなかった。
「苗代!赤羽!」
「れ…憐鶴さん…。俺達のことはいいからこいつを倒して…」

苗代は苦し紛れに言った。
赤羽もなんとか触手を振りほどこうとするも、ただただもがくばかり。

……苦しい…!俺にはまだ憐鶴さんと一緒にやることがあるのに…!


赤羽は意識を失いかけているも、まだ諦めてはいない。だが動けない。
苗代も触手の脅威に晒されていた。


苗代と赤羽は憐鶴からしたら、付き合いの長い仲間である。
特殊請負人として活動し、数年間共に過ごしてきた。

苗代と赤羽は場を和ませる存在でもあったため、彼らは憐鶴を知らず知らずのうちに救っていたのである。


2人を助けなければ…!
二階堂や上総には厳しい状況。ここは私が行くしかない…!


苗代は目線を憐鶴に向けた。ギリギリの状況。

「早く九十九(つくも)を使って…。俺達は怪我してもいいから…致命傷は勘弁だけど…。…ぐわっ」
触手がさらに力を増したらしく、苗代が苦しんでいる。赤羽は気絶しているのか、返事がない。


「仲間を助けるか?見捨てるか?」
畝黒の容赦ない台詞。触手は2人の体にぎっちりと巻きついている上に、首にまで巻きついている。助けるかは時間の問題。


苗代は「九十九を使って」と言ってくれたが…。憐鶴に迷いが生じる。
二階堂はそれでも諦めなかった。

誰だろうが、隊員を助けようと孤軍奮闘してる。力が及ばなくても。二階堂も消耗し始めていた。


「憐鶴さん!いつもの勢いはどうしたんですか!!」
「…二階堂……」

憐鶴は対怪人用鉈・九十九を見つめた。今こそこれを使わないでどうするんだ…。
二階堂、なんでそんなにも必死なの?


畝黒は苗代と赤羽にとどめを刺そうとした。
「終わりだ」

そこに突撃したのは憐鶴だった。九十九に雷を纏わせ、レールガンのように一気に放つ。原理は不明だが、九十九にはこのような使い方も出来た。

雷を纏った九十九は発動状態。辺りは眩い光に包まれる。


あの強力な攻撃で苗代と赤羽はギリギリ救出されたが、負傷。
苗代が「九十九を使ってくれ」と言ったがために、この2人は九十九の影響を受け軽傷を負った。赤羽は触手から解放され、咳き込んでいる。危うく窒息するところだった。


触手に苦しめられた2人はかなりキツそうだが、憐鶴に礼をした。


「あ…ありがとうございます」
苗代はなんとか声を出す。

「安全なところに逃げてください。粂も連れてあげて。彼女、骨折してるでしょう」
「憐鶴さん…戦力だいぶ減りますよ!?たった3人で戦う気ですか!?」

「今はそうするしかないんです」


苗代・赤羽・粂は撤退を余儀なくされた。粂は怯えてしまっている。



晴斗は対怪人用ブレード・恒暁(こうぎょう)を発動させ、強化された怪人5体相手にまとめてかかる。


「うりゃあああああ!!」
晴斗は知らず知らずのうちに発動している間だけ、広範囲攻撃が可能となっていた。
広範囲攻撃が可能となったことでまとめて打撃を与えられる。

「まだまだぁ!!」
晴斗は他の場所もなんとなく気になっていた。御堂さん達は大丈夫なの?鼎さんは?


桐谷と神(じん)は晴斗の援護。特に桐谷はマシンガンとロケット砲という荒業。神は対怪人用銃を使い、牽制。

「暁、本領発揮してる…すごい」
神は対怪人用ブレード発動を初めて目の当たりにした。



御堂達はというと、御堂と囃を主体として怪人5体と交戦中。鶴屋は援護。
鶴屋が張った護符の結界内でのバトルだが、敵はしぶとい。


「鶴屋、結界2重にしといて!これだと破られんぞ」
「了解」

囃(はやし)と鶴屋は連携しているが、御堂とも連携していた。


御堂は鼎の対怪人用ブレード・鷹稜(たかかど)を発動させる。刀身が赤く光った。

「囃の蛟(みずち)もはよ発動させろ」
「うっせぇな〜」


囃も自分の対怪人用ブレード・蛟を発動。彼のブレードは野太刀型なため、通常の日本刀型ブレードよりも長く重い。そして強度が並み以上。

発動した蛟は攻撃力特化型。囃はブレードを斬るよりも叩きつけるスタイルなため、発動するとさらに攻撃力が増す。
発動した蛟はひと振りで広範囲攻撃が出来る。


「和希、ちょっと離れてろ。危ねぇぜ」
「何する気だ?」

「蛟は暴れ馬なんでねぇ。滅多に発動なんて使わないわけよ」


そう言うなり、怪人5体相手に一気にぶっ飛ばす囃。
「暴れ馬」ってそういう意味だったんかい…。

囃のブレードは強度が並み以上なため、元々スペックが高い。叩きつける的な意味で。


御堂も鷹稜で怪人を撃破していく。



研究施設では畝黒に異変が起きる。何も攻撃してないにもかかわらず、ダメージを受けたのだ。


二階堂と憐鶴・上総(かずさ)は一体何が起きたのか、わからなかった。

今、流血したよな…?勝手に。何が起きてんだ?
それも立て続けにダメージ受けてる…。


畝黒はぼそりと呟いた。


「ちっ、撃破されたか…」

撃破された?


ある場所で解析班と連携している三ノ宮はこのことを本部に報告。
畝黒が二階堂達から攻撃を受けたわけでもないのに、勝手に流血したと。



解析班の朝倉は三ノ宮の報告を受け、確信した。

「やっぱり東京に出現した色違い怪人は畝黒の分身だったのね!
じゃないと主が流血なんてしないから」
「チーフ〜、撃破したのは暁みたいです。御堂と囃も撃破しています」

マイペースな話し方の矢神。彼は副チーフ。


「仁科副隊長のエリア、大丈夫ですかねぇ。新人隊員連れてるからかなりキツいはずですよ」
「何言ってんのよ、矢神。副隊長のブレードをお忘れのようね。
あれを使った副隊長は惚れるくらいにカッコいいんだから」


朝倉は仁科のブレードについて何か知っているらしい。



そんな仁科達4人も怪人5体相手に本気モードに。


「八尾と吾妻はそこの2体を同時撃破して!撃破出来なくてもいいからダメージを与えればいいから。音羽は銃で牽制出来るか?」

あの温厚な仁科副隊長のキャラが少し変わったように見える…。


新人隊員3人は必死。仁科は抜刀した対怪人用ブレード・澄霞(すみかすみ)を発動。

「それじゃあ行くね」
仁科はにこやかに笑った。
彼は高速移動でまとめて斬り刻む。なんという早業。


あまりにも鮮やかすぎて見とれてしまった3人。
怪人5体は仁科1人で倒してしまった。


副隊長…すごい……!



研究施設では畝黒が再びダメージを受けていた。これが好機だとばかりに3人で立ち向かう。東京の怪人は確実に撃破されている!

3人は自然発生的に動いていた。


九十九は発動状態なため、攻撃力が増している。

二階堂も右腕の戦闘兼用義手の隠しモードを展開させた。これは蔦沼が「万が一のことがあったら使うんだよ」という、注意事項もある装備。
それは対怪人用ブレードと同じ素材で出来た仕込み刃。発動も可能だが、消耗が激しい諸刃の剣。

それを腕から刃を展開させる。普段の仕込み刃とは刃の色が違う。漆黒だ。
「あまり使いたくないのですが…使います。諸刃の剣ですが」


二階堂は少し無理していた。上総も自分の忍者刀型ブレードを発動させる。
彼の対怪人用ブレード・忍蔓(おしかずら)は忍者刀という特性上、素早さが特徴。


「二階堂、『それ』使うのか?やめとけよ…。リスクありすぎだろうが…」
止めようとする上総。だが、二階堂は決めていた。

3人はほぼ同時に畝黒怪人態へと挑む。触手をなんとか避けるものの、ギリギリ。
特に二階堂はずっと戦闘しっぱなしなため、疲労の色が見えている。そんな中、あの隠しブレードを使うとか…正気じゃねぇ!!


畝黒怪人態は少しずつダメージを受けていた。分身が撃破された影響もある。


二階堂は義手の隠しブレードで近接戦に持ちこんだ。攻撃を受けたら良くても重傷、下手したらTHE・エンドだというのに。

「二階堂、バカ!離れろ!!」
上総は思わず叫ぶ。彼女は隠しブレードを発動させた。死ぬ気か!?


それを阻止したのは憐鶴だった。
「気持ちはわかりますが、もう少し仲間を頼ってくださいよ」

憐鶴はものすごく落ち着いてるが、めちゃくちゃ流血してる…。しかも右腕から血がだらだら流れてる。利き腕なのに。
黒い仮面も一部は割れてるし、相当な衝撃を受けたんだ。左目付近が割れているせいで、素顔の一部が見えた。


憐鶴は穏やかそうな目をしていた。


畝黒は容赦ない攻撃を繰り出す。3人はダメージを受け、吹っ飛ばされる。
残されたゼノク隊員3人はぼろぼろだった。戦意喪失寸前なのは二階堂。

腐れ縁の上総がなんとか奮い立たせようとするも――彼女の心は折れていた。


そこにじわじわと迫る畝黒。もはや絶望しかない。



ヘリでゼノクへ移動中の宇崎と陽一は、この数分後にゼノクへ到着した。

2人はゼノク全体の惨状を見る。防衛システムは起動していた。
ゼノクの本館含むメイン施設は被害なし。だが…研究施設はひどい有り様だった。


「…なんてひどい有り様だ…。堅牢な研究施設がいともあっさり破壊されるなんて――」
陽一は複雑そう。

研究施設は瓦礫の山と化してした。施設の一部の損傷が激しい。畝黒の威力がとんでもないことを物語っている。
宇崎はある場所でゼノク隊員3人の姿を見つけた。3人は傷を負い、立てない状態。


「――おいっ!大丈夫か!?しっかりしろ!!何が起きた!?」
宇崎が声を掛けたのは二階堂。二階堂の右腕の戦闘兼用義手はめちゃめちゃに破壊されている上に、額から流血している。

二階堂は力ない声で答えた。
「畝黒は危険すぎます」


陽一も上総と憐鶴に声を掛けた。上総は軽傷のようだが、二階堂と憐鶴は明らかに重傷レベル。


ゼノク隊員が全滅した―
実際はただ1人、三ノ宮が残っているのだが→彼は恐怖と戦いながら本部に解析データを送り続けていた。


宇崎と陽一は3人を病院に搬送するように本館へ要請。
2人は畝黒怪人態を捜索することとなる。


三ノ宮は宇崎と陽一の姿を見て安堵した。

「宇崎司令、来てくれたんですね」
「お前…ずっと物陰からデータ通信してたのか。もう隠れてやる必要はないよ。本館へ戻って。
――ゼノク隊員は全滅したよ。もう戦える隊員はいない」


――えっ!?





第13話へ。


今回のスーパーヒーロータイム


話題:ひとりごと
なんか久しぶりにヒーロータイムの感想書くんですが、いつぶりだ。
面倒なんで一部内容箇条書き。



ギーツ。1番のハイライトはタイクーン闇落ちでしょうな。


・ジットが実力行使してでも、グランドエンドを終わらせようとする
・パンクジャック、頼もしすぎ。味方になると頼もしくなる珍しいパターン
・1番ヤバいのはパラサイトゲームを仕組んだ大智だと判明→ジャマト品種改良した本人だからなおさら
・運営、ツムリを第2の女神にしようと強引な手段に出る
・ケケラの印象がだんだん悪くなってる現象。回を追うごとにひでぇなこいつ…。
間違った推しの応援の仕方では?ベロバとつるんでいる時点で()
・そんなベロバは相変わらずバッファの不幸を楽しんでるご様子

・ギーツの敵は運営だが、結局ラスボス誰になるわけよ?スエルが生存してるあたり、ひと悶着ありそう。
ジットは攻撃的なんで要注意だが。今まで出てきたゲームマスターの中でもジットは好戦的なやつだよね

・大智を倒さないとパラサイトゲームは終わらないよな…
・あと倒す対象、ベロバも追加で。こいつが諸悪の根源だからね


・素面アクションマシマシな回だった。前半の英寿&ウィンvsジットと景和vs道長が…
景和vs道長は殴りあいの喧嘩なんだが
・タイクーン回なんでギーツは久しぶりに戦闘パートは基本フォームでしたな。基本フォームでも強い

・闇落ちタイクーン(漆黒のタイクーン)のデザイン、黒いしマントのせいかダース・ベイダーっぽいと思った人正直に挙手!
・闇落ちタイクーンのデザインと武器、忍者→将軍へ格上げされてるよね
・闇落ちタイクーンの必殺技に円月殺法(バックに満月)が来るとは思わなんだ。エフェクトが墨汁っぽいのはなんか好き


ギーツの推しがタイクーンだっただけに、闇落ち来てしまったか〜!って感じ。
前回の流れでなんとなく嫌な感じはしてましたよ。

そりゃあたった1人の家族をあんな形で亡くしたらさぁ、復讐したくもなるよなと…。景和は姉ちゃん思いだっただけにな。

ぶっちゃけ、闇落ちタイクーンのバックルデザインは好きですね。バックルの刀シャキーンアクションがあるのか。あれで必殺技を出すのね。
しかも武器が正統派の日本刀だよ。武器が日本刀風のライダーは過去にいましたが、正統派な日本刀ってあんまいない気がする…。


タイクーンは和風ライダーなんで、デザイン和で統一したんだな。

ギーツは最初からメカ系なデザインですが。
ギーツ最強フォームのあの武器、銃剣だよね。変形で銃にも剣にもなるやつ。


闇落ちタイクーンのデザイン、ダース・ベイダーに寄せました?めっちゃベイダーっぽいよ。行動も、パワーアップしてからの力の使い方も。闇落ちする経緯もアナキンっぽいのは気のせいデスカ?


次回も闇落ちタイクーンが復讐に走るようだけど、終盤どこかでギーツvsタイクーンありそ…。
それよか大智倒さないと意味なくない?パラサイトゲーム仕組んだやつ、こいつだよ!大智は絵に描いたようなマッドなキャラになってしまいましたなぁ。

その裏で運営がツムリを第2の女神にしようと企む的な?またスエルが出そうな気がする。ジットは倒されそうだが、運営だけでも倒す人数多いよな…。
ギーツのが敵が運営なのはわかるが、最終的に誰を倒せば終わるのかいまいちはっきりしない仮面ライダーギーツ…。ラスボスマジで誰よ?

そこをはっきりしてくれよ。だからもやもやするんだ。
ジットはラスボスじゃなさそうだし、やっぱりスエル?その前にベロバと大智が倒されそうだが。



キングオージャー。ヤンマ回。


・やっぱりラクレスは悪!こうなってくるととことんラクレスは悪でいて欲しい。
和平なにそれな時点でな…

・ヤンマとシオカラの2人の安定感。シオカラってヤンマより年上に見えるけど、どうなんだろ
・カグラギはラクレスの犬かい!
・ヒメノとリタは前回のあれでなんだかちょっと仲良くなった?リタが素直なあたり

・ラクレスやっぱり強い。計画が恐ろしすぎるし、チキュー統一するとか言ってるが…計画実行のための詭弁だろ

・ジェレミーも読めないやつだが、さすがに今回はラクレスにお怒りなようで

・ギラが本当は生きてましたの登場シーン、ギラらしい「邪悪の王」って語弊があるよ。
孤児院の子供たちだけは市民で理解してるんだよな〜。ギラの台詞は通訳必要だし、真に受けたらいかん
・ジェレミーは怒らせるとかなりヤバいやつだと判明しました。それであの合体かい

・ジェレミーだんだん人間臭くなってきてるな。最初は浮世離れしてたのに。ギラ達の影響受けてんのかねぇ


次回、ギラvsラクレス再びってラクレスなんか金色になってたよ!?
ラクレスはまだ隠し玉あるのか!?

どうでもいいけど、敵のデズナラクの禍々しいデザインなんか好きだわ。触手があるのはわかってんなと。
しかもあの触手、先からビームみたいなの出てなかったっけ?

デズナラクのスペックヤバいな…。
宰相カメジムはほとんど戦ってないキャラだが、軍師ポジションだからか。


キングオージャー味方以外に敵も虫モチーフだが、デズナラクのモデルの虫って一体なんだろうな。
カメジムはデザインからしてカメムシっぽいよね。


無題

話題:おはようございます。
昨日の拍手4個ありがとうございます。昨夜はDr.チョコレート最終回、結局観なかった。別に観たくて見ていたわけではないし(8話から見たがどうも合わなかった)、最終回の展開がだいたい読めてしまったからでして。

予告の時点でなんとなくわかるよなー…。
唯が黒幕の北澤に刺されて→teacherが手術したんだろっての、わかりやすすぎる。
秋元ドラマがなんだか生理的に気持ち悪いと思うの、自分だけ?


teacherと唯の組み合わせ、よくよく考えると気持ち悪いよな〜。
女子小学生(天才外科医の闇医者)と義手の元医者って設定がどうも受け付けなかった…。俳優と子役は悪くない。よくこのドラマ、企画にOK出たよな…。

秋元康だからといって、なんでもOK出せばいいとは限らないとは思うんだけども…。日テレに対して拒否反応が出始めてる…。



ニチアサ感想、風呂掃除と洗濯終わってからか午後になるかも。



自己満小説season3、携帯止まる前日の28日中までに完結させなくては…!
終盤戦に来てますが、かつてのOBが来る展開season1でもやってたなぁ。裏設定の対怪人用ブレードにそれぞれ銘があるやつ、ようやく活かされた。

副隊長と上総のブレードにも銘が付いてあります。宇崎が秘密裏に作っていたブレードにも銘はあるよ。
対怪人用ブレードの設定、改めて設定カテゴリーにて書くか。

仁科副隊長は御堂に隠れて今まで空気だったんですが、season3でようやく見せ場が来たよ…。


この4日間を使ってあとは自己満小説の設定を携帯止まるまでにノートに書き写す作業、組織の大まかな設定をざっくりと書くだけです。


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