「渋谷」の凋落ぶりが著しい。JR東日本の駅で、乗車人数が19年連続で3位だった渋谷駅が、昨年度は5位に転落したことが分かった。1日の乗車人数は平均で37万8539人。前年度比で一気に8%も減った。

1位は新宿駅、2位は池袋駅で、3位には東京駅が入った。渋谷は4位の横浜駅の後塵を拝する。

不動産コンサルタント会社「グローバルクリエイト」社長の太田勤氏は原因をこう分析する。

「昨年、東急東横線の渋谷駅が地上2階から地下5階に移り、副都心線と直通運転を始めたことが大きい。それまで渋谷の東急本店で買い物をしていた東横線沿線のセレブマダムたちが、こぞって新宿伊勢丹に行くようになり、渋谷は素通りされてしまうのです」

■オタク男性は秋葉原

文化発信地としての地位も、他のエリアに取って代わられた。

「渋谷から人が減ったのは、少子化の影響もあるでしょうが、若い女性は渋谷より原宿、オタク男性は秋葉原に向かう。ちょっとオシャレな層は渋谷から少し離れた青山や代官山です。一世を風靡したギャルも絶滅寸前で、渋谷名所の『109』もかつての賑わいはありません」(太田勤氏)

ギャル雑誌は次々と休刊。今や「最後のギャル」がタレントになる時代だ。ギャル文化の衰退と渋谷の凋落は見事に重なっている。

チーマーもギャルもいない渋谷――。

注目を集めるのは、スクランブル交差点が無法地帯と化すサッカー日本代表の試合日だけというのでは、あまりに寂しい。
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