富士山の夏の終わりを告げる国指定重要無形民俗文化財「吉田の火祭り」が26日、富士吉田市で行われた。高さ約3メートル、重さ約200キロの大松明(たいまつ)計約90本が、赤々とした炎を上げて燃えさかった。

約400年の歴史を持つ伝統行事で、富士山の神「木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)」が炎の中で無事出産したという故事があり、祭の起源の一説と言われている。富士山信仰の信者が通ったとされる国道139号に並んだ大松明が次々に点火されると、見守る観光客から大きな拍手が上がった。

初めて祭を訪れたという東京都中野区、主婦伊藤和江さん(62)は、「直前に夕立が降ったので心配していたが、松明はとてもきれいだった」と笑顔で話した。
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