何かにぶつけたように鈍く痛む頭に、頬に感じる土の感触。
自分はいつの間に地面へ横になったのだろう、などと考えながら目を開ける。
視界に写るのは赤い水に赤黒い土、命を感じさせない枯れ木のような物に、それを組み上げた尖ったバリケードが見えた。
こんな惑星の存在は聞いたことがない。
通信機器を操作してみるが、電源以外はうんともすんとも言わない。
自分の置かれた状態を理解し、舌打ちをひとつ。
おそらくこれは、アークス達の間で呼ばれているアブダクションという現象。
ダーカーの巣に、敵の拠点のど真ん中に墜落した。
させられた、と言う方が正しいかもしれない。