女優の北川景子がデビュー以来、初のショートカットで主演を務める映画『ファーストラヴ』に、中村倫也、芳根京子、窪塚洋介が出演することが、発表された。また、この3人と北川サンを写し出す場面写真も初解禁された。

「動機はそちらで見つけてください」と、アナウンサー志望の女子大生が父親を刺殺する場面からスタートする、作家・島本理生の直木賞受賞作である原作小説は、累計発行部数30万部を超えるベストセラーに。北川サンが演じる公認心理師の真壁由紀は、事件のドキュメンタリー本の執筆を依頼を受け、容疑者・聖山環菜と面談を重ね、二転三転する供述に翻ろうされながらも彼女の心理に迫る。やがて由紀自身がしまいこんでいたある過去の記憶にも結び付く、意外な真相が浮かび上がっていくサスペンスミステリー作品。

主演の北川景子は公認心理師・真壁由紀役。ミステリアスな容疑者にほんろうされながらも、彼女の心理を解明していくうち、自身が心の奥底にしまい込んでいた<ある記憶>も暴かれていくという複雑な役どころを演じる。今回、北川サンは真壁を演じるにあたり、原作のキャラクター設定に合わせ、自らの発案で大胆にも髪の毛を30cm以上カット。2003年のデビュー後、初のショートヘアになった。メガホンを取るのは、ドラマ・映画[TRICK][SPEC]両シリーズなどの堤幸彦で、北川サンとは初タッグ。脚本は、ドラマ[八日目の蝉;NHK]、映画[彼女がその名を知らない鳥たち]などの浅野妙子が担当する。

倫也君が演じるのは、由紀の義理の弟で敏腕弁護士の庵野迦葉(あんの・かしょう)。由紀の過去の記憶のカギを握る役どころで、クールでドライな弁護士を体現する。芳根サンは、由紀と迦葉が向かい合う父親殺しの容疑者・聖山環菜(ひじりやま・かんな)を演じる。父を刺殺しながらも供述を二転三転させ、真意のつかめない複雑なキャラクターを、鬼気迫る演技で再現している。窪塚サンは、由紀の夫であり、迦葉の兄、2人の良き理解者となるカメラマンて真壁我聞(まかべ・がもん)を演じる。[まぼろしの邪馬台国]以来の堤組参加となった。

また、解禁された場面写真では、北川サン、倫也君、芳根サン、窪塚サンの4人が、4分割された1枚の画像の中にそれぞれ写し出されている。


◎あらすじ
アナウンサー志望の女子大生が面接試験を途中で放棄し、その足で向かった父親の勤務先で父親を刺殺した。「動機はそちらで見つけてください」。容疑者の美人女子大生・聖山環菜の挑発的な言葉はマスコミを大いににぎわせた。彼女のドキュメンタリー本の執筆を依頼された公認心理師の真壁由紀(北川景子)は、二転三転する環菜の供述にほんろうされながらも、面会や手紙のやりとりを重ね、さらに彼女に関係する人々について調査していく中で、環菜にどこか過去の自分と似たものを感じ始める。そして自身もまた、心の奥底にしまった<ある記憶>と向き合うことになるのだった。


▽中村倫也コメント
このビターな世界の中で、迦葉はどんな過去を背負い、またどんな未来を歩いていくのか、日常生活まで入り込むほどずっとず〜っと考えていました。ここまで頭から離れなかった人物は初めてかもしれません。僕がこの世界に入る前から一ファンとして多大なる影響を受けてきた堤さん、窪塚さん。もはや百戦錬磨の芳根さん。そしてなにより、同世代の星、北川さん。試写の案内が届くのが楽しみな今日この頃です。ご期待ください。

▽芳根京子コメント
環菜と向き合えば向き合うほど、引きずり込まれそうで震える恐怖を、初めて味わいました。撮影が終わった今も、思い出すと涙が溢れます。現場の温かい空気と、スタッフ・キャストの皆様に心から救われました。真壁先生が北川さんで本当に良かったです。初めての堤組で経験させてもらった事は、一生忘れません。

▽窪塚洋介コメント
何もしないことの難しさ。堤監督との12年ぶりの仕事で求められたのは“何もしない”こと。何の狙いも持たずにただただ良き夫、良き兄としてカメラの前で在ることは想像以上に難しかった。つい作為的になりがちなところを北川景子さん始め、演者とスタッフが真摯に自分の仕事に向き合う様に支えられて挑戦することが出来たように思います。

▽堤幸彦監督コメント
今回のキャストはまさにベストな人選であった。お陰で密度の濃い化学反応がいくつも。
中村氏は眉目秀麗な弁護士を演じるが、彼の役が持つ『影』はストーリーの低いところで少しずつ温かい流れとなって全体をくるんでいく。
難しい役どころだったがストイックに演じ切ってくれた。
芳根京子さん。役に憑依するとは彼女の事だ。撮影のシステムも熟知していて狙った場所で狙った以上の演技をする。まさに天才。涙の魔術師。
そして盟友窪塚洋介。いろいろと過去から演じてもらったが、今回はまさに「はまり役」ではないか。信念と優しさ、まるで扇の要のようにいい声で動揺する魂を鎮めていく。
他にもたくさんのこの映画にとっての適材適所な役者が渦巻いている。本当にたくさん。なんとも贅沢な作品作りであった。感謝!


『ファーストラヴ』は2021年、全国にて公開。