俳優の藤原竜也が14日放送のフジテレビ系特別番組『世にも奇妙な物語'17秋の特別編』で同シリーズに初出演を果たすことが明らかになった。漫画家・手塚治虫原作の知られざる名作[夜の声]に挑戦する。また相手役を人気急上昇の若手女優・飯豊まりえが演じる。脚本は松井周(サンプル)、演出は河野圭太が務める。

大手IT企業のCEOである我堀英一(藤原竜也)は、容赦なく社員の首を切る冷徹な経営者。そんな我堀が人知れず実践しているストレス解消法があった。それは、週末はホームレスとしてダンボールハウスに住むこと。ある週末、いつものようにホームレス姿で過ごしていた我堀の元に、一人の若い女性(飯豊まりえ)が男たちに追われて逃げ込んでくる。思わず彼女をかくまう我堀。男たちが去り、早く家に帰るよう促す我堀だが、ユリと名乗るその女性は我堀のダンボールハウスまでくっついてきてしまう。

見捨てるわけにもいかず、ダンボールハウスに入れる我堀。ユリはそのままダンボールハウスに住み始め、ホームレス姿の我堀の世話を焼くように。お互い多くを語らずホームレス生活を送り始めた2人は、次第にひかれ合っていく…。ユリとより多くの時間を一緒に過ごしたいと考えた我堀は、CEOの身分については黙ったまま、自分の会社の入社試験を受けるようユリに言う。当然のごとく入社試験に受かり、我堀の元で働き始めるユリだが、我堀がホームレスと同一人物であることにはまったく気づかない。そんなユリをますます好きになった我堀は、自分がユリの慕っているホームレスと同一人物であることを隠したままプロポーズするのだが…。

1990年のスタートから27年にわたり続く人気シリーズの現場に、竜也君は「タイトなスケジュールの中に内容が凝縮されているので、結構大変なんだなって驚いています。時間的、尺的な部分もあって短期間の中、人数もそこまで多くない制作陣で撮影しているのですが、チームワークよく一致団結し、1カットごと集中して撮っているなという印象です」と感服。

竜也君は今作の役どころについて「勝ち組の葛藤じゃないですが、違う世界に強いあこがれがあって、普段の生活を遮断して違う新たな自分を出したい、見つけたい、という無い物ねだりの主人公です」と紹介。その上で「心にぽっかり開いた穴に気付いていて、自分の中で納得できない何かがあり、違う生活を追いかけています。そんな人間の破滅する姿が手塚治虫さんならではのうまい心理描写で描かれていると思います」と魅力を語った。

作品の見どころについて「“夜の声”というタイトル通り、変わった、奇妙な話ですよね。『世にも奇妙な物語』は、以前から見せていただいてましたが、年代を問わず多くの人たちに受け入れられるエンターテインメントとして、非常におもしろいシリーズだと感じますね。今回の作品は、手塚治虫さんの昔の漫画が原作ですが、今改めて『世にも奇妙な物語』の企画でよみがえらせることは大事だと思います。僕自身も日々たのしく撮影させてもらっています。CEOとしての道をそのまま進めばいいんですけど、心にぽっかり開いた穴に気が付いて、自分の中で納得できない何かのために、違う生活を追い掛けてしまう。そんな人間の破滅する姿が、手塚治虫さんならではの物語で、脚本もすごくおもしろいです。何も考えずに楽しく見てもらえる作品になっているとうれしいですね。」

また「リラックスして楽しめるものになっていると思いますので、世代を問わず気楽に見ていただければと思います」とメッセージを寄せた。


土曜プレミアム『世にも奇妙な物語'17秋の特別編』はフジテレビ系で10/14放送(21時〜23時10分)