2019年前期のNHK朝の連続テレビ小説『なつぞら』の出演者が発表された。

広瀬すずがヒロインを務める『なつぞら』は、2019年4月から9月まで放送される予定。広瀬すずが演じるのは、戦争で両親を亡くし、北海道に移り住んだ東京出身のヒロイン・奥原なつ。北海道で開拓精神、自然の中で培われたデッサンの腕前と感性で、高校卒業後に草創期を迎えていた日本のアニメーション業界に飛び込んでいくというキャラクターだ。

『なつぞら』は、記念すべき100作目の朝ドラで、脚本家の大森寿美男さんのオリジナル作。広瀬さん演じるヒロインの奥原なつは1937年、東京生まれの設定。大空襲を生き延びるものの、両親を戦争で失う。兄・咲太郎(さいたろう)、妹・千遥(ちはる)と別れ、父の戦友だった柴田剛男に一人引き取られ、北海道の十勝地方に移り住む。柴田家の家業である酪農を手伝う中、持ち前の明るさを取り戻し、北海道移民1世である剛男の父・泰樹から、開拓者精神とともに人生で大切なことを学んでいく。

高校卒業後は上京して、当時、「漫画映画」と呼ばれ、草創期を迎えていたアニメ業界に飛び込む。画家志望の友人・山田天陽(てんよう)から、手ほどきを受けたデッサンの腕前を生かし、自然の中での生活で磨かれたみずみずしい感性を発揮していく……というストーリーが展開する。なお、タイトルが当初発表されていた[夏空-なつぞら-]から『なつぞら』に変更されている。2019年4〜9月に放送、全156回を予定。

発表されたキャストは、<北海道・十勝編>に出演する岡田将生、草刈正雄、松嶋菜々子、藤木直人、清原翔、福地桃子、小林隆、音尾琢真、安田顕、高畑淳子、山田裕貴、吉沢亮、戸次重幸、小林綾子。

岡田将生はヒロイン・なつの生き別れた兄・奥原咲太郎役、吉沢亮はなつに大きな影響を与える画家・山田天陽役を演じるほか、草刈正雄が柴田牧場の柴田泰樹役、松嶋菜々子がなつを育てる柴田富士子役、藤木直人が富士子の夫・柴田剛男役、清原翔が密かになつに想いを寄せる柴田照夫役、福地桃子が柴田夕見子役、小林隆が牛の世話をする戸村悠吉役、音尾琢真が悠吉の息子・戸村菊介役、安田顕が人気菓子を発明する小畑雪之助役、高畑淳子が十勝の生き字引き的存在・とよ役、山田裕貴がなつの幼馴染・雪次郎役、戸次重幸が天陽の父・山田正治役、小林綾子が天陽の母・山田タミ役をそれぞれ演じる。題字は1996年のアニメーター・刈谷仁美が担当。

会見後に制作統括の磯智明が囲み取材に応じ、吉沢君、福地サン、山田君、清原君の広瀬サンと同世代の出演者はオーディションで選ばれ、2500人以上の応募があったことを明かした。


◎『なつぞら』のあらすじ↓
1946(昭和21)年初夏、戦争が終わり、奥原なつ(9)は、柴田剛男に連れられ、北海道・十勝にやって来た。戦災孤児のなつを受け入れた酪農一家・柴田家は、北陸からの開拓移民。剛男となつの父とは戦友で、もしもの時は、お互いの家族の面倒を見るという約束をしていた。

剛男の父・泰樹は偏屈者で知られていた。泰樹は、なつを厄介者と言いながらも内心、ふびんに思っていた。子供ながらに覚悟を決めたなつは、牛馬の世話や乳搾りを懸命に手伝う。なつの頑張りに心を動かされた泰樹は、生きるすべをとことんたたき込む。なつも天真らんまんな子供らしさを取り戻していく。

やがて、なつはすてきな馬の絵を描く少年・山田天陽と出会う。天陽から当時、アメリカではやっていた「漫画映画」の魅力を教えられ、“絵が動く”夢のような世界があるのかと感動する。

高校生になり、なつは天陽の影響で、絵を描く仕事に夢を持ち始めていた。そんな折、生き別れていた兄が東京で働いていると知らされ……。なつに旅立ちの日が近づいていた――。