俳優の内野聖陽が主演する『日経ドラマスペシャル 琥珀の夢』が、10/5(21:00)にテレビ東京系で放送されることが発表された。BSテレ東(現・BSジャパンが10月1日から名称変更)でも今冬放送予定。

同ドラマは、明治・大正・昭和という激動の時代を背景に、「やってみなはれ」の精神で日本初の国産ウイスキー造りに命を捧げた男の人生を描くヒューマンドラマ。原作は伊集院静氏の長編小説[琥珀の夢 小説 鳥井信治郎]。サントリー創業者・鳥井信治郎の人生を描いた作品で、伊集院氏が手掛けた初めての企業小説だった。ドラマでは鳥井をモデルにしつつ、一人の人間が新たな価値観を創造するという大きな夢を抱き、それを成し遂げるまでの物語を、仮名で構成するフィクションとして描く。

内野サンがドラマ版では鳥井信治郎をモデルにした架空の人物で、日本初のウイスキー造りに心血を注ぎ、やがて日本一の洋酒メーカー「暁屋」の創業者となる主人公・鳴江萬治郎を演じることはすでに発表されていたが、放送日とともに共演者も発表された。

萬治郎の最愛の妻・サト役に檀れい。弟思いの心優しき兄・千恵蔵役に、テレビ東京のドラマ出演は2016年[ドラマ24 侠飯〜おとこめし]以来となる生瀬勝久。萬治郎とサト夫妻の長男・寿太郎役に大東駿介。幼少時代の萬治郎役に大河ドラマ[西郷どん;NHK]で主人公・吉之助の少年時代を演じた渡邉蒼。そして、息子思いの父・義兵衛役に中村梅雀、母・ちよ役に原田美枝子がキャスティングされている。


◎あらすじ
明治12(1879)年、大阪船場の釣鐘町の一角で、米穀問屋「鳴江商店」を営む父・義兵衛と母・ちよの次男として生まれた鳴江萬治郎が主人公。13歳で薬種商を営む「小南理助商店」の丁稚(でっち)奉公に出た萬治郎は、そこで洋酒と出合い、店主の理助とともに葡萄(ぶどう)酒の開発に関わることになった。数年後、20歳になった萬治郎は洋酒の商いを始めようと思い立ち、兄・千恵蔵から贈られた軍資金100円(現在の価値で100万円)を手に神戸へ向かう……と展開する。


▽檀れいコメント
明治・大正・昭和と日本が変化していく時代に、主人公・萬治郎の夢を叶えるエネルギーの強さに圧倒されました。そして台本を読み進めていけばいくほど、萬治郎の熱い思いと人に対する優しさに触れ、溢れる涙が止まりませんでした。そんな萬治郎の奥さん役を演じさせていただくことは、この上ない喜びであり、少しでも良い作品になればと撮影に臨みました。萬治郎は情熱の塊みたいな人。その萬治郎を演じる内野さんの作品に対する思いも強く、エネルギッシュな萬治郎を表現するために、台本にはないアドリブやアイディアをリハーサルでされます。それは私が驚かされることばかりでしたが、内野さんがシーン1つ1つをどのように演じられるのか、ワクワクする日々でもありました。そんな内野さんのお芝居に寄り添えるよう、温かく夫を支える妻であるよう、私も1つ1つのシーンを丁寧に演じました。1人の日本人の生き様を熱く描いた物語。観ていただければ、きっと誰もが萬治郎に惚れ、誇りに思うはず。今を生きる人々の胸にも響く「琥珀の夢」をぜひご覧ください。

▽生瀬勝久コメント
このドラマは大阪が舞台。僕は関西出身(兵庫県)なので、モデルとなった企業にはもともと親近感があったのですが、意外と知らないことも多かったので、それを知るいい機会になりました。千恵蔵にとって萬治郎は自慢の弟だったと思いますね。自分にないものをたくさん持っていて、自分では二の足を踏むことを、彼ならば突き進んでやってくれる。それを見込んでいたからこそ、お金を渡して自由にさせた。萬治郎も千恵蔵に感謝していたと思います。みんな同じじゃなくて、いろんな人がいたからこそ、この家族は幸せだったんじゃないかと思います。内野さんとは彼の初舞台「女たちの十二夜」で共演して以来、約20年ぶりの共演でした。同じ作品に出たことはあるのですが、お芝居での絡みがなくて、久々の共演が不安でもあり、楽しみでもありました。ドラマとしては初共演作と言えるかもしれません。僕は普段からあまり役作りをしないので、今回も内野さん演じる萬治郎に対して千恵蔵がどうサポートし、叱咤激励するのかという関係性だけで演じました。彼の関西弁のサポートも含めて。そういう関係性はよかったと思いますね。内野さんはああやろう、こうやろうという言葉ではなくて、“変化球を投げるけど受けて返してね”みたいなことが感覚的にできる俳優さんなので、一緒にお芝居ができて楽しかったです。「琥珀の夢」は、このキャストでしかできないドラマ。萬治郎の立身出世を温かく見守り、楽しんでいただけたらと思います。

▽大東駿介コメント
時代を作る意識、時代を変える意識、時代を背負う意識を主人公・萬治郎に感じたと同時に、何もないところから何かを生み出す時代のエネルギーの力強さに感銘を受けました。今の時代には経験できない、その時代ならではの熱量を体験できるのが役者の醍醐味。今回、そうした時代の物語というのはもちろん、内野さんと再共演できることが何より楽しみでした。内野さんは演じる人物の命の熱量をとても大事に演じられる方。
ハっとさせられるようなことも多いので、一緒に演じていて気持ちがいいです。寿太郎から見た父・萬治郎はドエライ人。こんな人が傍にいたら、周りの人の人生も変わるだろうと思いますね。意識していたのは“親父の背中”、それに尽きます。萬治郎の生き方は、とにかく破天荒。成功するかどうかわからない大きな賭けに勝算をもって挑めるってすごいと思うんですよ。自分がこうあるべきだと思うことに対して、ひたすら突き進む生き方をする教訓のような男。そんな人の息子ってどんなだろうというのはすごく意識して演じていました。ウイスキーひとつに、こんなにもドラマチックな物語がある。この作品を通して、モノづくりの原点や、生きるとは何ぞやというのを感じました。そして、お酒ってロマンチックだな、とも。こうした背景に目を向けると、自分の周りに当たり前にあるモノの景色が変わってくると思うので、新しい時代に向かう中で、このドラマが僕たちの時代の基盤はどこにあったのかということを見直すきっかけになればと思います。

▽渡邉蒼コメント
萬治郎は直感的に動くタイプですが、周りの人の事も放っておけない優しさがあります。そのため1人で考え込む複雑な心境のシーンも多く難しかったですが、萬治郎の気持ちが観ている人に伝わるよう頑張って演じました。このドラマは登場人物の絆や一生懸命さに背中を押されるような作品。辛いことがあっても仲間や家族のため、そして夢のために、難しい挑戦をする主人公たちに感動すること間違いなしです!

▽中村梅雀コメント
「琥珀の夢」という作品に、偉大な創始者となる主人公・鳴江萬治郎の不屈のパワーを感じました。
私が演じた義兵衛は、自分の人生への反省から、息子・萬治郎の人生の出発点を力強く後押ししました。その“思い”を大切にしながら演じました。義兵衛が萬治郎に向かって言う「やってみなはれ」が、皆さんの印象に深く残ってくれると嬉しいです。

▽原田美枝子コメント
何かを一代で築き上げる人って違うんだなと思いましたね、勢いとか勘とか巡り合う人とか…。この物語の主人公・萬治郎は、ちよに言わせれば「聞かんぼう」ですが、それぐらいじゃないと何かを成せなかったと思います。お兄ちゃん(千恵蔵)は優しくていい子、そのお兄ちゃんにはない良さや突拍子もないことをやってしまう力、感性が萬治郎にはあった。そんなところも、ちよは愛しかったのだと思います。このドラマには良いセリフがたくさんありますが、印象的だったのが「生き金と死に金があってな…」というちよのセリフ。自分の欲でやることは死に金なんだ、それは本当にいいことじゃないんだ、ということを幼い萬治郎に話すのですが、それは商人の魂であり、人としての生き方でもあるので、そういうことをストーンと言えるお母さんって、シンプルにいいなと思いました。良いセリフが1個でもあれば演じる側も楽しくなりますから、今回ちよ役を演じられて嬉しかったです。このドラマのモデルとなった企業は進行形で発展していますが、創始者の思いというのは続いていくものだと思います。創始者がどうであったか、その思いをどう受け継いでいるかというのはとても大事なこと。それが現代も生かされているというのは素敵なことだと思います。ぜひこのドラマを観て、萬治郎という人物を楽しんでください。