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食い物の縁(林部)


季節の移り変わり、変わり目を通り越した日々が続く中…林部は、愛用する競技用の自転車をこいでいた。

在籍している学園までのルートは幾つかあり、今日のルートはペース維持へのトライアル・ルートだ。
寒さと風の影響で、筋肉を動かしているにも関わらず…感じる温度により、思っていた以上の体力を消費している体を、林部は感じていた。

吐く息こそ、若干白くなりそうな冷え込みの中…林部の鼻が、好物に素早く反応する。

「この匂いは、……っ!」

時には自動車をも軽々と追い抜くスピードが出る競技用の自転車。
横切る風景も早く、なおかつーー…成長期であり、食べ盛りでもあって。プラスαで、空腹と好物も重なり…林部は、直ぐにその匂いを出す店を視界に捕えた。

が、その匂いを出す店にはすでに先客がおり…店明かりに照らされたのは、見知った制服を着た女子生徒。
その女子生徒が手にし、食べているモノを見て確信し…林部は、ブレーキをかけて自転車を停めた。

店の明かりと、女子生徒があまりにも美味しそうに食べる姿を数回覗き見ながらも…店員とのやり取りは、いたって淡々としている。
そもそも、林部自体が…そんなに会話が得意ってわけでないのだ。
理系女子が増えたとはいえ、女子生徒と会話する機会など…奇跡に近い林部。
クラスでも、暴力的な外見と口の悪さから…遠巻きに見られる事も少なくない林部。

この2点から、林部自身も…周囲との距離を置いて、マイペースに学園生活中なのである。


店員から渡された好物は、自身の両手ぐらいのモノで…出来たてな事もあり、飲み物のように口の中に消えていく。

安くて美味いモノに目がない林部。
に、先客の女子生徒が会話をもちかけ…林部は、食べる手を休めた。

どうやら、女子生徒も買い食い…食べ物が好きらしく、林部は好感を持てた。
何よりも、食い物好きに悪い奴はいない!が、林部の自論であるため…女子生徒とは、気兼ねなく話せるのであった。

終始会話が途切れる事はなかったが、女子生徒の発言に…林部の闘争心から小火が出た。


電車の方が安心安全であり、目的地まで速い。と、言うのだ。
競技用自転車をナメんなよ?の、状態である。

しかし、時間が時間であったため…約束を取り付けると、女子生徒の名前と所属している科を聞いた。



再びトライアル・ルートに戻った林部は、脳内で女子生徒との会話に出て来た店への最速最短ルートを検索しはじめる。

「…ナメんな、…」

林部はスピードを上げて、帰路を急ぐ。
約束と電車を意識してーー……。







大変お待たせしました!汗

らいあなさん宅の古市さんと、ウチの林部のコラボ小説になります。汗

古市さんとの会話文の記載が出来なかったのは、私の痛恨のミスです。_| ̄|○
らいあなさん、古市さん…ごめんなさい。_| ̄|○

こんな駄文でよければ、バトンとしてお受け取りくださいませ。m(_ _)m
(古市さんとの約束のコラボ小説も、書き書きですね。(*´ω`*))


ウチの林部とコラボしてくださり、感謝感謝大感謝です。(*´ω`*)
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