補助金の取り消しは全国227億円に コロナ検査の不正、相次ぎ発覚

7/13(木) 18:00配信
朝日新聞デジタル

 新型コロナウイルス検査の無料化事業で不正な申請があったとして、東京や大阪など5都府県が総額約227億円の補助金交付を取り消していたことが分かった。うち約29億円は交付済みで、受給した事業者に返還を命じていた。12都府県が不正の調査を始めたり、検討したりしており、金額はさらに膨らむ可能性がある。

 朝日新聞が6月下旬までに47都道府県に取材し、判明した。今月10日には、埼玉県の事業者が補助金約100万円を不正受給したとして詐欺罪で起訴される事案もあった。5月の「5類移行」に合わせて各種のコロナ関連事業が終了したが、こうした不正事案への対応が今後、焦点となる。

 無料化事業は、PCR検査などを希望者が無料で受けられるようにするもので、2021年12月〜23年5月に全国で実施された。国の地方創生臨時交付金を財源に、都道府県が実務を担当。事前に登録した事業者から報告された検査件数などをもとに、検査経費などを補助する仕組みだった。22年10月時点で全国に約1万3千の無料検査所が置かれ、国の補助は予算ベースで総額約6200億円に上った。

 事業者側に不正があったとしてこれまでに取り消された補助金の交付申請は、東京都が計183億円(11事業者)、大阪府が計42億8千万円(7事業者)など。