『創るカケラとあなたの夢』と『ミドリカ・コメディー・ビザールショー』に登場した嶺猫が誰かと会話しながら中二病(高二病?)を披露する日常系会話ミニSSです。 かなり青臭いので苦手な方は注意。
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大学のお昼。
花音「うー……」
嶺猫「どうした、食事中のケータイは行儀が悪いぞ」
花音「私のイラスト、ほとんど見てもらえないなぁって……」
嶺猫「ああ、イラストサイトに投稿していると言ってたな」
花音「うん、でも全然パッとしない……同じくらいに始めた人はめいっぱい伸びてるのに」
嶺猫「ふむ」
花音「数字がほしいわけじゃないけど……やっぱりもっと見てもらいたくなるし、人気のある人に……嫉妬とか、しちゃうし。私っていやしいのかなぁ」
嶺猫「嫉妬も自己顕示欲もごく普通の人間らしい感情だろう。そこで自身を向上させる努力もせずに相手を潰すことしか考えなかったり卑怯な手を使って名声を得ようとしたりすると醜悪なものになってしまうんだと思う」
花音「ん、まぁ……それは確かに」
嶺猫「だが考えても見れば、妬ましくなることも名声を欲する気持ちも、正しく行動にうつせば目的達成へのモチベーションに変わる。必ず全員が大物になれるわけではないが、人生の中で精神的充足を得ることなどにも繋がると思うのだよ」
花音「んー……要するに、人気者になりたいから魅力的になれるように努力や工夫をしよう、みたいな?」
嶺猫「ああ。一見、負の感情に見えてもやり方次第でどうにでもなる。だからお前はいやしくなんかないさ」
花音「ありがとう。……なんていうか嶺猫ちゃん、最近ますます大人になったような感じがするね」
嶺猫「どういう意味だ?」
花音「あのね、嫌なこと言っちゃうかもしれないけど、昔の嶺猫ちゃんは怒りっぽくて、いつも悪者は断じて許さん! 腹立たしい! って感じだったよね」
嶺猫「ぐ……」
花音「今も正義感……っていうのかな、それは変わらないけど、そういうこと話す口ぶりも見方も落ち着いてポジティブになってきて、そこが大人になってきたって感じがする」
嶺猫「そうか、自分だとよくわからないが……嬉しいよ。お前もあれだ、その、いろいろと熱く語るのが大人しくなってきたよな」
花音「え、あ、そ、それは(ひょっとして萌え語りのこと!?)」
嶺猫「ま、まぁ、好きなことに熱くなれるのは良いことだが、音量が気になっていたというか、その」
花音「ちょ、ちょっと、その時はホントにごめ……というかやめてぇ! それに、わ、私は嶺猫ちゃんよりはうるさくなかったよっ!」
嶺猫「なんだと? お前の方が音量が大きかっただろうが!」
花音「むっ、嶺猫ちゃんの方がみんなびっくりしてたじゃんか!」
嶺猫「お前なんか周囲が困惑していただろうが!」
花音「それだって嶺猫ちゃんもみんな反応に困ってたもん!」
嶺猫「ポジティブならいいって話じゃな……ん?」
花音「せ、先生?」
先生「今は二人ともうるさいしみんな困ってる」
花音「あっ」
嶺猫「あ……」
花音「……」
嶺猫「……」
嶺猫&花音「「ごめんなさい」」
花音「……嶺猫ちゃん」
嶺猫「なんだ」
花音「お互いに黒歴史だってわかってることで張り合うのはさすがに空しいね」
嶺猫「……そうだな」
おしまい。