俳優の窪田正孝が主演を務め、来年春にスタートするNHK連続テレビ小説『エール』(月〜金曜前8・00)の新キャストが発表され、俳優の唐沢寿明、女優の菊池桃子、俳優の風間杜夫、俳優の中村蒼、俳優の佐久本宝、シンガー・ソングライターの森山直太朗、俳優で歌手の山崎育三郎ら7人が出演することが分かった。唐沢サンは88年の[純ちゃんの応援歌]、16年の[とと姉ちゃん]に続き3回目の朝ドラ出演となり、唐沢サンと風間サン以外は朝ドラ初出演。

朝ドラ通算102作目。全国高等学校野球選手権大会の歌「栄冠は君に輝く」などで知られる作曲家の古関裕而(こせき・ゆうじ)さんと妻で歌手としても活躍した金子(きんこ)さんをモデルに、、脚本はNHK[ハゲタカ]、フジテレビ[医龍][コード・ブルー―ドクターヘリ緊急救命―]シリーズ、テレビ朝日[アイムホーム]などで知られる林宏司氏が担当。福島で代々続く老舗呉服店の長男で、気弱でいじめられがちだったが音楽と出合い、その秘めた才能を発揮して作曲を始める、銀行に勤める福島の青年・古山裕一(窪田正孝)と豊橋に住む女学生・関内音が文通で愛を育んで電撃結婚。音楽によって強く結ばれ、戦前・戦中・戦後を生き抜き、多くの名曲を生み出した少し気弱な夫と逞しい妻を描く。

男性の朝ドラ主演は14年後期[マッサン]の玉山鉄二以来6年ぶり(ヒロインはシャーロット・ケイト・フォックス)。妻の音役でヒロインは女優の二階堂ふみが演じる。朝ドラ100作目[なつぞら]、9月からの[スカーレット]に続く102作目となる。本作から月〜金の週5日での放送となる。今秋にクランクイン予定。

昭和の音楽史を代表する古関さんは1909年、福島県に生まれ、89年に80歳で亡くなるまで約5000曲を作曲した。[六甲おろし(阪神タイガースの歌)][闘魂こめて(巨人軍の歌)]など野球に関連する曲が多いが、きっかけは22歳の時に手掛けた早大応援歌[紺碧の空]。この曲が話題となって名前が知られ、次々と依頼が舞い込むようになったという。[長崎の鐘][イヨマンテの夜]などヒット歌謡曲も数多く残している。

今回発表されたのは、裕一の地元・福島の家族や音楽仲間を演じる7人。父であり老舗呉服屋「喜多一」の4代目店主・古山三郎を唐沢寿明、母・まさを菊池桃子が演じ、弟の浩二に佐久本宝、伯父の権藤茂兵衛に風間杜夫が扮する。裕一の幼なじみで、のちに“福島三羽ガラス”と呼ばれる音楽仲間の1人、県議会議員をつとめる裕福な家の息子で、のちに東京の音楽学校を卒業し、歌手となって裕一の曲を歌い人気を博す佐藤演じる久志に山崎育三郎、魚屋「魚治(うおはる)」の長男で、けんかが強く近所のガキ大将の村野鉄男に中村蒼がキャスティングされ、裕一の小学校の担任で、裕一の作曲の才能をいち早く見出して応援する裕一の恩師である藤堂清晴を森山直太朗が演じる。なお、菊池サン、佐久本君、育三郎君、蒼君、森山サンは連続テレビ小説初出演となる。


▽唐沢寿明コメント
この「エール」で3回目の連続テレビ小説の出演となりますが、“昭和”“平成”“令和”とそれぞれの時代で出演させていただけることはとても光栄です。連続テレビ小説は時代が変わっても、どこか変わらない空気が流れていると感じます。主役の窪田君は数年前に共演してからいつも頑張っている姿を間近で見ていたので、今回、自分が何か力になれることがあるなら喜んで参加したいと思いました。役柄の父親としても、役者仲間としても成長する姿を見守っていきたいと思います。

▽菊池桃子コメント
オリンピックイヤーに、声援や応援を意味するタイトルの「エール」に参加させていただくことは大変幸せなことです。私は裕一を、そして家族を「普遍的な母の愛」で精いっぱい包み込むように演じたいと思っています。テレビの前の皆様にも温かいエールが届きますように。

▽佐久本宝コメント
初めに、「エール」の台本を読ませていただいた時、胸が躍る感覚になりました。古山浩二という人間を生きられること、また、縁のある福島という地が古山家の舞台というのもすごくうれしいです。大先輩方のお力をお借りして、魂でぶつからせていただきます。

▽風間杜夫コメント
「エール」という潔いタイトルに、作品に入る前から力がみなぎる。縁の深い福島の空気を肌に感じながら演じてみたい。主人公は窪田正孝君。信頼する役者だ。僕は彼の伯父役で、対立する頑固者らしい。本当は、心からのエールを送りたいのだが。

▽山崎育三郎コメント
古関裕而さんの親友で、日本を代表する歌手・伊藤久男さんをモデルにした佐藤久志役として出演させていただきます。憧れの連続テレビ小説初出演、大変光栄に思います。子供の頃から芝居と同じだけ歌を歌ってきた僕にとって、この役との出会いは宝です。歌手という役柄に初めて挑戦するので、芝居と音楽に誠実に向き合い、佐藤久志としてこの時代を懸命に生きたいと思います。

▽中村蒼コメント
さまざまな物事に対して、悩んで後ろ向きになってしまったり立ち止まったりしてしまうことが多い自分ですが今作の台本を読んで登場人物の台詞や行動に力をもらいました。そのような作品に携われる喜びを感じております。そして自分が今作からもらった力を視聴者の皆さんにも届けられたらなと思っています。

▽森山直太朗コメント
台本を読んで、自分にとってはモノクロームな時代を生き抜いた音楽家・古関裕而さんの葛藤と成長、そしてそれを取り巻く人々の活気ある姿が確かな色彩を持って感じ取れました。劇中にも度々出てくるオルガンやハーモニカを奏でるように、スタッフや出演者の皆さんと一つ一つ感情を積み上げていけたらと思います。

▽窪田正孝コメント
すばらしいキャストの皆様と1年の撮影をともにすることができ大変光栄に思います。また、唐沢さんや風間さんと再び共演できて心からうれしく感じています。皆様と芝居のセッションでどんな色彩の変化、感情の波が生まれるのか今から楽しみでなりません。全員で1つとなってすばらしいエールにしたいと思います。

▽土屋勝裕(制作統括)コメント
裕一が少年時代を過ごした福島市は、東北地方の経済の中心地として栄え、市の中心にはデパートもありました。父親が買ってきた西洋音楽のレコードを蓄音機で聞きながら、裕一は音楽の感性を育みました。
今回発表する福島の家族たち、学校の先生、幼なじみの友人たちが、のちの裕一の音楽の源泉となっていきます。みな裕一にとって身近な存在だからこそ、時には本気でぶつかりあいけんかをしたり、励ましあったりしながら生きていきます。そして、裕一が東京に行ってからも、福島の人々は裕一の音楽に影響を与え続けます。
激動の昭和という時代、困難に立ち向かって生きた人々を、キャストの皆さんに演じていただくのが、楽しみです。