モデルで女優の池田エライザが主演を務める映画『ルームロンダリング』が、2018年公開決定。共演には、渋川清彦、健太郎、光宗薫、オダギリジョーらを迎えることも分かった。

5歳で父親と死別した八雲御子(池田エライザ)。その翌年には母親が失踪してしまった。その後は祖母に引き取られた御子だが18歳になると祖母も亡くなり、天涯孤独となってしまった。度重なる不幸に自分の殻に閉じこもってしまった御子のところに、母親の弟である雷土悟郎(いかづぢ・ごろう@オダギリジョー)が現れ、住む場所とアルバイトを用意してくれた。そのアルバイトとは“物件を浄化する=ルームロンダリング”だった。

*「1K・4万円・自殺」
新たな部屋に越してきた御子。夜、風呂場へ行くとそこには春日公比古(渋川清彦)の幽霊がいた。自分の姿が見える御子に驚く公比古だが、御子は公比古に驚かない。ルームロンダリングを始めて以来、幽霊が見えるようになっていたのだ。奇妙な共同生活を送る2人だが、あるとき、公比古は自分の演奏が収録されたデモテープを見つける。そのテープこそレコード会社に送ろうと思って送れなかったまま亡くなってしまった後悔の産物。いまからでも送って欲しいと公比古から頼まれる御子。そんな折に悟郎からの連絡。新たな物件への引っ越しが決まる。

*「2K・10万円・刺殺」
引っ越した先の幽霊・千夏本悠希(光宗薫)は見知らぬ男に殺されたOLだった。隣人の虹川亜樹人(健太郎)は事件当時、異変には気付いたが何も出来なかったことを悔いていた。そこへ、居るはずのない公比古が現れる。御子がまだ送っていないカセットテープへの執着から現れたようだ。幽霊同士語り合う公比古と悠希。悠希の恨みを晴らしてあげたい御子は似顔絵描きで犯人を探そうと思いつく。御子の書いた似顔絵を元に、警察へ連絡した亜樹人だが、なんと偶然にも連絡を受けた警官こそが悠希を殺した犯人であった。一方的に殴られ続ける亜樹人の絶体絶命のピンチを御子の決死のアイディアで救い出し、さらには犯人逮捕へと至るのだった。

母親の深月にも幽霊が見える能力があり、そのことで精神を病んだのだと悟郎から聞かされた御子は、悟郎に頼み込んで深月の居場所を聞き出す。そこはかつて一緒に暮らした区営住宅の跡地であり、そこに深月は確かにいたのだが…。

本作は、オリジナル映画企画とクリエイターの発掘が目的のTSUTAYA CREATORS’ PROGRAM 2015で準グランプリを受賞した企画を映画化したもの。企画提出者で、脚本・監督を務めた片桐健滋と、共同脚本を担当した梅本竜矢が居酒屋での語り合いから生み出したオリジナルストーリー。TSUTAYA CREATORS’PROGRAM FILMは、新たな映像クリエイターの発掘を目的としてプロ・アマを問わず広く企画募集を行うコンペティション。初代グランプリを獲得した中江和仁監督作[嘘を愛する女]は、長澤まさみ&高橋一生の共演で映画化(2018年1月20日公開)されている。

物件を転々とすることで部屋に居座る幽霊たちの姿が見えるようになり、会話出来る能力が開花。いわくつきの“訳アリ物件”ばかりに引っ越す主人公・八雲御子が、“物件を浄化する(=ルームロンダリング)”仕事を通して、この世に未練たらたらな幽霊たちの悩み解決に奔走する。そんな御子と様々な幽霊たちとのふれあいは、多忙を極める現代人に立ち止まることや、人を思いやることの大切さを再認識するきっかけとなるかもしれない…。切なく哀しくも可笑しい、ハートフルなオカルトファンタジー。

父親と死別した翌年に母親が失踪し、18歳の時に祖母も失った主人公・御子役を演じるのは池田エライザ。御子の母親の弟で、ルームロンダリングの仕事を紹介する雷土悟郎役をオダギリジョー、「1K・4万円・自殺」の物件に憑く御子の引っ越し先に住む幽霊の春日公比古役を渋川清彦、「2K・10万円・刺殺」の物件に憑く見知らぬ男に殺されて幽霊となったOL・千夏本悠希役を光宗薫、悠希のかつての隣人・虹川亜樹人役を健太郎が演じる。

公開されたビジュアルは、事務所らしき部屋で、机に置かれたアヒルの置物を挟んで座る御子と雷土のツーショット。ここからどのような物語が展開されるのか、期待したい。

なお、本作は羽生生純によるコミカライズも決定。12/12(火)発売の月刊[コミックビーム1月号;KADOKAWA]にて表紙&巻頭カラーで連載スタートする。


▽池田エライザ コメント
愛おしいと思える台本に出会えたことが素直に幸せだと感じました。御子として様々な人に出会い影響を受けていくことが、わたしにとってとても有意義な時間であり、とても大切な時間でした。誰に出会い、何を思い、何を大切だと思うか。それが人の心を育てていくということを、命の垣根を超えて教えてくれる作品になりました。小さな女の子がぬいぐるみを抱えるように、優しい気持ちで見てもらえると思っています。ちょっぴり可笑しなキャラクターたちをよろしくお願いします。

▽オダギリジョー コメント
残念ながら、今の時代、オリジナルの脚本を映画化する事は容易ではありません。
そんな中でTSUTAYAさんのこうした取り組みは素晴らしいと思いますし、微力ながら応援したい気持ちでこの企画に参加することにしました。
そしてもちろん、想いの詰まった脚本がとてもユニークでしっかりと魅力のある世界観を感じさせてくれた事も、参加したいと思った大きな理由でした。

▽脚本・片桐健滋監督コメント
日々の暮らしの息苦しさとか孤独をどうやってコメディーにできるかと
頭ばっか悩ましてましたが……いざ始まったら! 素敵なキャストの皆さんが動き出して、
大好きなスタッフのみんなが頭の中の妄想を叶えてくれました。
最後には、書いたことなんて忘れて「ルームロンダリング」のファンになってました……
撮影で感じた楽しいがきっとスクリーンから溢れ出していると思います!
ぜひ、劇場でご覧ください! 宜しくお願いします!

▽共同脚本・梅本竜矢コメント
大好きすぎるキャストの皆さんと頼れるスタッフの皆さんが、片桐監督と僕の「こんなこといいな、できたらいいな」を、各々の不思議なポッケで叶えてくれました。本当に有り難うございます。この映画は、職場や学校や家庭の中で居場所を探している人たちに勇気を贈る物語です。「ルームロンダリング」という題名ですが、皆さんの日々の荒んだ気持ちもロンダリング(浄化)する仕様になっておりますので、まずは劇場でお試し下さい。


『ルームロンダリング』2018年、全国にて公開予定。