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セックス中毒

修平と初めて会った日から再会するまでの間、私は新しく正社員として働き始め、念願の一人暮らしも始めていた。



ケンは修平と同じく実家はこっちだが県外で就職をしていて、ちょうど帰省していた所だった。

こいつはとにかく口が悪い。私も割と毒を吐く方だったので、会ったばかりとは思えないほどに二人で言い合いをしていた。けれど「喧嘩」のような言い合いではなく、友人曰く「夫婦漫才」のようだったらしい。


チャラいし口悪いしこんなやつ真っ平御免だ!


と、思っていた…の…に…







またやってしまった。






私は結局修平にフラれたんだと思う。直接は言われてないけど。ていうか修平とはセックスしただけで告白紛いの事は無かったし。

んでフラれたその日に修平の友達とセックスってか。
最低だ私。クズすぎる。


自己嫌悪に崩れる私だったが、そんなクズな私の更に上を行くほどケンは…


クズでアホだった。




いいじゃんいいじゃん深い事は考えない♪気持ちいー事しよ♪

何度も何度も交わり、とろけて。


呆れた私が「この絶倫男」と罵っても褒め言葉と捉えるアホ。


そんなケンに少し、救われた。
フラれた次の日にこんなに笑ってられるなんて。



好きになってはいけない相手だと思った。だってこいつは修平の友達だ。絶対好きになってはいけない。


そう思いながら私は何度も何度もケンとセックスをした。








友人「いんじゃない?ケン君。壱に合ってると思うよ」

私「いやいや、だって修平の友達だし」


友人「ケン君気にしてないっぽいじゃん?何つーか、ケン君と一緒にいる壱、自然にしてるなーって思う。よく笑ってるし。修平君イケメンだけどねー一緒にいると緊張してる感じ。素の自分を出してないみたいな?私はケン君がいいと思うよー」




あの男嫌いな壱がねー、とニヤける友人。
ホント、自分でもビックリだ。人生何が起こるか分からない。




それから1ヶ月程して、またケンが帰省してきた。
私たちは当たり前のように会う約束をし、映画を見て食事をし、カラオケに行き、飲みに行き、そして別れるギリギリまでセックスに明け暮れた。



何度もバカみたいな事で言い争い、その度にバカみたいに笑い、バカみたいに身体を重ねた。



もう、好きじゃないなんて思えるはずなかった。




ケン

あの日から数ヶ月後、修平から「また帰省するから会おう」と連絡が来た。


この数ヶ月。修平から数回連絡が来たが、私からの電話には一度も出て貰う事はなかった。


あれだけのイケメンだ。女性なんて引く手数多だろう。
ただの利用しやすい女。
私の価値はそれだけだ。


そんな事は分かっていた。


でもまた会いたいと思ってくれた事が嬉しかった。




修平との再会。
二人きりではなく、男女3人ずつの合コンのような再会だった。


しかし修平は2時間程した所で「用事ができた」と一人帰ってしまう。



ガッカリする私に、修平の連れて来た友達の一人「ケン」が笑いながら言った。


「修平はやめとけって。あいつすげーモテるから。泣かされるだけだから(笑)」



そんな事分かってるよ。でももしかしたら…なんて淡い期待もしてしまった訳で…



はああぁぁぁぁ〜〜〜



テーブルに突っ伏しショックに打ち拉がれる私。
そんな私を笑うケン。


こいつは前回修平と初めて会った時のメンバーにはおらず、今回初めて会ったのだが、とにかく見た目め中身もチャラい奴だった。


「なんなら俺にしとかなぁーい?」なんて簡単に言うやつ。ろくでもない。


しかし自棄酒しまくる私に最後まで付き合ってくれたのはこいつだった。



そして私はまた同じ過ちをしてしまう。







朝起きたら隣に寝てるのはこいつだった。

修平

朝チュンというシチュエーションは漫画かドラマの中だけだと思っていた。




知らない部屋。
部屋に散らばる服やティッシュ。
服を纏っていない私と。

隣で寝ているのは…








これは誰が見ても明らかに事後。
記憶は定かじゃないが、所々は覚えていた。

そうだ。私は修平とヤってしまったんだ…








呆気ない……



心にポッカリ穴が開いたような気持ちになった。


あんなに怖かったのに。
酔った勢いとはいえ、こんなにアッサリ昨日会ったばかりの男性にハジメテをあげてしまったなんて。


酔っていたからか全く痛くはなかった。と思う。
怖くもなかった。と思う。
ていうか覚えていない。



いやいや貴重なハジメテを覚えていないて!!自分バカ!!バカもうっ!!


うなだれていると修平が目を覚ました。
うわ急に恥ずかしくなってきた!!



眠そうな顔で「おはよー」と笑顔でいう修平。クソ格好いいぃ〜!!


なんかどうでもよくなってきた。「初めては好きな人と」なんて夢見る乙女じゃなくていいや。イケメン万歳。
ちなみにクズの自覚はある。




ホテルを出たら朝日が眩しかった。
修平と連絡先を交換し、帰省する時にまた会おうと約束をし、私たちは別れた。









強固な門も一度箍が外れてしまうとアッサリしたものである。



この日から私はセックスに溺れて行く。

モテ期?

派遣会社を辞めた私は心機一転マイカーを購入し、新しくバイトをしながら就活をしていた。

そんなある日、久しぶりに友人から呑みに行かないかと誘いのメールが入る。


久しぶりの友人たちとの飲み会。楽しくて楽しくて、私は知らず知らずの内にペースが上がってしまったらしく、珍しく泥酔してしまっていた。



1軒目の店を出て外を歩いていた時、突然知らない男性数人に声をかけられた。
所詮「ナンパ」というやつである。

俺たちと一緒に飲まない?的な事を言われたと思う。
2人いた友人の内の一人は元々軽い性格でナンパにもホイホイついて行くタイプだったし、私も相当酔っていた。


私たちはその男性グループに連れられ近くの居酒屋へと入って行った。


男性グループは私たちより1、2歳年上で、今時のお洒落な若者という印象だった。でもその中の一人が目を見張る程のイケメンで、聞けば東京でショップ店員をしているそうだった。通りでお洒落な筈だ。
東京に住んでるけど実家がこっちで、今は帰省中だと彼は語った。


名前は修平、といった。





ひとしきり飲み、騒ぎ。そろそろお開きかな?という所で男性グループの一人が言った。

「全員ナプキンの裏に、この中で気に入った人の名前書いて。もしカップルになれたら、その2人は引き続き二人っきりの時間をどうぞ〜」



なんつー事を...





迷いに迷ったあげく、私は小さく修平の名前を書いた。
どうせ修平に選ばれる事はないだろうし。その場限りの軽いノリで。



しかし事もあろうに修平の選んだ人は...私だった。



信じらんない!信じらんない!
え、なんで?なんで私!?

何故修平が私を選んだのか全く分からなかった。みんなで飲んでた時もあまり話せなかったのに。


カップルになったのは私と修平のみ。
パニクる私をよそに他の男性グループメンバーと友人たちは、私たち二人を残してさっさと退散してしまった。




取り敢えず私たちは場所を移動し、落ち着いたバーで乾杯。
少しずつお互いの事を話し、気付いたら...






朝になっていた。


見知らぬ天井に

見知らぬベッドの中で。




派遣時代2

その日、私はいつどうやって帰って来たのか記憶がない。


鈴村さんにキスされた。キスされた。キス...キス...


うわぁあぁぁぁ〜!!!
実家の風呂に入りながら暴れ出したい気持ちを必死に鎮めようとしていた事は覚えている。



私はこのまま鈴村さんと付き合う事になるんだろうか。ていうかキスはされたが告白はされていない。


え、あれ?告白されてないよね。うん。


というか私は鈴村さんの事が好きなのだろうか。


分からない。


分からないよ。



恋愛って、何だ。
人を好きになるって、何だ。



その日は寝れなかった。







数日後、私は鈴村さんにデートに誘われた。

食事をして買い物して。そして数時間後。





私達はラブホにいた。



待て待て待て待て
ヤバイヤバイヤバイヤバイ


またも私は流されてしまった。
NOと言えない日本人んんんん!!!

もう自分が嫌!!!



そうしてる間に鈴村さんによりベッドに押し倒される。


「ちょ、ちょっと待っ「待てない」



覆い被さる鈴村さんの顔が



私の苦手な雄の顔をしていた。



怖い。
怖い怖い怖い怖い


涙ぐむ私に鈴村さんは優しいキスを一つし、首筋に舌を這わせたまま服に手をかけてきた。




や、



や、







やっぱり無理ぃーーー!!!!


あろう事か、私は本気泣きしてしまった...


今思えば鈴村さんには本当に悪い事をしたと思う。




結局その日は何もせず私達は家に帰った。
自分が嫌でしょうがなかった。
でもどうしようもなく怖かった。
元より自分の身体に全く自信のない私。どうしたらいいのか分からなかった。



それから鈴村さんとは連絡が途絶えていき、自然消滅という形に。


1ヶ月程してから、鈴村さんに彼女ができたと噂で聞いた。





そして私は派遣会社を辞めた。






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