劇団[大人計画]を主宰する松尾スズキが初めて監督・脚本・主演のすべてを務めるR18映画『108〜海馬五郎の復讐と冒険〜』より、中山美穂、坂井真紀、酒井若菜らキャスト陣が発表された。

1988年に舞台[絶妙な関係]で旗揚げされ、宮藤官九郎や阿部サダヲなどと共に、多岐にわたって活動を続けてきた大人計画。今年、旗揚げから30年となり、主宰である松尾サンも「松尾スズキ」として活動を始めて30周年を迎えるという記念すべきタイミングで本作は制作された。

本作は、2018年に主宰する劇団[大人計画]と「松尾スズキ」としての活動が30周年を迎えた松尾自身の監督・脚本・主演で贈る新作映画。昨年11月に同名小説[108]が発表されている。

主人公は、名脚本家として成功している海馬五郎(松尾スズキ)。海馬はある日、元女優の妻・綾子の浮気をSNSの投稿によって知ってしまう。あまりのショックに離婚を考えるが、離婚時の財産分与で資産の半分を支払わなければならないことを知り大激怒。海馬は妻の”不貞”に支払わなくてはならない資産1000万を、自らの”不貞”で使い切るという復讐を決意する。かくして、綾子がSNSに投稿した写真についた108もの“いいね!“の数だけ女を買いまくる、煩悩丸出し、前代未聞の復讐劇が幕をあける―。

キャストとして発表されたのは、中山美穂、岩井秀人、秋山菜津子、坂井真紀、堀田真由、大東駿介、土井志央梨、栗原類、LiLiCo、酒井若菜、福本清三、乾直樹、オクイシュージに加え、[大人計画]でお馴染みの穴戸美和公、村杉蝉之介。

海馬五郎の妻で元女優の綾子を演じるのは中山美穂。“ドクタースネーク”というコンテンポラリーダンサーとの2ショット写真をSNSに投稿したことがバレて、海馬を激怒させてしまう。不思議な魅力を放つ年下ダンサーに身も心も奪われていく綾子を大胆に演じ、大人の魅力をたっぷりと披露する。

そのほか役柄が明かされているのは、海馬のプレイボーイで、「いいね!」の数だけ女を抱いて資産を使い切るという海馬のとんでもない復讐計画に巻き込まる海馬の友人・糸井役には、劇団[ハイバイ]を軸に劇作家、演出家、そして自らも俳優として活躍している岩井秀人。

海馬の友人でパニック障害持ちの女優、砂山役を、読売演劇大賞や紀伊國屋演劇賞を受賞し名だたる演出家が厚い信頼を寄せる秋山菜津子が、そして海馬の代わりに病気の父の世話を一手に引き受けることになってしまった妹役を坂井真紀が演じている。

また、なぜか海馬に綾子の動向をリークし続ける売れない女優に堀田真由、復讐計画に手を貸すド派手なホストに大東駿介、自分の価値を絶対に落としたくない高級風俗嬢に土居志央梨など、実力派の若手俳優陣がそれぞれ“超個性豊かな”役柄に挑んだ。そのほか、栗原類、LiLiCo、酒井若菜、福本清三、乾直樹、オクイシュージに加え、宍戸美和公、村杉蝉之介といった、大人計画でお馴染みの俳優陣も名を連ねている。


▽中山美穂コメント
松尾監督がこの作品を構想中の頃、咄嗟に私に演らせて下さいと申し出てしまったのです。監督は実現できるかどうかと笑いながら仰っていましたが、それから1年待たずに私達は撮影に挑んでいました。楽しくて仕方のない現場でした。演出をされる松尾スズキは穏やかに強い信念を持ち、そして激しく演じてらっしゃいました。そんな姿がだんだんと可愛く見えてきて、作品の中でもその感じが伝わるのだと思います。とにかく笑える内容です。そしてせつない。私に演らせて頂けたことに感謝しています。

▽岩井秀人コメント
メジャーな作り手の誰もかれもが「コンプライアンス」を気にし、テレビの前の主婦までもが「この表現、誰かに文句言われないのかしら?」と呟くようなご時世に、「よくぞこんな映画を作った!」と言われることでしょう。でも本来「表現」って、「ワレワレの外側」にあるものに手を伸ばすためのものなのだし、そのことを思い出させてくれる作品です。だからコンプラなんてものには届かない高みのシロモノになってございます。ご覧ください!
しかし松尾さんって、いつ丸くなるんでしょうね…。

▽秋山菜津子コメント
舞台作品の中でいつも私に面白い役をやらせて下さる松尾さん。今回もなかなか変わった役柄を与えてくださいまして…楽しかったです。
撮影が終わって「この映画を秋山さんの代表作にして下さいね」と松尾監督に言われたんですけど…嬉しいようなちょっと複雑な気分でした。あ、観て頂ければ分かると思うんですけど(笑)。
でも…そうですね、こんなに潔くかっこいい映画に出演できた事は“誇り”です。それは確かです。


『108〜海馬五郎の復讐と冒険〜』は2019年秋に公開。