俳優の堤真一が主演、お笑いコンビ・ナインティナインの岡村隆史と共演する映画『決算!忠臣蔵』の第2弾キャストとして、妻夫木聡、竹内結子、石原さとみら豪華キャスト14人が、発表になった。

江戸城・松の廊下で人傷騒ぎを起こし、その責任で切腹させられた赤穂藩君主・浅野内匠頭の仇討ちをするため、筆頭家老・大石内蔵助(堤真一)は立ち上がった。……はずが、お家断絶を嘆く暇もなく、勘定方の矢頭長助(岡村隆史)とともにリストラに励む日々。幕府への取次も虚しく、再興の道は閉ざされてしまうなか、江戸の庶民は内蔵助たちの討ち入りを熱望する。ところが討ち入りするにも予算が必要で、その上限は現在の貨幣価値で9500万円。お金がない、しかし世間の空気的に仇討ちは必須、内蔵助は完璧なジレンマに苛まれていく。

映画は、山本博文・東京大学大学院教授の著書[『忠臣蔵』の決算書;新潮新書]が原作で、予算と関西弁を切り口とした忠臣蔵の物語。[忠臣蔵]は、君主の無念を晴らすため、浪士となった四十七人の藩士達が立ち上がり、宿敵・吉良上野介に「仇討」を決行する美談だが、本作は仇討にかかる「予算」に焦点を当てた異色の忠臣蔵となっている。主君・浅野内匠頭の仇(かたき)を討つため、上限予算9500万円以内でなんとか討ち入りするべく、「これなんぼ?」が口癖の内蔵助ら赤穂浪士の姿を描く。

メガホンを取るのは[殿、利息でござる!;'16]、[忍びの国;'17]など近代時代劇を手掛けている中村義洋監督。中村義洋監督の新作映画となる同作は、筆頭家老・大石内蔵助(おおいし・くらのすけ)が勘定方・矢頭長助(やとう・ちょうすけ)の力を借りて、上限予算内で主君・浅野内匠頭の仇討をしようとする様をコミカルに描く作品。大石内蔵助役を堤真一、矢頭長助役を時代劇初挑戦の岡村隆史が演じることがこれまでに発表されていた。堤サンが赤穂浪士・大石内蔵助、岡村サンは内蔵助を支えた貧乏なそろばん侍の勘定方・矢頭長助を演じ、“予算”と“関西弁”を切り口にした史上初の忠臣蔵が描かれる。

今回明らかになったキャストはこれまでも中村組の作品に参加してきた俳優陣。濱田岳、妻夫木聡、荒川良々、竹内結子、石原さとみ、西村まさ彦、寺脇康文、上島竜兵、堀部圭亮、山口良一、鈴木福、千葉雄大、滝藤賢一、笹野高史の14人となる。

妻夫木聡は内蔵助の軍師・参謀を担った菅谷半之丞(すがや はんのじょう)、竹内は内蔵助を優しく、時に厳しく支え続ける愛妻・りくを竹内結子、石原さとみは赤穂藩藩主・浅野内匠頭の妻で、亡き夫の仇討ちを支援する瑤泉院(ようぜんいん)を演じる。

その他にも、俳句や茶道に通じ、吉良邸の情報を手に入れる大高源五(おおたか げんご)を濱田岳、剣豪・堀部安兵衛(ほりべ やすべえ)を荒川良々、内蔵助の副将・吉田忠左衛門(よしだ ちゅうざえもん)を西村まさ彦、大目付・間瀬久太夫(ませ きゅうだゆう)を寺脇康文、元赤穂藩士・早川惣介(はやかわ そうすけ)を上島竜兵、赤穂藩士の討入りを支援するそば屋の主人・長次(ちょうじ)を服部圭亮、浅野家本家の用心・井上団右衛門(いのうえ だんえもん)を山口良一、内蔵助の息子で、四十七士最年少である大石主税(おおいし ちから)を鈴木福、内匠頭が切腹した際の介錯人・磯田武太夫(いそだ たけだゆう)を千葉雄大、内蔵助に討入りをやめさせる進言をする戸田采女正(とだ うねめのしょう)を滝藤賢一、瑤泉院付の用人で内蔵助とのパイプ役になる落合与左衛門(おちあい よざえもん)を笹野高史が演じることが明らかになった。

大石内蔵助演じる堤サン、勘定方・矢頭長助演じるの岡村サンを含め、第2キャスト陣の扮装姿も公開された。


▽濱田岳コメント
今回また中村監督率いる中村組の仲間に入れて頂けたこと、そしてまた堤真一さん演じるご家老の元で再び働けたこと、本当に楽しく幸せな時間でした。

▽妻夫木聡コメント
中村監督にまた呼んで頂いたことがとにかく嬉しいです。
中村組のキャストの皆さんは常に職人揃い。
その中で自分はどうあるのか、いつも試されます。
そして、今回は忠臣蔵という題材。
普通とは違う観点から物語を進めていく中村さんには驚かされるばかりです。
喜劇としての面白さと武士の一分が混ざり合った時にこの作品はどうなるのか自分でも想像がつきません。
出来上がりを楽しみにしていてください。
菅谷半之丞はいわば軍師的な役どころです。
うちに秘めたる沸々とした想いを感じさせるような芝居ができたらと考えています。
今回も最後まで精一杯楽しみたいと思います。

▽荒川良々コメント
誰も観たことない堀部安兵衛を観せる事が出来るでしょう!
乞う御期待!!

▽竹内結子コメント
中村組にこうしてまた呼んでもらえた事がとても嬉しいです。
台本をいただいて読んだとき、こんなにも有名なお話なのにこの作品がなければ知らなかった物事が描かれていて、驚いたのと同時に、語り継がれてきた“あのこと”に至るまでお金がかかるなんて考えたこともなかったなと気付きました。
その時から私はひそかにこの作品を“目から鱗の忠臣蔵”と呼んでいます。
この作品が、たくさんの方の目に触れて、一緒に鱗をポロポロ落としてもらえたら最高に嬉しいです。

▽石原さとみコメント
再び、中村監督にお声がけいただき、とてもとても嬉しかったです!
赤穂藩主・浅野長矩の妻“瑤泉院”役を務めさせていただきました。
主人公・大石内蔵助に対し、ほとほと呆れている役柄でしたが、笑い溢れる温かな現場で、撮影がとにかく楽しくて仕方ありませんでした。
瑤泉院の持ち金を赤穂浪士はどう使う!?
そんな、今まで見た事のない笑える、本気の忠臣蔵!を是非お楽しみにください!
私も出来上がりを心から待ち望んでいます!

▽西村まさ彦コメント
今回、吉田忠左衛門を演じるにあたり泉岳寺をお詣りしました。多くの参拝客がおられ、
四十七士の忠義は今なお敬愛を受けていると実感し、身が引き締まる思いでした。
また墓所のある本妙寺にも伺い、ひっそりとした境内に漂う厳かな気配に、武人の志に身の引き締まるおもいでした。
撮影現場は中村監督の的確な演出に、キャストの皆様も芝居巧者揃い。
こういう現場をご一緒でき、嬉しい限りです。忠臣蔵の新たな側面を楽しんで貰えれば幸いです。

▽寺脇康文コメント
大好きな中村組にまた参加させていただいて、本当に嬉しいです!
中村組ならどんな役でも喜んでやらせていただきます!
一人一人の役者に、愛情を持って接してくださる監督の頭の中にあるイメージ、またはそれ以上の演技が出来た時の監督の心から喜んでいる笑顔を見られた時、僕も、いや、他の役者達、スタッフ達も皆、とても幸せな気持ちになるのです。
今回はそれを毎日体感できました。
凄い映画になる事、間違いなしです。
センス抜群の、素晴らしき中村ワールド!
是非、ご期待下さい!
愛すべき、キャラクターの宝庫でもありますよ!(笑)

▽上島竜兵コメント
こんな素晴らしい出演者の方々と共演させていただき、とても光栄です!
今作は、一般的な忠臣蔵とは違い、『お金』の話を軸に展開していくので、とても興味惹かれました。
コメディー時代劇のようなコミカルな流れが楽しみです。
中村組に呼んでいただくのは、今作で2回目ですので、頑張りたいと思います!

▽堀部圭亮コメント
「江戸の庶民が、赤穂藩士や討ち入りをどう見ていたか?それを四人の人物だけで表現したい」
というのが中村監督からのオーダーでした。
そば屋いづみやの店主と客は、藩士たちの一挙一動に過剰なまでに歓喜し、落胆し…。
まるで、サッカーの日本代表戦を応援する観客のそれと、ちょっと似ているかもしれません。
中村監督は、ほんの僅かな間や微妙な空気を大切にされる方で、厳しくも温かい目で役者の芝居を見ていらっしゃいます。
繊細で刺激的な監督との作品創りは、いつもとても楽しい時間です。
「王道の時代劇を中村監督が撮るとこうなる」という、随所に“中村節”が詰まった『決算!忠臣蔵』ぜひ、スクリーンでご覧ください!

▽山口良一コメント
私は広島市の生まれでありまして、広島城から徒歩で10分もかからないところに住んでいました。
そんな私が広島藩の用人役!畏れ多いことです。
忠臣蔵は大好きなお話で、たとえ四十七士ではなくとも、この作品に関われた事は、喜ばしい限りです。
中村監督、ありがとうございました。
そしてこの視点の変わった忠臣蔵、多くの皆さまにご覧いただきたいです!

▽鈴木福コメント
約9年ぶりに中村監督の作品に出演させて頂けたこと、そして堤さんをはじめ、たくさんの豪華キャストの中で、大石主税という素晴らしい人物を演じさせていただけることをとても嬉しく思っています。
赤穂事件を「お金」という面で見ていくこの映画の中で、普通の忠臣蔵ではかっこよく描かれている赤穂浪士が面白おかしく描かれています!
大石主税もその1人で、賢くて、浅野内匠頭の仇を討ちたい気持ちは強いがちょっと抜けてるところがある、この映画だからこその大石主税が見せられると思います!!
初の中剃りにも注目してもらいたいです(笑)

▽千葉雄大コメント
「殿、利息でござる!」で初めてご一緒して以来の中村組。
1シーンの撮影でしたが、中村組の1シーンは、僕にとって大変意味のある1シーンでした。
中村監督、呼んでいただきありがとうございました。
大好きです。(そして、大好きなあの方とも共演できて、むふふな気持ちでした。)
お客さんとしても完成した映画を観るのを楽しみにしています。

▽滝藤賢一コメント
中村組に参加させていただくのは5本目になります。今回は1日だけの撮影です。
気付いたら終わってそうなので、最初から猪突猛進でいきたいと思います!猪年だけにね。
堤真一さんとは【クライマーズ・ハイ】以来11年振りにご一緒させていただきます。
否が応でも気合いが入ります!

▽笹野高史コメント
今回は新しい切り口の「忠臣蔵」。
私を含め、日本人の身体の中に染み込んでいる今までの「忠臣蔵」から、はたして抜け出せるだろうか、というのが今回のテーマでした。
正直少し不安でしたが、監督とイメージを共有させて頂いて、何とか演じきることができ、ホッとしています。

▽中村義洋監督コメント
好きな人、尊敬できる人、僕が考えるよりそっちの方がスゲェってお芝居を持ってくる人……そういう方々と再びご一緒できるのはこの仕事を続けていく上での醍醐味の一つである一方、お任せしておけば僕の仕事も大幅に減るという大変有り難い方々なわけですが、今回、あの忠臣蔵を描くにあたり「気負わない」と決めていたはずなのに、いざインしてしまうともっともっとと欲が出て、こうして再会した方々にも執拗に「もういっちょ!」「もう一越え!」とテイクを重ねてしまいました。大変申し訳ありません。皆様もまた想像の遥か上をいくお芝居で、これまでの忠臣蔵をいい意味でぶっ壊しつつ、実在の人物について嘘はついていないという、絶妙な存在感で演じていただきました。本当にありがとうございます。
いつもいつも、脚本の裏にある僕の想いというのを背負わされながらも、鮮やかに、軽やかに立ち回る濱田岳には7本目でありながら改めて舌を巻きましたし、「大事な役にはまずはこの人」とお願いした妻夫木くんは、難役を毎カット紙一重の「そうでしかない」絶妙な隙間に着地させてくれました。
予算のお話という、その「討入り予算」のほとんどは、実はさとみちゃん演じる浅野内匠頭の未亡人・瑤泉院のお金なのですが「人の金、何に使っとんねん!」と頬を染めて激怒するさとみちゃんには、堤さん共々、見惚れながらも戦慄させられ、きっちりと物語の縦糸を作って頂きました。
それでもまだ地味になりがちなこの『忠臣蔵のお金の話』を、刀の斬り合いではなく、火縄銃でもなく、身をもってバズーカ砲となって頂いた良々さんや、
バズーカだと思いきや、しっとりとしたお芝居で感激させてくれた竜兵さんにも感謝、感謝です。
そして「いてくれるだけで安心」な西村さんと寺脇さんは(僕は密かに「ウチの両翼」と呼んでいますが)、にこやかに川面(現場)を眺めながら大魚を狙わんとする風情で、僕の気づかない演出ミスを的確に指摘してくださる一方、お二方共々、思いもかけない芝居をぶっ込んでこられ、今回もまた大いに助けられ、痺れさせて頂きました。
また、僕の苦手な「仮名手本忠臣蔵」と照らし合わせて奥行きを広げてくれた笹野さんにも感謝しきりです。
また、打てば響くとはこの人のことかという堀部さん、御自身のキャラを完璧に把握されている山口さん、現場に遊びに来た態なのにいざ始まれば本気モードの千葉くん、この十年でどんどん役柄が大きくなるのを照れまくる滝藤さんには、きっちりバントを決めてつなぐ職人選手をスタンドから眺め、讃えるような、もはや尊敬の念しかありません。
子役時代から九年ぶりの再会で当時をまったく覚えていない福ちゃんには、最初寂しい思いもしましたが、不意に昔のちょっとしたことを思い出す瞬間や、この二ヶ月間の間にどんどん大人の階段を上っていく様には、かなり泣かされました。
そして、今回六本目なのに、初めて見る顔をされるなあ、異常に艶っぽいなあ、と思ってたら御結婚かよ!という結子さん(おめでとうございます!!)
……皆様のお芝居に今回も笑わされ、泣かされ、助けられました。
本当にありがとうございます。またよろしくお願いします!

▽池田史嗣プロデューサー コメント
はるか昔の江戸時代から、忠臣蔵といえばオールスターの代名詞、キャスティングの難易度が恐ろしく高いことで知られています。今回のユニークな「決算!忠臣蔵」にはどんな人に集まってもらうべきか、監督と共に散々悩み、こだわり抜きました。結果として馳せ参じてくださったのは、自信を持ってこれが我々の忠臣蔵だ!と宣言できる最強の中村組オールスターズ。
主演級揃い踏みの豪華さだけでなく、一人残らず芸達者という贅沢な配役。
勿論、其々に監督との相性も抜群で、このあまりにも心強い面々が、敵味方入り乱れて堤さんの大石内蔵助&岡村さんの矢頭長助という凸凹コンビが挑む“予算内で仇討”という困難なミッションを盛り上げます。
今回の忠臣蔵は、見渡す限り曲者だらけの演技合戦。どうぞご期待くださいませ!


映画『決算!忠臣蔵』は11/22に全国公開。