年末昔の女に会った。ていうか遭遇した。軽く会釈をしただけだけど。
むこうはきまり悪そう?でもないか…どうしよう、みたいな戸惑いと顔を赤らめた恥ずかしさを顔に出していた。子供を連れていていいママなかんじ。別れてすぐできた子だ。
確か別れて4年くらいになると思う、もう二度と会いたくないと思っていた相手。1年3ヶ月つきあって最後は浮気されて終わった。今まで唯一、軽くだけど親に挨拶までした相手で、もしかしたら結婚までいったかもしれない人。
だけどうまくいかなくなった。
彼女の家には別れて間もなく男の車が停まるようになり男はそのまま泊まっていくようになった。
俺と別れてすぐ妊娠、すぐ結婚した。そのことや二番目の子の出産とか同じ市内にアパートを借りて住んでるとか人づてに聞いた。
本当に辛かったし、裏切られたことで憎んだし、軽さに軽蔑した。
暗黒だった。これとはまた違って今の生殺しも相当嫌だが。
ひどい女だとずうっと思ってた。そう思わなければやりきれなかったのも事実だったけど。
いずれはどこかで会うかもしれないとは思っていたけど、できれば顔も見たくなかったし、不幸になればいいとさえ思っていた。
しかし月日は気持ちを薄れさせる。
顔を見たら自分でも意外だったけど、懐かしいって感情が沸き起こった。
あれだけ憎んでたはずなのに。
去った後も心に余韻が残り少しくらい、今どうなの?みたいな話をすればよかったって思いはじめた。
彼女のなんともいえない赤面がそう思わせた。少なくとも嫌な顔は見せなかったから。
別れ話をした最後の夜はケンカ別れをしたわけじゃないから、向こうは負い目はあるにせよ俺みたいな憎悪の感情はなかったはず。その後の彼女の気持ちは彼女のみの胸のうちだけでわからない。当然俺と立場が違うし次の男に夢中になっただろうからなんとも思わなくなっただろうけど。
思ったけど、意外と俺は人を憎むなんてできないもんだなって。
本当に最近まで噂を聞いてはムカついてたのに、見たらなにか許せてしまった。許せるはずもないのに。ん?なかったのにか?
瞬間、呪縛から解き放された。
彼女との遭遇の仕方がベストだったんだろう。
ちょうどいい月日のタイミングで。
一時は復讐とか危害を加えたいとまで思っていた相手なのにね。
まあ実際には本気でする気などなかったけど。そんなことで自分がダメになるのが馬鹿らしいから。
自分もあれから何人かの女とつきあい今は別の女のことでウジウジしてるのが現状だ。
今更何年も前の女なんて風化してて当然だけど、なんともいえない気分になった。
何故、今遭遇したのか。因果性を求めて考えてしまう自分。今の恋愛をクールダウンさせてくれるためなのか。
ま、単なる偶然で必然でも運命でもないと考えなおす。
もう自分の中ではそれほど意味のないことに気づきどうでもいいことなんだと実感した。
ただ一瞬の出来事。
悪にも善にもなりきれない人間、それは自分。
恋愛ってなんだろうってまた違う角度からぼんやり思う…
強く儚い者たち/COCCO
まさにアノときはこの詞のまんまだし、ちょうどたまたまアルバムをよく聴いていた。いまだにあの時の傷がこの曲にパッケージされてて聴くと胸が痛む
浮気はされたくない
違う男とセックスをし悦んでいるのを想像すると身が引き裂かれる思いだ
下世話だけどね。…
まさにその瞬間に俺は狂いのたうちまわっていた
耐え難く受け入れたくない状況、止めることもできずなすすべがなかった
嫌な歌だけど、人の性(さが)を感じる
自分だってそんな綺麗じゃないのになんなんだろう、この曲の虚無感
無情