スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

夢の続きを13

−−陽菜宅


陽菜side




ごほうびをねだったゆうちゃんにただいまごほうび中



『にゃんにゃん』
『なーに?』
『あったかい』
『ねー』
『いい匂い』
『シャンプー?』
『ん〜にゃんにゃんの匂い』




どんな匂いかな
陽菜にぎゅうぎゅうするゆうちゃんに心臓の音はぜったい聞こえてる気がする



でもいいの
落ち着こうとか思ってみても無理だって気づいたから諦めることにした
幸せってこうゆうこと
好きな人を抱きしめられて心地いいどきどきがあって
それでいいじゃん



忘れかけてる夢がまだ脳裏にちらつくけど結局夢でしかないんだから現実を精一杯噛み締めなきゃ





『にゃんにゃん』
『ん?』
『こじぱ』
『ん?』
『陽菜』
『…ん、』


でもいきなり陽菜って呼ばれるからこれ以上ないくらい心臓が鳴り響いた




『ゆうちゃん?』




もぞもぞ上がってきたゆうちゃんが真剣な顔で近づいてきておでことおでこがこつん




(な、に?)




腰に回された手の力は強くなってじっと顔を見られるから言葉なんてでなくて陽菜にどうすれって言うの




『陽菜』
『う、ん?』




また小さく名前を呼ばれてどもった返事しかできない




ゆうちゃんの視線が下に下がって唇を見られてるんだってわかる




ごくりとゆうちゃんの喉が鳴ってから





『んっ…』




う、そ
重なっちゃった唇



少し長めにされた後ゆっくり離れたゆうちゃん





『ははっ柔らかい』





へらって笑うの




『……』




なにも言えずに黙っていた陽菜にまた真剣な顔に戻ったゆうちゃんが近づいてくる



ちゅ、ちゅって今度は短いのを何回かされた




『んっゆうちゃ…』
『はっあ、あっごめんあたし』





勢い付いたゆうちゃんは陽菜に覆い被さってきて大きな胸が当たってるよ
少しだけでた舌がぺろって陽菜の唇を舐めるからいきなりでびっくりしたけどゆうちゃんも興奮してるんだってわかる




続きを読む

夢の続きを12

−−陽菜宅


優子side




裸でぷらぷら歩いてたらにゃんにゃんの眉間に盛大なシワが寄ったから大変だと思ってすぐに下着を着た




立場が逆だったとしたらあたしだったら大喜びだけどにゃんにゃんからしたらただの不審者にしか思えないのかな





『うさみみ〜』





にゃんにゃんがお風呂中は気を紛らわせるためにうさみみと野生に返って遊んでた
いま行けばあのバディが拝めるけどあたしは待っててって言われたんだ





『今日はがまんしなきゃな』





今日はってか今日もだけど
我慢って言葉はあたしの辞書にないんだけど陽菜とうまく付き合うために無理やり作った

だってそうしなきゃこの4年間、もう5年になるのかな?どこかで簡単に手を出していたと思う





『にゃんにゃんが悪いよな。うさみみ』





あんなに完璧な女性は初めてだったからあたしの中の常識が覆されて性別とかメンバーとか色んな壁をひょいって飛び越えちゃったんだ





『もらっちゃだめ?ご主人様』





うさみみと同じ目線になれば2匹が舐めてきてくすぐったい
お前らいいよな
どんだけ近くにいれるんだよ





『うがー!』
『わあ。ライオンみたい』
『あっ早いね』





いつもより早く上がった陽菜がこれまた大変なフェロモンを散りばめてこっちに歩いてくる





『遊んでもらったの?よかったね〜』





うさみみを撫でたにゃんにゃんの手に2匹の可愛い舌がペロペロするから羨ましいなんて思ってしまう情けないあたし





『ちゃんと待てたね』




その手があたしにも回ってきてよしよしってされたら気持ちよさから少しだけうとうとしちゃう





『ごほうびー』
『えー?』
『ないの』
『んー』





ごほうびってなんだよとか自分でも思うけど陽菜の前じゃどうも甘えん坊になってしまう

とびきり嬉しいごほうびがいいな





『そだな…んー、寝るときにぎゅうしてあげる』
『ぎゅう?』
『うん。ぎゅう』
『いっぱいぎゅうしていい?』
『いいよ』





十分だよね
それ以上を期待したあたしだったけど、にゃんにゃんからぎゅうを許されるのも世界中であたし1人だよ
とびきりのごほうびをくれたにゃんにゃんにとびきりの笑顔で返した

夢の続きを11

−−陽菜宅


陽菜side




例えばさ、
好きな人がいるとして、その人が近いんだけど遠い存在だとして、その好きな人がこんなばかだったとしたら、もうどうすればいいかわからない





『…優子』




ゆうちゃんがお風呂に入ってる間陽菜は自分を落ち着かせていた



はずなんだけど



聞こえるシャワーの音に妙などきどきを感じてゆうちゃんに話しかけながらもドアを開けようか開けないか必死に理性と戦っていた陽菜



しっかり悪い心を追い出して理性に打ち勝ったばかりなの!





『服を着なさい』





どうして下着も着ないで歩き回るの?
陽菜のがんばり返してよ…





『え?だって暑い〜』



もお、いい加減にしてよ
バスタオルを首からかけて全裸で歩き回るAKBなんてこの子以外にいない





『せめて下着着て』
『にゃんにゃん怒った?やだーごめんね。着るから』





どんな顔してたのかな
いそいそと下着を着だしてそのノリでパジャマも着るかと思ったけどかっちり下着だけ着て





『ほいっ!これでいい?』




だって





『はあ』
『にゃんにゃん?怒んないで?』
『怒ってないよ』





その姿で近づいてきて陽菜の目の前でぺたんって女の子座り


も〜諦めよ
ゆうちゃんに常識とか通じないわけだし





『怒ってない』





うさみみよりもわんちゃんみたいな可愛いこの子をよしよしってしたら安心したのかえくぼを出して笑ってから陽菜にすり寄ってきた




『うはっ。にゃんにゃん』





(かわいい…)





どきどきが聞こえてももういいやって諦めちゃうのはゆうちゃんが陽菜を求めてぎゅうぎゅう抱きついてくるから





(両想いなんじゃないかな)



そんな風に自惚れちゃいたくなるほどに





続きを読む

夢の続きを10

−−陽菜宅


優子side




お風呂場を覗いたらしゃがみ込んでるにゃんにゃんがいるからびっくりした



頭でも痛いのかと思ったら考え事って返事にはもっともっとびっくりした




そりゃあね
にゃんにゃんだって人間なわけだし考え事ぐらいね?



…うん。でもにゃんにゃんが考え事





『珍しいよな…』





そんなにゃんにゃんに考えさせられてるのはあたしのほうなんだけど





『ん〜』





お風呂に入りながら考える
にゃんにゃんが溜めてくれたお湯は丁度いい温度で体の疲れが取れるのを感じた



上がったら話し聞いてあげよう
まさか卒業とかじゃないよね?
うさみみがお座りをしないとかそんな悩みだったらいいな






『ゆうちゃん』






そんなことを考えてたら扉の向こうからにゃんにゃんの声





『おっなした?』
『お湯熱くない?』
『丁度いいよ』
『うそ〜陽菜ぜったい温度間違えた』
『あたし熱いほうがすきだからさ』





にゃんにゃんのシルエットだけ見えるドア越しの会話はなんだかこそばゆい





『小嶋さんもはーいろ!』
『え?…陽菜はいい』
『なんで〜?』
『いいのっ』





その台詞を最後ににゃんにゃんのシルエットが消えてしまった




実はお風呂に入る前もさんざんにゃんにゃんに引っ付いて一緒に入りたいとだだをこねたんだけどね?




だめ!ゆうちゃん入ってきて
も〜入らない
こらいい加減にしなさい
ゆうちゃん?
…優子




徐々に口調が本気になってきたからあたしはしぶしぶ離れたんだけど





『入りたかったー』





あたしの悩み事は小嶋さんがお風呂に入ってくれないことだよ




せっかくのお泊まりなのにあのナイスバディを拝めなかったことが悔しくてあたしはにゃんにゃんの裸を想像して我慢していた



夢の続きを9

−−陽菜宅


陽菜side




泊まってとか言っちゃった




バスタブに溜まっていくお湯を見ながら陽菜はひとり考えていた





『はあ』





ゆうちゃんがすきだと自覚しちゃうとなんでもないことにもどきどきしてやだ



ご飯食べてお風呂入ったら当たり前だけど一緒に寝るよね
こんなときに前の夢を思い出してどきどきが止まらない





昨日までひとりでしてたベッドに今日はゆうちゃんとふたり

なんかいやらしい…





『あーだめだめ』




変なことばっかり考えちゃう陽菜の頭
ばかじゃん
お風呂場に座り込んでしばらくこの下心を追っ払ってたの





『にゃんにゃん?』




ゆうちゃんの声がして顔をあげる





『どうしたの?具合でも悪い?』




陽菜の頭を優しく撫でて一緒にしゃがみ込んでくれて心配したときに出るハの字眉毛





『…ううん。考えごと』
『え!珍しいね。悩みあるなら聞くよ?』





でも居間いこ?
ってくいくい陽菜の服を引っ張る





『…ゆうちゃん』
『ん?』





お湯が溜まる音がちょっとうるさいな





『あのね、』






(すき)






『…おなかすいたね』




やっぱり言えないこの気持ち
伝えていいのかもわからなくなってきた





『ご飯食べよっ。今日はビーフシチューにする』





にこって笑ったゆうちゃんはなぜか陽菜のおでこにちゅってして手を握って居間に歩き出した




陽菜ができないこと、なんでこんな簡単にしちゃうかな



やっぱり溢れ出しそうな気持ちは言葉にできなくて、せめてもと繋いでる手を強く握った

前の記事へ 次の記事へ