リンは不幸の星の下に生まれてきたのではないかとさえ思う。
母はこの世を去ってもういない、妹はさっさと嫁に行き、リンは父のもとを離れ一人。
なんとか就職して仕事を始めた矢先、父が事故にあい危篤状態。
こんな人生、私だったらもう死んでるかもしれない。
近々リンも死んじゃうんじゃないかなって、他人事みたいに思う。
よく生きてるな、って。
人生の中の全ての不幸を先取りしすぎて、幸福を見る前に心が耐えきれなくて死んじゃいそう。
それでもどうせリンのことだから、なんだかんだ生きて、私なんかよりよっぽど大きな幸せを掴んで、私より先に死ぬんだろうな。
だって努力はしてるから。
何もしない私はのうのうと生きてる。
両親もいて祖父母もいて、寝るところもあって食べるものもある。
何もしなくてもこうして生きていられる。
リンは何もかもを一人でこなしてる。
誰よりも死にたがっているのに、誰よりも生きる力を持っている。
だから本来、死ぬべきなのは私だと思うのだけど、周りはそうさせてくれそうにないし、そもそも私自身に死ぬ気も無ければ生きる気力も無い。
結局、いつも思うことは、
私なんてリンには遠く及ばない、ということ。
リンが自虐的な発言をすれば、それは全て私にも当てはまることなので、知らずリンは私を傷付ける。
だけどそれももう、最早分かりきったこと。
だから私は何も見ない、何にも耳をかさない、自分の声にだけ寄り添っていたい、快か不快か、それだけでいい。
早く死ねばいい。