スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

【全てが滅ぶその前に】男女編

二回目にして、ドラゴン設定がいかされない話になってきたような…。
残念ながら思ったままに書いているだけなので、キャラクターのやりとりだけ生暖かい目で読んでいただければと。
画像らくがきは、ロキ。


話題:連載創作小説



白い鳩が窓の格子にやってきた時、私は目を覚ました。
鳩は語りかけてきた。
今の人間界は天候がはちゃめちゃで不作が続いているらしい。
一週間かんかん照りになって作物が干からびたかと思いきや、次の週はどしゃ降りの雨が続いて畑がダメになっているとか。
原因は…まぁ、私なのだが。

「坊主、どうすんだ?」

「ご迷惑おかけして、申し訳ありません。
妹だけでは管理できませんでしたか」

「そのようだなぁ。
困った兄妹だ。まったく」
「お返しする言葉もありません」

ドラゴンである自分が小さな鳩に頭を下げる図は、はたから見れば可笑しなことだろう。
だが、この鳩…ロキさまは最高神の義兄弟にあたり、私をドラゴンにしてくれた方だ。
本来は鳩の姿ではなく、人型の神である。

「人質のくせに自由だなぁ」

そう、私と妹は父と共に、神同士の戦争を終わらせるため、敵である最高神の下に和解の形として人質となったのだ。
再び終わりのない争いを始めたくはない…が。

「こんな事態に陥るとは思わず」

不覚。
がくりと肩を下げると、ロキさまは小さなため息をついた。

「俺だって、ドラゴンにしたからにはもっといろんな場所で話題を作ってくれると思っていたさ。
それが、これだ。
闘技場で暴れるだけなんて、なんて低俗な…。
ドラゴンの意味ないし」

「牽制の意は失っていないかと」

「違うもの牽制してたら意味ないだろう。
とりあえず、ここからお前を出す手筈を整える。
それまで闘技場仲間と仲良くしておけ」

「はい…」

畑を潤す為に最高神が私を呼んでいるわけなのだが、兄妹の勝手な都合により参上できない始末である。
ちなみに、私はこの闘技場にいるグラディエーター達と境遇が違う。
まさかドラゴンにまでなって人間に劣るわけがなかろう。はっはっはぁ…つまり勝ち続けてお金を払えば自由になれるわけではないのだ。
誓約のもと、ここにいる。それをどうにかしない限り永遠にここにいなくてはいけない。

「もう寝よう。
頭を使うのはあまり得意ではない。
ロキさまが何とかしてくれるだろう」

明日は新たな雇い主がついて、檻の場所も変わるというし、早く寝て忙しさに備えよう。
体を丸めて尻尾で顔を隠し、ゆっくり眠りの世界へ落ちて行く。

『お休みなさい、フレイさま』

「あぁ、お休み妖精達」


ふわりと光の妖精達が去っていくと、私の意識も去っていった。








「二人は隣同士の檻だ。
どちらも稼ぎ頭だから、くれぐれも喧嘩するなよ」

昨日、最高神に呼び出された事に驚いていたわけだが、今日も同じくらいのサプライズがやってきた。

「巨人の隣…」

「ドラゴンが同僚!やったー!」

巨人の娘がなぜか喜んでいる。
だが、私は喜べるはずもない。巨人は昔から神族の天敵だ。
こいつらは野蛮で狂暴で知性に乏しい。絶対に関わりたくない。
巨人族も我らを目の敵にしているはずだが、この娘は私を本物のドラゴンであると思っているようだ。


「私はゲルト。
あんたは?」

「…ユングヴィだ」

知性溢れる神族として名乗るだけはしておいてやる。仕事名である『フレイ』というと知れ渡った名であろうから、本名にしておいた。
神族とばれたら面倒そうだからな。

「ユングヴィ、これから宜しく」

屈託のない笑顔とは、こういうものの事を言うのだろうか。
ふん、頭がすっからかんだから清々しい笑顔でいられるのだ。そうに違いない。






「やぁ、お嬢ちゃん。
仕事ははかどっているかな?」

白い宮殿の窓に降り立った鳩は、机に向かって作業をしている女性に声をかけた。
彼女は、黄金のように光輝く美しい髪を揺らし、陶磁器のようなすべやかな頬を窓際に向けた。
鳩に向ける金色の瞳は誰をも魅了する光を…称えているはずが、今は血走っている。

「ロキ!
お兄様はちゃんと闘技場から連れ出せそうなの?」

「まぁね。
もう手は打ってきた。
君が誓約を破って、愛人の仕事をしなくてもなんとかなりそうだよ」

ふわりと風が吹き、鳩が黒髪の青年に変わると、女性を見下ろすように窓枠に突っ立った。
一見、台詞は安堵する内容に思えるが、彼女にとってはその仕草と台詞は、ギリッと歯を食いしばりたくなるようなものだった。

「どうせ私は最高神の命令で当分動けないわよ!
それを笑いに来たわけ?
上手くいってるならいちいち来ないでちょうだい!」

「おぉ、怖い怖い。
こんな顔を見たら、愛人達も寄り付かなくなるだろうな」

「それを言うなら、あなたのその、人をいじくる性格が知られたら床を共にしてくれる女性はいなくなるでしょうね!」

「俺はその点も気に入られて戯れている。
お嬢ちゃんはお子ちゃまだからわからないかなぁ」

「なんですってぇぇ」


低俗とはこんな言い争いを言うのでは…と突っ込む者はいなかったが、代わりに乱入してきたおじさんが一人。

「フレイアちゃん、太陽と雨の管理表はまだ出来上がらないのかな!!畑が潤うまで遊びに行かせないからね!
ロキはこんなところで油売ってないで、早くフレイを連れ帰って来い!ドラゴンとか余計な姿にしたのお前じゃん!」

おじさんが杖を一振りすると、二人の頭上にゴンゴン!とタライが落ちてきた。
若干ロキのタライの方が大きいのは見間違いではない。
痛みに悶えたが、二人は(これでも)最高神に反論するわけにもいかず、目線だけで『けっ、あばよ!』と交わすとそれぞれの仕事に戻っていった。

らくがき


話題:落書き

オリキャラ。
意地悪い計画立てて楽しそうに笑っている悪は大好きである!Ψ(`∀´#)

【全てが滅ぶその前に】貯金編

竜の出てくる話を読ませていただいて、私も書いてみたい!と思い、短編として載せていくことにしました。コメディだと思われる。
添付ラクガキは、今回の主人公ゲルト。巨人です。



話題:連載創作小説

緑の風を連れ、太陽の輝きを纏う少年は、祖国を離れた地で頭を垂れた。


―どうか、私に宝を守護するお力添えを!―

相手は首を傾げ、なぜ自分に助力を求めるのか尋ねた。
彼には他人に頼らずとも強力な武器があり、数々の道具をもちあわせている。
何より、敵である自分に助けを乞う理由がわからない。
少年はそれに対し、真っ直ぐで淀みのない答えを返した。


―怪物を生んだあなたなら、最高神とあなただけがもつ力で私を最強の幻獣としてくれるだろう!―


可愛い我が子を怪物呼ばわりするとはいい度胸だ。
だが、威勢のいいバカは嫌いではない。幻獣を味方につけるのも、後々自分に優位に働くだろう。

承諾の意に、少年は素直に歓喜した。
これで宝は守られる。
大事に大事に…誰の手にも渡さない。


「宝を守護するドラゴンよ。
多いに俺を楽しませておくれ」

力を与えた彼の者はそう言うと、流れ星のごとく軌跡を描いて夜空に消えた。



【全てが滅ぶその前に】



あぁ、巨大な樹よ。
我ら生けるものを見下ろし、悠然と構えてよいのはあなただけだ。

そう、あなただけ。

「神族が偉そうに指図すんなっての!!」

樹が、あのユグドラシルの大樹様が決めたことならば喜んで従おう。
だがしかし!
我ら大地の子祖である巨人族を虐げたばかりでなく、大樹の目の前に国を築き、神のように我らに命令する不届き千万!!

「誰が神族と結婚なんかするか!」

マジないわ!
目の敵にしといて『お前可愛いから嫁に来い』とかないわ!!

まぁ、私の目はキリッと美人目だし、白い肌は自慢だし、蜂蜜でケアしている白髪は輝いて、ナイスバディ…でありたいと心がけてはいるが?

目が肥えていても、生物の頂点に立っていると思っているふざけた神族なんて願い下げだ。

「私は自分の力でここを抜け出すだけよ!!」

渾身の一撃を拳に乗せて相手の腹に打ち込めば、ミノタウロスが宙に舞って太陽に隠れるまで飛んでから落下した。

「ゲルトの勝利!!」

オオオ!

「ゲルト!ゲルト!ゲルト!」

ミノ太朗ごめんよ…。
私は心の中で謝りながら気絶しているミノ太朗をつまんで歓声に答えた。


「ゲルト、お疲れ様。
今日の試合は随分と荒れていたね」

主に私の心がな!ハゲ!とか雇い主に悪態つきながら、手のひらに乗せられた賞金を数える。
グラディエーターとして人間の作った闘技場に送り込まれて、早十年。私は打倒神族!と意気込んで旅に出た矢先に人間の罠にはまって捕まってしまったわけなのだが、ここでも目標を持って生きている。
憐れんだりはしないでほしい。涙が出るから。

私の今の目標は、闘技場に送り込まれる仲間を自分の賞金で買い取って自由にすることだ。
さっきのミノ太朗だって、殺したわけじゃない。
治療が終われば、今回の私の賞金の半分で解放してやれることだろう。
で、残り半分は自分貯金だ。
私だってグラディエーターなんかやめてしまいたいからな。無職になった時の貯蓄だ。

「大分貯まってきた。
けど、投資し過ぎたかな…」

金貨の入った壺を見つめて、思ったより増えるのが遅い中身にため息をつく。
打倒神族!と同じように、ここの全員を解放するという目標は大きすぎるのだろうか。

「いっそのこと、強くて金持ちな巨人族と結婚して…」

神族倒して、皆を解放してもらうかとか考えたら嫌なこと思い出した!

「あの神族、結婚申し込むとかありえないっつーの!」

ドスンドスンと地団駄を踏めば天井からパラパラと塵が落ちてくるが構うもんか。
私を巨人族と知ってからかっているに違いない。
人間サイズのあいつらと私達巨人族が結婚とか、ユグドラシルが燃え尽きてもあり得ないわ。
だってそうでしょう?
心情的に無理な上に、物理的に一緒の家に住むとかおかしすぎるわ!
チグハグだらけだわ!
それにどうやって子孫をのこ…



「乙女になにを想像させるんじゃこらー!!
神族のばーか!全部神族が悪いんだ!」

あぁ、頭に血がのぼりすぎた。体育座りして落ち着こう。

「結婚を承諾したらここから出すとか、ほんと神族って権力の塊で憎たらしい」
ちくしょう、またあらぶってきた。


ズシン…ズシン…


まさしくこんなかんじで、地面を揺るがすくらい暴れたいわ。
今は誰が闘技場に出ているんだろう。

ズシン…ズズン…!

オオオオ!

「あ。聞こえる」

歓声に混じって勝利の咆哮が私の耳にも届いた。
この鳴き声をあげるのは一匹しかいない。


「ドラゴン」


宝を守っていたって噂で聞いたけど、あんな強い奴がなんで闘技場に囚われているんだろう。


「あいつ倒したら一気にお金が手に入るな…。


地獄行き切符も手に入りそうだから当たりたくないけど」


誰に言うでもなく、私は闘技場の地下室で目を閉じた。



【全てが滅ぶその前に】―貯金編―




たぶん続く?

アダム

なんとなく語りたくなった。


話題:オリキャラ設定

アダム=シーナー
0歳で孤児院の前に捨てられていた。
アダムと言う名は、そこの孤児院の先生がつけてくれた。
赤茶の髪に焦げ茶の瞳からして、生粋の平民だろうと思われる。
6歳まで健やかに孤児院で成長。何事も飲み込みが早く、器用にこなす。生まれながらの天才肌。容姿端麗(私の絵では再現出来ていないがな!)
ただ、めんどうくさがりで目立つのを嫌っていたため、力を抜くことしばしばな子供だった。

6歳以降、突然孤児院にやってきた王の使いに拉致られる。
本人の意志まったく関係なく、貴族シーナー家の養子になり英才教育を受け、10歳で暗殺を始める。
先代の暗殺者『フェイメル=サージ』が死に、その死骸を取り込んだ。
自分が死なないために、ただがむしゃらに魔法を覚え、屍の山を作った。

最後のターゲットであるシャリオン家に潜入すると共に、家族の温かさを知り、自分の死に場所を決めた。

生き方は決められなかったが、死に方くらいは…と考えた11歳。
そして死に方プランを忠実にこなして25歳の現在に至る。

童顔?


話題:オリジナル

夫婦は顔が似るといいますが、うちの主人公とヒロインはすでに顔がそっくりという。
描きやすい顔がこうだっただけなんですけどね!
しかし主人公は童顔である。これでも20歳。
←prev next