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祖父母の家

僕の祖父の家には
よく蛙が来ていたのです。

其れは、雨上がりの庭。
其れは、暖かな朝。

優しい田舎の静けさや懐かしさが
叔父の消えた沈静の中に
更に、僕の心の中に ながらくあって
曼珠沙華の赤い花のような
血色の中に
過ぎ行く時間を思い出す。

玄関の砂利の音
此処、今の家では、庭の音。

紫陽花を見ては、あの家の百日紅を思って。

そうそう

ゴールデンウィーク近くに

帰って来たが人は居ず。

蛙も居ず。

昔見た漫画何冊かあって、
思いははるか懐かしく。

僕ら雨の中やってきては、
空を晴らしたんだって思った。

祖父母の家は、いつも空き家なのに

母にとっては、

台所から呼ぶ声が聞こえるかもしれない。

空き家を踏む砂利の音、今の自分
心の未来、それから心配性な僕。

田んぼの匂い あぁ、藁の上の幸福を求め

夜の沼に沈む。

背比べ柱に、僕らの時代。

これらの季節は、心の旅人のながい話し。

ほんのり明るい色の花々を
見る人のいる下界と
ただ明るい上界に

僕は、小さな雲片一つ
無くていい。
無くていいんだと祈るしかできず。

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