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あそんでみた
「さすがに40人はキツかったなァ」
そう言って壁にもたれかかる王将は、息こそ上がっているが無傷に見えた。
「・・・嘘ばかり。あんなに楽しそうに喧嘩をしていた人が何を言い出すやら。」
銀はよろよろと王将に歩み寄り、自分も壁に背を預けた。
二人は暫く無言で空を眺めていた。はぁはぁという荒い呼吸が徐々におさまっていく。銀がチラリと横目で王将を見やると、王将はすぐに感付き銀の方を見た。
「・・・会長、ご迷惑をおかけしました。」
銀が深々と頭を下げる。それを見て王将が面倒くさそうに頭を掻いた。
「おまえさ、いい加減その他人行儀な喋り方やめない?」
「貴方と俺には立場があります。あなたは荒暮のテッペン、生徒会会長・・・自分はそれに従う副会長です。」
「わーってるよそれくらい。けどオレなんざ荒暮を仕切るようなテッペンらしい事、これまで一度だってやった事ねぇぞ?実際ウチを仕切ってんのは銀、おまえだろ。」
「・・・、それでもあなたが会長だ。俺が認めるテッペンはあなた一人。その証拠にあなたの圧倒的な強さに何人たりとも影すら踏めないでいる。・・・勿論俺も。」
「あーあーあーーー!」
銀の言葉を遮るように王将は大げさに伸びをした。ストンと腕を下ろすと、恨めしそうに睨む銀と目があった。
「・・・はあーっ。生徒会選抜戦なんて出なけりゃよかった。校内最強の座を狙ってみりゃあ、やれ校内をまとめろだの他校に力を示せだの。」
さっと王将はタバコをくわえ、一服を始める。
「・・・会長」
「ばーか、電子タバコだよ!絶賛禁煙中だ。本物やってたらバイトできねーだろーが。」
「・・・。」
笑って喧嘩やってる方が問題なんじゃあないですか、と言いかけた言葉を銀はのみ込んだ。元々今日の事は自分の不始末ではないか・・・銀の眉間にしわが寄る。
生徒会の統率をよしとしない荒暮の1チームが、敵対する他校のチームと手を組んで奇襲をしてきたのだ。よりにもよって統率については全く関与していない会長・王将ひとりにターゲットを絞って。自分がその気になれば、もっと火種が小さい内に・・・反乱分子が他校と繋がる前に潰せていたはずだった。なのにそれをせず放っておいた、そのツケがまわったのだ・・・そう銀はひどく悔いていた。
「お母様はどうですか。」
「ん?ああ、元気だよ。最近外に買い物に行くようになったんだ。オレにも普通に話しかけてくれるようになったし、飯も作ってくれるようになった。」
「・・・、それはよかった。」
「バカ野郎、ビミョーな面しやがってwwセリフと顔があってねーんだよ。」
パコンと頭をはたかれる。
「すみません。」
「いちいちクソ真面目に謝んなっつーの」
パコン
「・・・す、すみません・・。」
「お前なぁ。」
ハァーっと王将がため息をついた。
「・・・お前アレだろ、昔のオレに戻れって言いたいんだろ?」
ギクリと銀は固まる。
「わかりやすい奴。」
王将が苦笑いする。
「・・・あなたが母親をうつ病にしてしまったと責任を感じているのは知っています。だから真面目な姿を見せてやろうと努力している事も。けれど俺は・・・俺は、会長に上に立っていて欲しいんです。二番手の俺なんかじゃダメだ、荒暮を仕切るのは、」
「ケホ、ケホ」
ふと王将が渇いた咳を漏らす。チラリと銀がそちらを見やり、口元を押さえていた王将の掌に血がついている事に気がついた。
「会長・・?」
「・・・ン。」
「それは・・・」
「・・・、・・・なあ銀。お前にだけ言うな。」
「・・・ハイ」
「オレ、実は病気でさ。もう長くないんだよね。」
えっ
「統率とかはダリーって思ってるけどさ、オレも昔の生活好きだったんだよな。死ぬまでああいう風にしてたいって思ってた。・・・けどお袋、オレのせいで世間体気にしてあーなっちまったし、迷惑かけっぱで死ぬわけにいかねーだろ・・・?」
いや、そういう事じゃなくて
「・・・どうした銀。ビビッたか?」
銀は王将の胸ぐらをつかむ。挑発的に笑って見せる王将を心の底から馬鹿だと呆れた。
「あなたという人は!どうしてそんな大事なこと・・・!」
「そう揺するなよ、オレ死んじまうかもよ?」
「ッ、・・・嘘ですよね!?だってあなた今もこんなに・・・!」
「銀。」
スッと銀の手を離れ、今までに見た事のないような物悲しげな眼をして王将は笑うのだった。
「荒暮の長は・・・今日からお前だ、銀。」
わかったな?と王将が銀の肩を掴む。・・・銀は応えない。様々な感情が入り混じり、ただただ王将を見つめたまま固まっていた。
「オレの最期のわがまま、聞いてくれねぇのかよ」
悪戯っぽく笑う王将を見て、銀は堰を切ったように再び詰め寄った。
「俺は信じませんよそんなホラ話!だいたい会長はさっきまで縦横無尽に暴れまわっていたじゃないですか!そんな病人どこに居るって言うんですか!?」
「・・・」
「いきなりポンとカミングアウトして、それで投げっぱなしにするつもりなんですか。俺は認めません!俺なんか・・・!荒暮最強は・・・あなたしか・・・!」
眉間に深くしわを寄せ、銀はうつむく。
「・・・チッ。ざんね〜ん」
「!?」
突然聞こえてきた王将の場違いな声に銀は顔を上げる。
目の前に立つ王将は・・・笑いをかみ殺しきれていない腹立たしい表情で銀を見下ろしていた。その顔を見て銀は全てを悟った。
「あっ・・・!だ、騙し・・・」
「ブフーーーーーッ!!!!」
耐えきれず王将が盛大に吹き出す。
「うははははwwwwwひぃーーーwwwwwお前クソ真面目すぎるだろwwww普通誰が信じるかよそんな安い映画みたいな話wwwwwwwwwっつーか引き受けろよ会長職wwwあそこまで信じといて何でそこは頑として譲んねぇんだよこの石頭wwwww」
「〜〜〜!!!」
怒りと恥ずかしさで銀の顔はみるみる真っ赤に染まっていった。
「てめぇ!」
ブンと銀が竹刀を振るう。
「おーっとォww」
ふざけた様子で王将はそれをかわす。
「人が!マジになって!心配してみりゃあ・・・!」
ブン、ブンブン
「うはっwwwそんなにwwwカッカすんなってwwww」
ひょい、ひょいひょい
「くそっ避けるな!!」
「当ててみろってんだよ副会長だろwww」
「くそっ・・・!」
「やーいヘタクソーwwww」
「人の!心を!弄んで!一発喰らってやろう位思えないんですか!」
「おーいそれが会長様に対する口のきき方かぁww」
「うるさい!!!」
***
結局銀は王将に一発も当てる事が出来ないまま息を切らし、へたりこんでしまった。
「うちの会長は・・・、性根が腐ってやがる・・・」
息も絶え絶えに憎まれ口を叩くと、頭上から「そりゃどうも」と皮肉で返された。
「ハァ・・・」
完全に戦意を喪失した銀は深いため息をつく。
「おい何座ってんだよ。帰ろうぜ銀。」
差し出された王将の手には、先程咳き込んだ際に吐血したと思われる血がまだ付着していた。
「・・・会長。病気が嘘なら、さっきの血は一体・・・」
「ン」
ぺっと王将が地面に血まじりの唾を吐き捨てる。
「・・・ケンカで口切れた。」
あぁ、と銀は納得し再びため息をついた。
「なぁ銀、オレ口切った。」
「今聞きました。」
「お前、ケガ人が目の前に居んだから背負って帰れよ。」
「・・・。」
銀がじとりと王将を見つめる。どうみても王将は無傷、満身創痍なのは銀の方だった。
「オレ、口が痛くて歩けなーい」
「あなたって人は・・・」
「・・・誰かさんの不手際でケンカに巻き込まれたカワイソーな会長を、労われないのかなァ」
「う・・・!」
この人には一生頭が上がらない気がする。
ケラケラと笑う王将にもういちど深く深くため息をつき、銀はその背を差し出した。
春「フフ・・・ちょっとしたウォーミングアップさ」
タイトル:芸能界の裏と表
ちょいちょい練習しようかと思います。
今日(厳密には明日か)日付かわってちょっとしたくらいから絵チャします。
母「あ、アンタの部屋片付けたわよ」
前回までのあらすじ
先日のグロたん二氏くんとのチャットの際、人が絵書くところ見るの楽しいって話になり、
この間のニ氏くんとこでのチャットが楽しかったもんで、オラお絵かきチャットかりただよ
性 別 | 男性 |
年 齢 | 73 |
誕生日 | 8月18日 |
地 域 | 福岡県 |
系 統 | ギャル系 |
職 業 | 小学生 |
血液型 | B型 |