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バレンタイン(x25;事故CP企画)


ランダム事故CP企画とは:
クジにより強制的にCPを作る誰も得をしない企画。付加要素もランダムで割り当てる。当時の企画者は火のないところに煙を立てる練習にはなるかと思ったなどと供述しており。

※一次創作の二次創作
※あくまでネタ
※非 公 式


・・・・・・・・・・





「イリス×虎次」
付加要素:共闘
(設定→色々あって色々失って、自分や他の何かを守るためにいち早く日常を取り戻した虎次のもとを、遺志を継ぐという最も過酷な道を選んだ虹が度々訪れるようになり……)


「お前に惚れてたら、もっと幸せだったかもしれないな」

 イリスが呟いたのが聞こえてしまった。虎次は一瞬食器を洗う手を止めて、聞き流すべきか考えてから、やはり軽い調子で口を開くことにした。

「そんなの、あんたじゃないじゃないですか」

そうだよな、返された言葉は小さい。やがて寝息が聞こえてきたので、虎次は手を拭って上着を羽織り、静かに部屋を出た。

「寒いな」

 息が白く曇る。
 すぐに消えていった吐息の向こう、ざっと12、13人はいるか。殺気こそ見せていないが、友好的な気配は感じられない。虎次はぐるりと首を回した。最高戦力の一角であったイリスを追ってきた連中相手にどこまでやれるか分からないが、何もしないよりマシだと思った。何もしないで残されるよりマシだと思った。

「あのときと同じ思いはしたくねぇんだよ!」

拳を握って、走る。相手もすぐに虎次を排除対象だと判断したらしい。無駄のない動作で銃を構え、躊躇なく引き金を引いた瞬間、はるか後方に吹き飛んだ。単純にして強力な能力はイリスのもので、目をみはる虎次の肩を掴んだのも間違いなく彼だった。

「下がってろ」
「おい、」
「ありがとな」

爛々と輝く虹の目を笑わせて、イリスは言った。

 あっという間だった。
 再びあっけなく全壊した日常の中にあって、イリスはひどく穏やかな顔をしていた。

「俺もお前と同じだよ。目の前で大事なやつがいなくなるのは、もう、嫌なんだ」
「だから、」
「だから、守らせてくれ」

誓うように落とされた残酷な告白を、虎次は上の空で聞いていた。

 *

虎「分かりやすく言うと?」
虹「守ってやるからずっと俺の近くにいろよ」
虎「えっイヤなんすけど」
虹「だから?」
虎「えっ」
虹「……本当は藍だって俺の腕の中に閉じ込めておけばよかったんだよな。でもそれは出来なかった。藍のためにならないって思ったからだ」
虎「ですよね」
虹「けど、その結果はどうだ。藍は居ない。俺は後悔してる。こんな気持ちになるくらいなら、あいつの気持ちなんか尊重しなければよかったんだ」
虎「あれっ」
虹「だから決めた。今度こそ、お前だけは守ってやるよ。例えそれがお前の幸せにならなかったとしても」
虎「藍さぁああああああん」



・・・・・



「ルシフス×シオン」
付加要素:女体化


「せっかくの男女CPになったのに、ルシフス、あなたってそういうところあるわよね」

 ため息混じりのローズの言葉に、うるさいと不機嫌に答えた声は凛と澄んだ女の声である。なびく銀髪艶やかに、鋭い眼光冷ややかに、スレンダーな美女と化しているのは、帝国陸軍特務中将ルシフスその人である。転がり落ちるような偶然が重なって、現在彼は、女体化している。

「肉も欲も超越して、剣でしか分かりあえない2人の世界がある――、みたいなCPになるんじゃなかったの?!」
「仮にも帝籍に触れる者が品の無い単語を口にするな」
「超次元的な美女にたしなめられても興奮するだけですーー」

歳不相応に舌を出したローズとは対称的に。

「いまの君とじゃ、やる気にならないね」

シオンはルシフスの膝の上に横向きに座ってご機嫌だった。

「私もここまで筋肉量が落ちるとは思わなかった」
「あれ、下りろって言ってる?」
「いや、このままでいい」
「そう」

かすかに表情を和らげて、ルシフスがシオンの黒髪をすく。なんて画だ。

「ぐぅ……百合オーラにあてられる……」

花の匂いがする、ローズは額に手を当てよろめいた。

 *

「シオンさんの好きなタイプは『師匠より強い人』でしたよね。――試しましょうか」
「協力するよ」
シ「怪物は比喩にとどめてよ」



・・・・・



 灰色の壁と鉄格子越しの空だけをずっと見ていた囚人が、解放され、久方ぶりに鏡を見たならば。きっとこんな感情を抱くのではないかと。貧相な想像力でそう思った。
 懐かしい世界。
 あるべき世界だ。
 手を伸ばして触れてみる。冷たい金属の感触ではない。血の通った、人の手のひら。確かめるように指先でなぞり、そっと握ってみる。強く握り返されて少し驚いてしまった。

「、」

名前を呼ぶ。
呼び返される。
意味もなく繰り返してふいに。

「ただいま」
「おかえり」

震えた声がどちらのものだったか、もうそれすらも分からない。――ひとつだ。


「翠×藍」
付加要素:無し


*

虹「……何これ? 何これ? 二次創作なんだよなぁ?!?!」

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