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登場人物 2年(追加)

登場人物 2年生 (追加)

山本(妹)部活のマドンナ的な存在。経理担当。ゲーム?何それ状態の子。「皆さんが楽しいならそれでいいんじゃないですか。」
自分が兄の人質だとは気づいていない。双子の兄のことは好きだが、、NOt恋愛感情である。


山本(兄)双子の兄の方。サバゲーが得意な2年生。ケンカも強い。
妹を守るために、強くなった結果がコレ。部長らから勧誘されていたが拒否を続けていた。
ら、妹が入部していたので自分も結局入部するハメになった。
部長、副部長には口で勝った例がない。いつか妹と二人で退部することだけを考えている。

新入生をお出迎えしよう編 その1

入学式が終わると、その数日後の全校集会で在校生と新入生が顔合わせをすることになる。それは「新入生歓迎会」と称し、わざわざ授業時間を潰してまでも行なわれた。
その時に校内の部活動の紹介がされる。最初は運動部系の紹介から始まって、次に文化部系に移る。大抵は部長が淡々と活動を話したり、分かりやすいようなパフォーマンスを行ったりと、この時だけは新入生だけでなく、在校生もがやがやと騒々しくなる。
その中でゲーム部は、なぜか部長ではなく副部長が壇上に上がり、部活の紹介をしていた。冷静にゲーム部がどのような部活か話しているが、着ているのは制服ではない。彼の勝負服である、ディーラー服を着込んで話している。
ゲーム部の面々や、ゲーム部について何かしら理解している者はそれを見て、「あぁ、やる気になってんなぁ、副部長」とか思うのだが、見慣れない他の人々にとってはただのコスプレにしか見えない。しかも紹介もただ「ゲームしているだけ」くらいしか彼は話さなかった。
そのため、その時点で新入生にはゲーム部が「真面目に」ゲームをしている部活だと思われるはずもない。紹介が終わった後の、主に新入生たちの方から聞こえるざわめきを耳にして部長はにんまりと笑う。
――ここまでは全て予定調和。ここからが、ゲーム部にとっての勝負所だ。

***
放課後になると、新入生たちが各自で興味を持った部活動の部室へと足を運ぶ。それは1人で、だったり入学式からそれほど時間が経ってはいないけれども、気の合った人たちと一緒に部活巡りをしていく。そのおかげで、普段は比較的静かな旧校舎も活気に溢れていた。
――さて、ゲーム部の部室は?といえば。
これまた意外にも、多くの新入生で賑わっている。彼らは、部員らが用意したボードゲームやカード、はたまたテレビゲームに群がって、一緒にゲームを楽しんでいる。
しかし、その中にはガラの悪そうな人が少なからずいた。部員たちは、その招かざる客の存在に気づいていたが、あえて何も言わなかった。新入生相手に、ただ純粋にゲームに買ったり負けたりと楽しんでいる。
――なぜかって? だってまだ、彼らは何も指示されてない。部員たちは、前もって部長から「今日は手を抜くように」と言われていた。これは、本当は部長ではなく、副部長の入れ知恵なのだが。
この部が、最初から新入生に本気でゲームする部とは絶対に思われない。きっとガラの悪い連中が、自分たちの新たな居場所を求めてこの部に来るはずだ。旧校舎は、その点で一番適している建物といえる。その上このゲーム部の部室は、実をいえば旧校舎の1階に居を構えている。近くには大木が植えてあり、夏場はちょうどそれによって日陰が作られて涼しいのだ。部室内にクーラーが設置してあるのだが。
ここまで好条件な部室の上に、一見すれば一番暴力に弱そうな外見の部活である。暴力で訴えるのが得意な彼らにとってすれば、この部室を奪うのは容易いと思うだろう。きっと、「簡単にこの部屋を奪い取れる」と考えているに決まってる。
それはこの部が、真面目な部活とは思われていないからだ。たとえば運動や演奏に、青春を捧げる陸上部や吹奏楽部は、傍からみれば「真面目な」部活だ。それに比べれば、ゲーム部はただ娯楽のためだけに活動する部だと思われても仕方ない。
だが、真実は違う。部員たちは、全員がいつでも本気でゲームをしている。だから、部長と副部長は「自分たちがゲームを使って、新入生を見極めるしかない」と思っていた。自分たちのように、本気でゲームを楽しみ、生命を賭けるくらいにゲームに全てを捧げられる覚悟ができる人しか部員としては認められない。それが部長の考えだった。
頃合いを見計らって部室を見回し、部長は部員たちに密かにサインを送る。前もって、それは決めていた。伊達眼鏡を外し、レンズを拭く動作がそれだった。念入りに眼鏡を拭いてから、かけ直す。もう一度部室を見回せば、そこには部長が見慣れている、本気の顔つきとなった彼らがそこにいた。
こっそりと、部室に一つだけの扉に部長が近づいて、鍵を閉める。ニンマリと笑みを浮かべて、一安心。これで、これ以上新入生は来れないね。
「よし、じゃあとりあえず、今ここにいる新入生たちだけに入部テストを行なうよ!あ、入部テストって言っても、入部資格があるかないかのテストだからね!」
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