どんな治療法にもリスクや問題はありますが、インプラント治療の最大のリスクは失敗すると、やり直しが非常に困難な治療だということです。
義歯の中でも、入れ歯やブリッジと違い、あごの骨にインプラントを定着させるので万一、人工物のインプラントと自分の骨が周辺組織によってなじむことなく骨の中にインプラントが埋まらなければ同じ穴に再びインプラントを埋入することができず、再手術して、はじめの手術時より、大きく骨を削る羽目になります。
インプラントの埋入も、骨を削るので周辺の神経を傷つけるリスクが常にあります。
金属でできたインプラントを骨に埋め、周辺組織で固めるといっても、金属アレルギーの危険性はほとんどないのです。
人工歯根はチタンが多く、他の部分もセラミックや金などアレルギーを起こすことは極めてまれな素材を使っているためです。
ほとんどのインプラント治療は保険がきかず、その全額が自費になるのが普通です。
ですから、不安を取り除くためにも、金属アレルギーを持つ患者さんは遅くとも手術の前までに、歯科医に確認しておくとベストだと思います。
代表的なインプラント適用のケースは、失った歯だけの治療で済ませたいと、患者が考えている場合です。
ブリッジ治療で義歯を入れるとすれば両隣の歯を削って支えを作らなければなりませんが、これに対しインプラント治療は、失った歯に見合った人工歯根を骨に埋めていくため、失った歯のみに働きかける治療と言えます。
他の歯を削って義歯を入れるのは抵抗があるという希望がある方には歯科医からインプラント治療をすすめられるはずです。
重度の虫歯になってしまい、結局、歯を抜くことになってしまいました。
ブリッジでもいいですよと言われましたがこのような場合、インプラントにもできますと説明され自分の気持ちが固まりました。
費用も見積もりを出してもらい、全て自費ですが自分の歯に近い使用感があるとのことでした。
治療後、噛めるようになると、ほどなく虫歯だったもとの歯よりも、ずっと良好な使用感になってきたのでこれで良かったと実感しています。
一口にインプラント治療といっても、3つのハードルを越えなければなりません。
まず、人工歯根をあごの骨に埋入します。
あごの骨や周辺組織と人工歯根がなじむのを待ち、固まったことを確認してから、第三段階では、歯根にアタッチメント(連結部分)を接続し、さらに義歯をかぶせて完成というプロセスをたどります。
時間を要するのは、人工歯根の周りに組織ができて骨にしっかり定着するまででこの間、2ヶ月から6ヶ月、じっくり待っていることが大事です。
ですから、インプラント治療全体では全部で3ヶ月から10ヶ月かかることを覚悟しましょう。