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更新履歴

●七周年企画
→「王城狂想曲」二ページ更新


もうちょっとで完結します。
したらアマーティア。書き溜めねえと。

表現バトン

表現バトン


創作者へ向けたお題バトンです。


・文字書き向け
・お題をテーマに文章で表現する
・小説や詩など、形式は自由
・直接その言葉は使わない

例:お題が『空』だった場合は作中で『空』という言葉は使わずに『空』を表現してください。


・お題を先に書いてもいい
・お題を隠して読んだ人に伝わるかを試してもいい


表し方は人それぞれ。
ぜひ自分の方法で表現してみてください。


→じゃあふせていきます。


 要は扉を開けた。しんとした室内は薄暗さの中に沈んでおり、閉じたカーテン越しに太陽の光が透かして見える。その隙間から陽光がわずかに指先を伸ばし、黙り込んだ家具たちと埃に輪郭を与えていた。普段とてこれだけの埃に包まれて生活しているだろうに、どうしてか、使う人のいなくなった室内で舞い上がる埃は、総じてその存在感が強い。主張する力が強いのか、他に動くものがないから、そう見えるのか。
 ベッドと机、本棚だけの簡素な部屋だった。 使う人間がいないにも関わらず、シーツや枕、掛布団はいつでも使えるように整っている。机の上は綺麗にしてあるが、本棚で整然とした顔を向ける背表紙たちを眺めると、前はこんなんじゃなかった、という記憶との照合が始まり、それを一体何回繰り返せば気が済むのか、と要はそれこそ何回目になるかわからない溜息をついた。
 窓に近寄り、カーテンを少しだけ開ける。残ったレースのカーテン越しには日暮れの街並みが見てとれた。
 住宅街のまっただ中にあって、車の通りは少ない。何台か見かける車たちは、どれもこの街並みに由来する人のものだろう。動かぬ家々の間を縫うようにして人が動き、その動きが窓越しの世界の息遣いを感じさせる。朝とは違った息遣いは落ち着いたもので、きっと、忙しない一日が終わり、心落ち着く瞬間がこの先にあると知っている人々がここにあるからこそ、街もそのように振る舞うのだろう。どこかの小説で、街は生き物だと言っていた。要はまた、自身の記憶を照合していた。
 生きている街の中で、要が立つこの部屋だけが切り取られて捨て置かれているみたいだ──前はそう思っていた。
 だが、捨て置かれるだけだった部屋には新たな風が窓より吹き込むようになり、山積みだった物は一つ一つ、確かめるようにして片付けられていく。そうして、眠っていたままの部屋は今、まどろみながらも目を覚ましつつあるようだ。
 要は小さく息を吐きながら、ふ、と笑った。


 階段の上で人の気配がし、清瀬は顔をあげた。何度目かの予感、何度目かの仕草、その度に味わう何度目かの絶望にはもう懲りたはずなのに、まだ希望を捨てきれないでいるらしい。
 立ち上がり、階段を上る間、心臓の動きは速くなる一方だった。治めようにも治められない、静め方もわからない──わからなくてもいいから、この動悸がもたらす予感が現実であってくればと、願ったことは数えきれないほどある。
 階段を上りきり、その横に閉ざされた扉が無表情な顔を向ける。ドアノブに触れると冷たく、高まっていた予感を一気に冷えさせた。
 それでも、と清瀬はノブを回す。途端に心臓が跳ね上がり、部屋へ立ち入る瞬間、思わず目を閉じた。
 開けた時、何かが変わっているかもしれない。
──それでも。
 恐る恐る開けた目の先では、厚いカーテンの開けられた窓から日暮れの光が射し込むばかりで、部屋の中身は清瀬の記憶のままである。
 いつでも使えるようにと整えたベッドに、もういいだろうと整理した机周り。自らの心の矛盾を改めて見せつけられると、予感や絶望というよりも呆れの方が込み上げてくる。
 清瀬は小さく息を吸い込み、少しだけ開けられたカーテンを閉めるべく、窓際に立った。そしてカーテンを掴んだ瞬間、頬を伝う暖かなものの存在に気付く。それに気付いてしまうと、もう止めることは出来なかった。次から次へと涙は零れ落ち、年甲斐もなくその場で泣き崩れる。
 どうして、あの子はここにいないのだろう。
──なのに、どうしてあの子が、さっきまでここにいたんだと、思ってしまったのだろうか。


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●七周年企画
→「王城狂想曲」二ページ更新

こっちも絵も目途がついてきて心持ち穏やかです。これを年末に味わいたかった。って何回言ったところで時間が戻るわけではありませんが。

企画小説は結構好き勝手に書かせてもらっているので、なんか違うなーと感じられたら申し訳ないです。書きながらもそこが気になる。でもリクから受けたイメージが私の中ではこういう風に育ちました、という成長報告みたいなものだと思うので、まあそういう感じで読んでもらえれば嬉しいです。一番は楽しんでもらうこと。そんでもって、その後日談なり背景なりを想像してもらうこと。

なんか簡単な掌編でも書きたい。そんならお題小説進めろよって話だが、あれはあれで考えてる内容があるので、とりあえずそういうところから離れてぱぱっと書けるようなもの。気晴らし?どっかで何か拾ってこようかな。

やりますよー

明日は貴重な休みですよ→描きますよ書きますよ。時間と集中力が許す限り。ひたすらひたすら。

創作に時間と思考を傾けてる時ってやっぱり楽しいもんだな。
疲れてる時ほどそう思う。

消えた\(^o^)/

さよなら土曜日!こんにちは六連勤。
慣れると大したことないんだが、久しぶりだなあ。はは……また時間がさようならorz

パソコンも見に行きたいしねえ。買い換えたらペンタブが使えるかどうかによって、そっちも考えたいしねえ。来週火曜が休みで良かった。……休みのはず。何も言ってこないけど休みのはず。
ちまちま書いたり描いたりだなあ……集中集中。

うちの梅が咲きました。
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