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座談会 〜盆休み〜

夏だしたまには。

嵐「……ということらしいが」
明良「ひまつぶし?」
天狗「たんに書くことがないから、大方ひまそうなのを呼んだってところでしょ」
嵐「そう言うお前もひまってことなんだな。ほいほい来るということは」
天狗「このくそ暑い中、ほいほい外に出ていく馬鹿の気が知れないね。屋内で何かやるっていうから、サービス精神を引っ張り出して来てやったんだよ」
嵐「お前のサービス精神はずいぶん安いんだな……。対するお前は元気がないな」
明良「だってお盆だもん。オレら一番忙しい時期よ?」
嵐「じゃ、来なきゃいいのに」
明良「何か面白そうなことやるっていうからさー。したら男三人で駄弁るだけって、なんの罰ゲームだよ」
嵐「いつものことだろ。華がないのは今に始まったことじゃないし。俺もめんどくさいから帰るか、それなら」
明良「せっかく集まったんだから、愚痴の一つでも聞いてくれよー」
嵐「お前はどこぞのおばさんか……」
明良「だって、寺の人間じゃ相手にならねえしさ」
天狗「同じ穴のムジナで話が通じるもんじゃないの?」
明良「あーだめ、この時期は。疲れすぎて話にならねえ。朝ご飯食べてる時の皆の顔見せてやりたい。戦場に赴く前の兵士みたいな顔」
嵐「……まあ、盆だしな。かきいれ時っちゃそうだろうが」
明良「そこそこでかいってのが嫌味なんだよなー。俺と親父じゃ回り切れないから、よそから助っ人頼んで、それでも一日、一人三十件前後だぜ? このくそ暑い中で、休憩時間なしで回るとかマジ死ぬ」
嵐「車だろ」
明良「うちにそんな何台も車を抱えて置ける財力はございません。車は親父と助っ人さんだけ。俺は原付」
天狗「薄墨の衣なんて涼しそうじゃないか」
明良「見た目なーひらひらしててそう思われるんだけど。中身結構着込んでるから。襦袢とかほんと死ぬ。夏用のもあるけど、着込む枚数が減るわけじゃないし」
嵐「じいさん、ばあさんの相手して冷たいお茶でも貰ってりゃいいじゃねえか。お経ついでに、ちょっとばかし商売っ気をだして説教たれてみるとか」
明良「自分の親父より年上の人に説教たれたって、倍返しにあうのがオチだってのー……しかも行く先々でお茶を貰うから、腹は膨れる。スイカとか普段は嬉しいけど、盆の時はやめてほしい。スポーツドリンク飲ませてくれた方が嬉しい」
嵐「アスリートも驚く重労働だな……」
明良「しかも! 行ったら行ったで「今日でしたっけ?」とか、「明日にしてくれ」とかマジやめて! オレらの予定は分刻みなの! そんな余裕あったら休憩時間ぐらい作ってるわ!」
天狗「……そういやお前、このあいだどっかの玄関先で死んだような顔で突っ立ってたよな。それか」
明良「それ。泣きたい」
嵐「……まあ、盆の間だけの話だし」
明良「その間に過労で体調崩して夏終了とか、ない話じゃないんだからな」
嵐「……」
天狗「……なにか良い話の一つぐらいないの。聞いてるこっちが気分が下がっていくんだけど」
明良「あ? そりゃ、一緒に手を合わせてくれたら嬉しいさ。読経してくれてもいいし。オレらは橋渡し程度のことしか出来ねえんだから、結局は家族が拝んでなんぼだろ。あとは仏壇が綺麗に掃除されていれば嬉しい。戒名見るのも、自分の家の歴史を見るみたいでちょっと楽しいし」
嵐「ああ、親父さんと祖父さんのか。そういう見方もあるな。……まあそのあたりで自分を慰めて頑張るしかないな」
明良「まー寺に生まれちゃったから、そりゃしょうがねえなあと思うけどなー。でも悔しいから……」
天狗「悔しいから?」
明良「嵐から聞いたり親父から聞いたりした怪談を話して回ってる」
嵐「……盆の終わりぐらいになると、なんでかそういう話が持ち込まれてくるのはてめえの仕業か」


だらっと終了。
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