お久しぶりです!
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日が昇りました。
「兄さん、大丈夫?」
ちょっとだけ朝食を食べて、昼も近くなろうという時間でしたが、ティカルは与えられた部屋でもじもじしていました。
ファファも心配して今日何度めかになる「大丈夫?」をまた尋ねます。
「足が動かないんだ…」
しゅんと項垂れて、ティカルが言います。
聞きたいことはたくさんあるのに、最初の一歩が踏み出せないのです。
どうしようかと兄弟そろって頭を抱えていた、その時でした。
プラムがやってきたのです。
「ティカル、昨日はすまなかった。驚いただろう」
オロオロしながら、そして昨日自覚した恋心のため顔を赤くしながら、ティカルは首をフルフル振ります。
「・・・」
「・・・」
プラムはティカルが何か言いたいことがあるのではと無言になり、ティカルはなかなか言葉に出来なくて無言になり、部屋はしんとしてしまいます。
ファファは、ここにいてもいいものかと困っているようでしたが、退室を求められなかったので、大人しくしていました。
「ティカル、聞いてくれるか」
ティカルが聞きたくても聞けない様子なのを察したプラムが先に口を開き、無言が解けました。
ゆっくりと頷くティカルに、プラムは少し緊張した面持ちで、まっすぐにティカルを見ます。
「俺は、
俺はティカルが好きだ」
「・・・へ?」
ほかんとプラムを見るティカルを前に、プラムは少し恥ずかしそうに頬を掻きました。
時間をかけて、ようやくプラムの言葉がティカルの頭と心に浸透して、ぽーっとなってしまいます。
「昨日のことを、どうか許してほしい。
正直なところ、油断していた」
ぽつぽつとプラムは話し始めます。
「昨日、ニータが言った言葉を覚えているか?
ティカルの呪いを見て、アレは自分の国の管轄外だと言ったな」
その言葉はティカルもキスの次に印象深かったので覚えていました。首を縦に振ると、プラムは一度深呼吸をして言います。
「王位についてからずっと、欲しくもない領土を広げていた理由は、ニータの力が及ばない土地を探すためだった。
そしてようやく、この前の戦いで、ティカルの国の周辺がそうだとわかったんだ」
話についていくのがやっとという顔をするティカルに、プラムが近付いてきて、手を握ってきます。近くなった距離に、さらにドキドキが増え、プラムに聞こえてしまうのではないかと思うほどでした。
「俺と一緒に、来てほしい」
「プラム…」
そのままたっぷり見つめ合う二人に、おそるおそる話しかけたのはファファでした。
「で、でもプラム王、あなたがいなくなったらこの国はどうなるのです?」
ファファの声に、二人きりではなかったことを思い出したようにプラムはそちらを見ました。
「この国はいずれ叔父に…、父の年の離れた弟に任せる。
どの道、あと数年すれば、俺はニータに夜の国に連れていかれる予定だったから、叔父もそのことは了承ずみだ」
「プラム…」
ティカルのよわよわしい声に、プラムはファファから視線を外して彼を見ました。
真っ赤な顔をしながら、鼻をスピスピ言わせながら、ティカルは今にも泣きそうな顔でプラムを見ていました。
「僕も、
僕もプラムが好き…っ」
「・・・っ」
はっと息を飲んで、プラムは再びティカルを見つめました。
先ほどプラムから告白しましたが、ティカルはまだだったのです。言おう言おうとするのですが、恥ずかしくてなかなか言いだせないうちに話が進んでしまったのでした。
プラムが、ほっとするように笑います。ティカルの気持ちは、手に取るようにわかりやすいので、自分に好意を持っていることはわかっているつもりでした。しかしこうして言葉にされると、本当に嬉しく思います。
「ティカル、もう一度言ってくれるか」
「ん…、す、好き。プラムが好き…」
感激したプラムは、がばっとティカルを抱き締めました。
「あの国の川の工事が終わったらすぐに行こう。
ティカルの国もすぐ隣だ。父王にもすぐ会いにいけるぞ」
「うん…!」
プラムはチラっとファファを見ました。プラムの意図を悟ったファファは、気恥ずかしそうな顔をして退室していきました。
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エロにいっていいかなー?いい○もー!