先週、すでに準備していたはずの文章がすっぱり消えてしまっていて泣きました。
春というかすっかり初夏、梅雨入りしちゃいましたが、どうぞ!
「寝てる間に」(お役目さまより竜逞と惣之助)
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近所の若者たちの寄り合いに連れ出されていた竜逞は、そっと部屋に戻ってきた。
部屋の真ん中で、こんもりと盛り上がった布団に近付き、耳をすませる。
「・・・」
布団からちょこんと頭頂部だけ覗かせて、すっぽりと布団を被っているのは、もちろん惣之助だ。
惣之助は寄り合いには参加していなかったので、すっかり寝入っている。
その寝顔を覗きこみながら、出会ったころより精悍になったなと思いつつ、竜逞はこくりと喉を鳴らした。
寄り合いで、こんな話が出たのだ。
曰く、「ねぼけている嫁はエロい」のだとか。
ただしそれを実行した男は、翌日しこたま嫁に怒られて、口に出来ないような罰を喰らったそうだが。
それを聞いていたときは、周りの男衆と笑っていたのだが、帰って来てみて、あどけない顔で寝ている惣之助を見ると、むくむくと欲求が湧いてきてしまう。
惣之助は成人して、ますます色気が増してきた。いまさら寝込みを襲っても、と頭では思うのだが、ここで好奇心に負けてしまうあたり、その日の竜逞はそれなりに酔っていたらしい。
もそもそと惣之助の寝ている布団に潜りこむ。
布団の中は彼の匂いと体温が充満していて、竜逞はごくりと唾を飲んだ。
仰向けの惣之助の胸もとに手を乗せる。布ごしでは乳首がどこにあるのかわからずに、しばらくさわさわと彷徨うことになったが、ようやく目当てのものを見つけて、くるくると擦ってみた。
「ん・・・」
声が出たものの、まだまだ惣之助は起きる気配はない。
布ごしでも乳首が立っているのがわかるほどになっても、短い声をあげるだけで目覚めないようなので、竜逞の手は徐々に下に降りて行く。
股のあいだを、大きな手でゆっくりと撫でてやると、さっきよりも大きな声が出た。
「んぁ…?竜、てい?」
さすがに急所を触られては寝てはいられない。しかし声はぼんやりとしていて、半分は眠っているらしい。
それをいいことに、竜逞は直に惣之助の一物を撫でた。
「んっんっ、ぁ、…?」
あまり一気に鋭い刺激を与えないように、ゆるゆると擦っていく。
気持ちいいのと眠いのとで、惣之助は口からは意味のなさない言葉ばかりがこぼれた。
「りゅうて、ん、ぁ、おれ、…ぅん、あ、ふ」
覚醒しきらないように惣之助にゆるい刺激ばかり与えながら、竜逞はちゃっかり後ろの穴をほぐしにかかる。
さすがにその頃になると、惣之助も何が起こっているのかだんだん理解してきたらしく、手が竜逞の肩に置かれた。
「ん…、する、の?…ぁ、竜てい、」
「・・・」
話しかけたら完全に起こしてしまいそうで、ずっと黙っていたのだが、惣之助はそれがあまり気に入らないらしい。
「んー」と唸って、トロンとした目で見つめてくる。
「なんか、言って」
「…あぁ、入れたい」
小さく耳元で答えてやると、惣之助はふにゃりと笑った。
肩を掴んでいた手をそろりと動かして、竜逞の一物を大胆にも撫でてくる。
「へへ…おっきい」
着物の上から、形を確認するようにスリスリと掌を擦りつけてくる。
堪らなくなって、竜逞は惣之助の小さい手を取ると、さっき触っていた彼の胸に手をあてさせた。
「…ここ、自分でいじってくれ」
「ん、…ぁ、んっ」
それぞれの乳首に手を乗せられた惣之助は、竜逞の言葉をよく理解していなかったようだが、手近にあった目標を従順に弄り始める。
くねっと腰を捩らせて、まだ中に入っている竜逞の指を締め付けながら、惣之助は自分で着物を肌蹴て、己の乳首をクリクリと擦って見せた。
「あ、ぁん、きもち…っ、ちくび、」
「乳首、好きか…?」
「ん、ん…。ちくび、すきぃ」
もじもじと悶えながら、自分の乳首を弄る惣之助に、竜逞は大いに煽られた。
体勢を整えながら、ぼそぼそと耳元で話し続ける。
「他に、好きなのは?」
「あ、きもちいの全部、すき…。
竜逞のが、いちばん、で…、
おしりに、りゅうていがはいってくるのが、すきぃ」
「…っ惣之助」
堪らずに竜逞は、惣之助の名前を呼びながら、腰を抱えて挿入する。
心なしか、いままで寝ていた惣之助の中は熱く、あまりの気持ちよさに歯を食いしばって耐えなければならないほどだった。
「あっあっ、りゅうてぇっ
あつ、あついぃ〜」
「あぁ、俺もだ」
仰向けの惣之助を押さえ込んで、腰を動かす。
よく見ると、惣之助は未だに自分の乳首を弄っているらしく、そこはぷっくりと腫れていた。
「あぁあっりゅうていッ、も、くる…!きちゃうッ」
「惣之助…ッ」
最奥をゴリゴリと擦られて、押し出されるように達した惣之助は、再び眠りの淵に落ちたのだった。
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翌朝、目が覚めた惣之助は、きょときょとと自分の周りを見回す。
隣にはいつものとおり竜逞がいる。そして記憶の片隅にはぼんやりと、昨日、否正確には今朝、竜逞と致したような気がするのだが、その発端が惣之助には思い出せなかった。
成人してからも、やはり仕掛けるのは惣之助が多いのだが、どうやら昨日は竜逞から誘いがあったらしい。でもその記憶がない。
なんだかもったいないような気分になって、惣之助は隣でいびきを掻いて寝ている竜逞を見る。
「ちくび、いた…」
やはり首を傾げる、惣之助だった。