秘境というと人里離れた未開の地で、地図とコンパスを頼りに道なき道をひたすら歩くというイメージでしょう
しかし現代では交通手段やGPS等、道具の発達によりほとんどの場所を簡単に検索でき、簡単に行くことができるようになりました
それでも一般に知られていない素晴らしい場所がまだまだ存在します
今回は、簡単にアクセスできるにもかかわらず、あまり知られていない滝を紹介します
今回向かうのは後志地方南部、黒松内町にある「重滝(しげたき)」です
黒松内町は「ブナの北限」として有名で、「黒松内名水、や、パンやピザが人気の「トワヴェールドゥ」で知られる町ですが、滝に関しては一般的にあまり知られていません
滝が存在する黒松内川上流には、初心者でも楽しめる沢登りのルートがあり、滝が好きな方たちの間では人気の場所となっています
その支流に、「重滝」があるのですが、山奥にあるにも関わらず林道からその全貌を見ることができるのです
国道5号線から道道9号線へ入り黒松内町市街へ向かって1kmほど進むと、左手に狩場山駐車場が見えてきます
その駐車場から林道へ入り約5・6km進んだ所に黒松内岳登山道入口があります
また、狩場山駐車場は道道9号線沿い、黒松内町と長万部町の境にある駐車場です
滝は林道の先にあるのですが、昨年の台風の影響で倒木などがあって車両で先へは進めないため、黒松内岳登山道入口の側にあるスペースへ車を停め、徒歩で先へ進みます
鬱蒼とした木々の奥からキジバトの太い声、アオバトの猿のような声など、さまざまな鳥の鳴き声が聞こえてきます
ここまで車での移動中もタヌキやキツネなど、さまざまな動物を見かけたことも相まって、密林の中へ迷い込んだようにも感じられます
そんな場所ですので当然、熊対策の準備は必要です
距離にして約800m、10分ほど歩くと右カーブの左脇に、歩き出してから2つ目のカーブミラーがある場所へ着きます
カーブミラーには周りを見渡しても滝は何も見えないのに、鏡の中には滝の白い筋がはっきりと映っています
一瞬、狐につままれたかと思うくらい、林道のカーブと周りの木々やカーブミラーの角度など、絶妙な配置なのでしょう
林道を右へ曲がり先へ進むと、「重滝」は突如その姿を現します
高さは25mほどあり、幅は上部が約2m、下部では10mほどに扇状に広がって滝壺へ流れ落ちています
滝周辺を見て回りましたが林道からの眺めが特等席で、難なくその姿を眺めることができる数少ない滝です
斜度60度程の岩を伝って、奥から手前に向かって流れ落ちている形状のため、音は控えめで優しいですが、その存在感は圧倒的です
写真や動画ではその全容を伝えるのが難しいので、その迫力を感じたいなら実際に観に行くしかありません
山奥にある滝ですが、台風被害の前は、車中から観ることのできる滝でした
町役場によると林道の復活は未定とのことでしたが、復活を願わずにはいられませんね
狩場山駐車場から、道道9号線をさらに黒松内町市街へ2kmほど行くと、「歌才オートキャンプ場 ル・ピック」があります
車で移動するならば距離的に近いこともあり、今回の「重滝」観賞とキャンプを一緒に楽しむというのもおすすめです
ル・ピックはオートキャンプ場とあるように、車で乗り入れることができるキャンプ場
24時間管理人が常駐する管理棟を中心に、バンガローサイト3区画、カーサイト27区画、フリーテントサイト9張の設備が広がっています
毎年4月下旬〜10月中旬の間利用でき、夏になるとなかなか予約が取れないというくらい人気です
人気の理由は、各サイトごとに駐車スペースと炊事場が設備されており、テントを張る目の前まで車で行けることと、すぐそばで焚き火や調理を楽しめるという便利な点でしょう
また、バンガロー内やフリーテントサイトを除き、ペット同伴可能というのも魅力の1つです
近くには道内一広いのではないかというドッグランもあり、30分ごとに貸切で利用できます
さらには、隣接する「ブナセンター」では、釣りや貝化石採集など、自然の中で様々な体験ができる道具の貸し出しや、アクティビティーが揃っており、たとえ雨が降っても楽しめる施設になっております
大自然の中で昼夜を過ごすということは貴重な経験となるはずです
ル・ピックを拠点に「重滝」を見に行くなんていう、ちょっとした探険気分を取り入れてみるのも楽しみ方のひとつなのではないでしょうか
重滝
●所在地
寿都郡黒松内町西沢
歌才オートキャンプ場
L’PIC(ル・ピック)
●所在地
寿都郡黒松内町字黒松内521-1
●お問合せ及び予約
0136-72-4546
(9:00〜17:00)